画像は中央公園芝生広場からの風景、ここにどんな夢を描くことができるか…
サンフレッチェ広島の新たなホームスタジアムにもなる、広島の新サッカースタジアム建設に向けて、広島市がPwC・昭和設計・福山コンサルタント共同企業体 に委託して行ったWEBアンケートの応募総数が1万5208件だったことが分かった。
WEBアンケート調査は、9月2日(月)午後3時から9月16日(月)までの期間限定で実施された。スタジアムへの行き方や楽しみ方などを選択方式でチェックしたり、どんなことをスタジアムに求めるのか自由記述する内容となっていた。
ひろスタ!特命取材班では9月3日の朝の時点で回答数が1万件を超えたことは把握していた。そのため9月17日に同共同企業体にアンケート結果の詳細について尋ねたが「委託された立場でお答えできない」との返答があり、広島市都市整備局 公園整備課 に応募総数を確認した。
同企業体は新サッカースタジアムの基本計画策定支援業務を行う。広島市が実施した公募型プロポーザルで最高得点者だった。
応募総数が1万5208件だったということは、新スタジアムとその周辺も含めた空間への提案やプランが1万5208通り存在することを意味している。プロ顔負けのビジュアルも一緒に送信されたケースもきっとあるだろう。
ひろスタ!特命取材班でも、アンケートに答えて送信した。詳細は次の記事に記した。
特報!サンフレッチェ広島新拠点にもなる複合サッカースタジアムWEBアンケート、驚愕の初日1万件突破!そこでひろスポ!も考えた、広島サッカーや利用者のファーストのこんなスタジアムが欲しいんじゃ(2019年9月4日掲載)
hirospo.com/carp/58790.html
それらをどのような形で公開して、また今後の「傾向と対策」に生かしていくかが重要になる。
例えば中央公園に仮設テントを設置して、実際に使えそうなプランを市民・県民・サポーターらの五感を通して体験してもらい、深堀していくような目に見える形での進め方が期待される。
誤解を承知で言えばアンケートには誰でも簡単に答えることができる。しかし、実際に試合のある冬の日の夕方6時を想定してJR白島新駅から中央公園まで歩くとどれだけ危険が潜んでいるか、雨の日の城南通りの夕刻の渋滞がいかに深刻か、など現地でないと分からないことは山ほどある。
マツダスタジアムは「大成功」のように言われているが、供用開始から11年が経過した今でもその動線は脆弱かつ危険なもので、何より公式戦開催時とその前後の周辺道路の交通渋滞は目を覆うばかりの状況となっている。
新球場(現マツダスタジアム)建設の声が高まった時期にもやはり同じように、何度も市民や関係者らの声を聴く場は設けられた。
しかし、マツダスタジアムは広島市民球場であるにもかかわらず、その現状においてはハード、ソフト両面で市民らの声が活かされたものは極めて限定的と言っていい。
高校野球や少年野球でさえ思うように開催されないようなスタジアムになることなど、当時の市民らの声を尊重していれば絶対にあってはならないことである。
施設や会場を使うのはファン、市民、県民、アスリートや選手、そして未来を担うこどもたち。国が強力に進めるスポーツビシネス創出と顧客満足度は表裏一体の関係にある。小学生も大学生も、カップルも3世代家族も、誰もが長くそこにいて、みんなが笑顔になれるように、毎日でも来たいと思えるように…
広島の50年先、100年先を見据えた新たな空間創りは常に公開の原則を貫くべきで、またそうすることでサッカーに興味のない人たちにも喜ばれる、世界に誇る広島らしいランドスケープが生まれることになる。(ひろスタ!特命取材班)