夏日の9月のデーゲーム、ジェット風船は元気に舞ったが…(画像説明)
9月16日 ●7-6 ヤクルト、マツダスタジアム
通算69勝67敗3分け(巨人まで6差、巨人の優勝M4に減少、2位DeNAまで1・5差の3位)
14時開始・3時間10分・3万1541人
相手先発 高橋○6回3分の1、6安打3失点
本塁打 メヒア7号①
一番センター西川
二番セカンド菊池涼
三番ライト鈴木
四番ファースト松山
五番レフト長野
六番キャッチャー會澤
七番サード堂林
八番ショート小園海斗
九番ピッチャー大瀬良●(25試合11勝9敗)6回93球9安打5失点(自責4)
前夜の引退セレモニーでエルドレッド氏が「フィールドに立っているその一瞬を大切にしてください」と広島ナインに送ったメッセージは、どうやら危機感の表れだったようだ。
この期に及んでマツダスタジアムで最下位チーム相手に連敗…、など本来なら在り得ない。広島はすっかり”緩く”なった。
7月24日夜、暴力事件が明らかなった緒方監督はそれ以降、その表情には大きな変化があった。勝負師のそれではなくなった。緩んだと言ってもいい。
そのあとチームは25勝22敗。チームの貯金はわずかに2。得失点差もわずかとはいえマイナスで、リーグ3連覇の面影はまるでない。
前夜の先発は塹江。結果的にはヤクルト打線に、季節外れの花火3発を広島の夜空に打ち上げられた。
この日は中5日登板が続く大瀬良。非常事態宣言のチームにとっての切り札が先発マウンドに上がったのに、夏日のデーゲームを熱くしたのは、またしてもヤクルト打線の方だった…しかも今度は花火4発。
初回に1点の援護をもらった大瀬良は二回、あっさり廣岡に同点ソロを許した。前日、右方向に2発も運んでいた相手に、またライトスタンドへ持っていかれた。バッテリーとして緩すぎないか?
三回には菊池涼のエラーをきっかけに、山田哲に三塁線を抜かれて失点した。シーズン139戦目にして初の試みとなった「サード・堂林」があっさり三塁線を抜かれると、レフトの長野も打球の処理にもたついていた。
四回、”怪童”村上にバックスクリーン左へ34号ソロを打ち込まれた大瀬良は、六回にも新人の中山に左中間スタンドに運ばれた。真っ直ぐもカットボールもフェンス越え、ではクライマックスシリーズ登板に向けても不安が募る。
八回には3番手の中村恭も村上に左翼越えソロを打たれた。先発、ブルペン陣とも踏ん張りが効かなくなれば、当然、試合は締まらなくなる。
打つ方も広島は低調だった。
今季6度目の対戦となった高橋にプロ最長の6回と3分の1、プロ最多の123球まで粘られた。過去5戦、高橋の対戦防御率は6点台。組やすし、のはずが、この日は初回の1点と、メヒアのソロなどによる七回の2点が精いっぱいだった。
実は1年前のこの日、広島は神宮球場でヤクルトと対戦して4対2で勝っている。初回にバティスタの3ランなどで4得点。打たれたのはプロ2度目の先発を任された3年目の高橋だった。そして2失点は岡田が村上に打たれたプロ1号2ランだった。
1年で大きく成長する選手がいる。1年でチームもまた大きく変わる…(ひろスポ!・田辺一球)