マツダスタジアムで初めての開催となる日米野球を翌日に控えた11月12日、MLBオールスターチームを代表して、ドン・マッティングリー監督(マイアミ・マーリンズ監督)、ジム・スモールMLBヴァイス・プレジデント アジアパシフィック、ミッチ・ハニガー外野手(シアトル・マリナーズ)、そして前田健太(ロサンゼルス・ドジャース)が広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花し、原爆の犠牲者に祈りを奉げた。
前田健太は広島在籍時代、何度も平和記念公園に足を運び平和についての思いを深め、野球に専念できるその環境に感謝の言葉を繰り返してきた。
今回は「MLBの代表」として別の視点から広島を見つめ直すことになったが、案内役を務めた広島市の松井一実市長から「広島の心」について説明を受け、改めて”広島の意義”を噛みしめていた。
前田健太は「カープのエース」として幾多のドラマを生んできたマツダスタジアムでの日米野球に先発することが発表されている。
受けて立つ侍ジャパンも、かつて前田健太と共に自主トレで汗を流すなど切磋琢磨してきた広島の大瀬良が先発する予定。
なお”マエケン”は広島の球団史に大きな足跡を残してきた。
広島での一軍初登板は2008年4月5日で場所はこのシーズンが「ラストイヤー」となった旧広島市民球場。そして旧広島市民球場でのラストゲーム(9月28日、ヤクルト戦)で先発してプロ1号ホームランをかっ飛ばしている。
2009年4月10日、マツダスタジアムのオープニングゲームに先発したのはルイスだったが負け投手。翌11日の中日戦に先発したマエケンは9回118球完封勝ちでマツダスタジアム勝利投手第1号。
そして11月13日の日米野球第4戦では、供用開始から10年目のマツダスタジアム、そのシーズンラストゲームのマウンドへ立つ。
「9年間プレーして、僕にとってすごく大切な街です」
2016年1月、広島に別れを告げた時と同じ言葉を繰り返したマエケンは、次のように話してマツダスタジアム再登板に意欲を見せた。
「この場所でプレーできるのは僕にとって誇りですし、MLB代表チームとして、そして日本人を代表して、野球ができる喜び、感謝の気持ちを持って、この場所がすごく大切なんだということを、アメリカにも日本にも野球を通じて発信できればいいなと思います」