画像はドイツの首都ベルリン郊外にある、オリンピックシュタディオン、画像中央付近、赤地に白文字は広島が誇る世界企業「RYOBI」(ひろスポ!ドイツ取材班撮影)
緊急連載、広島の新サッカースタジアム3万人収容でいいのか?4万人収容がベターなのか?根本から考えてみる。
広島市中区の中央公園に新サッカースタジアムを建設するため、広島市では11月22日から30日の日程で海外視察を組んだ。
現在、視察は順調に進んでいるものと思われる。
訪問する国名と都市名は次のとおり。
オランダ
ヨハン・クライフ・アレナ(アムステルダム)
名門、アヤックスのホームスタジアム。旧アムステルダム・アレナ。1996年開場。約5万4000人収容で規模はオランダ最大。スマートピッチ監視システム採用。世界でも類を見ない独自の最先端システムでとされるピッチの状態と品質を常時監視する。
2008年、Jリーグが「欧州におけるサッカースタジアムの事業構造調査」を実施した際、対象になった。それによるとスタジアムは新設で204億円。民が44%、公が30%負担。施設所有はSPC(管理は第3セクター)で売り上げ50億円でサッカー70%。7期連続黒字。立地はマチナカではない。市の再開発計画がスタートであり、都市の再開発と連動した成功例。
フィリップス・スタディオン(アイントホーヘン)
PSVアイントホーフェンの本拠地。1913年開場で再三、手が加えられてきた。約3万6500人収容。やはりJリーグの2008年調査の対象スタジアム。その資料によると、クラブ主導型で建設。建設費約274億円はクラブ負担。土地もクラブ所有。クラブ親会社で照明分野で世界的に知られるロイヤル・フィリップスの競技場用LED照明器具「ArenaVision LED」を完全装備。これにより、コンサート、サッカー競技での特定のピッチ演出などが可能になった。メンテナンス、コスト面でも優れる。
ドイツ
エスプリ・アレナ(デュッセルドルフ)
こちらはJリーグ欧州スタジアム視察2017の対象スタジアム。開場は2004年、収容人数は約5万4600人、所在地デュッセルドルフの人口約60万人。1974年西ドイツ・ワールドカップなどで使用されたラインシュタディオンを解体して建設された。デュッセルドルフのホーム。
Jリーグ資料によると、建設費約232億円。デュッセルドルフ市が所有。ホテルとの複合でメッセ施設併設、屋根は開閉式。地下鉄駅直結。中央駅から地下鉄で18分。チケットがあれば無料。デュッセルドルフ空港から車で10分、高速道路、バスのアクセスも抜群。駐車場22,000台。スタジアムそばにクラブ練習用グラウンドもある。コンサート、ボクシング、マラソン、パブリックビューイングなど幅広く行う。
スタジアムの運営には市が50%出資。残りはメッセ運営会社が出資。クラブは試合日にスタジアムを借りる形。
広島が参考にすべき点が山盛りか?サンフレッチェ広島のスタジアム総合戦略推進室長 信江雅美氏も17年の視察で現地を訪れている。
バイ・アレナ(レバークーゼン)
1958年建設。レバークーゼン本拠地。スタジアム内にホテル、レストランなど。2006年FIFAワールドカップの会場候補に名乗りを上げたが、起点の4万人に満たないため断念。その後、2008-2009シーズンに改装工事が行われ、7000万ユーロを投じて収容人員は約22,500人から3万に引き上げられたという、チグハグな過去を持つ。2011年FIFA女子ワールドカップを開催。UEFAチャンピオンズリーグ2019-20平均入場者は2万6592人で32クラブ中29位。アヤックスは5万1962人で9位。
イギリス
トッテナム・ホットスーパースタジアム(ロンドン)
イギリスのスタジアムの中では高い評価。トッテナム・ホットスパーFCの新本拠地。2019年4月供用開始。ロンドン貧困地区に巨費を投じて新スタジアムで街を蘇らせる…総工費約1430億円。出資元はバンク・オブ・アメリカ・メルルルンチ、ゴールドマンサックス、HBSC。収容人員は約6万2000人。故にアクセスはノーグッド。アメフットでも使用されることで稼働率アップ、収入アップを目指す。また様々な仕掛けで来場者の滞在時間を長くさせ消費を促す。
スタンフォード・ブリッジ(ロンドン)
世界のサッカークラブランキングでトップ10に名を連ねるチェルシーFC本拠地。1877年開場。収容人員は約4万2000人。スタジアム周辺はチェルシービレッジとしてホテル、SC、レストラン。地下式の巨大グッズショップもある。複合スポーツ施設で試合のない日も稼働する。所有権を有するチェルシー・ピッチ・オーナーズは1970年代、財政難に直面したクラブを救済するため立ちあがったサポーターたちによって結成された非営利団体。アクセスは、地下鉄駅そば。平均入場者数は常に約4万1000人。
11月20日、広島市の都市活性化特別委員会が開催された。
その際、今回の視察について委員から質問が相次いだ。
(この項続く)
ひろスタ!特命取材班
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