緊急連載、広島の新サッカースタジアムキャパ3万人でJ１トップ６を諦めるのか？50年先見据え4万人規模必要でしょ！の声上がる（10）浦和、F東京、G大阪、名古屋、横浜M追随の川崎フロンターレスタジアム事情から分かること

2019年12月04日: 編集部

画像は川崎市の”手”で次々に改装が進む等々力陸上競技場

等々力陸上競技場コンコース

等々力陸上競技場スタンド

等々力陸上競技場

２０１５年１２月５日、今から４年前の話だ。

明治安田生命Ｊリーグチャンピオンシップ決勝戦第2戦。エディオンスタジアム広島は36,609人のサポーターで埋め尽くされた。ガンバ大阪との戦いは、広島のスポーツ100年史においても特筆すべきものになった。

この時のスタンド風景がエディオンスタジアム広島の現状ではいっぱい、いっぱい。もうこれ以上は入れない。仮に3万規模のスタジアムであればおよそ1万人がこの激闘を見逃したことになる。

チャンピオンシップ　第２戦
2015年12月4日のエディオンスタジアム広島

今回の連載ですでに3度、掲載した以下の順位表。

１）横浜M ５）24,707－72,327　陸上R　 3万5回 4万1回 10
２）FC東京２）31,540－49970　陸上R　3万8回　4万1回
３）鹿島　８）20,569－40728　専用　3万0回 10
４）川崎Ｆ６）23,272－27,495　陸上　3万0回
５）Ｃ大阪７）21,518－47,816　陸上　3万2回　4万1回
６）広島　17）13,927－45,000　陸上　3万0回 10
７）大分　13）15,229－40,000　陸上 R　3万0回
８）札幌　9）18,291－41580　球技   R　3万2回
９）Ｇ大阪３）27,708－39694　専用    3万6回   10
10）神戸　9）18,291－28,425　球技 R　3万0回
11）仙台　16）14,971－19,694　球技　3万0回
12）名古屋４）27,267－45,000　専用R　（27,000陸上）3万5回   4万2回 10
13）浦和　１）33,372－63,700　専用　3万9回    4万1回 5万2回　10
14）鳥栖　14）15,060－24,490　球技　3万0回
15）清水　15）14,999－20,229　球技R　3万0回   10
16）湘南　18）12,848－15,690　陸上　3万0回
17）磐田　12）15,277－15,165　球技　3万1回　（51,697陸上）
18）松本　11）17,450－20,000　球技　3万0回

上記表の見方…

・左端番号は残り１試合となったＪ１各クラブの順位、そしてクラブ名

・クラブ名に続く番号は今季の各クラブホームゲーム平均入場者数の順位、その右の数字が平均入場者数で、そのあとに続く数字がホームスタジアムの大まかな収容可能人数、名古屋と清水は今季の開催場所を考慮して２つのスタジアムを併記した。

・専用はサッカー専用、球技はサッカー以外の球技でも使用、陸上とあるのは陸上トラック併設、よって専用、球技とあるスタジアムには陸上トラックはない。そのあとのRはラグビーＷ杯12会場の中で7会場あったＪリーグホームスタジアム

・3万0回とあるのは今季Ｊ１リーグ戦ホームゲームで集客数3万人越えなし、よって浦和は9度も3万人越えを記録したことになる。4万人、5万人も同じ。

・前回まで清水に「3万1回」とあったが清水は「3万0回」で磐田「3万1回」の誤り。今回訂正した。

・最後に10と最後にあるクラブはＪリーグ誕生の時からの「オリジナル10」と呼ばれるクラブ

その「オリジナル10」で言えば、横浜M、G大阪、名古屋、浦和は巨大スタジアムを使い、集客力トップ集団を形成。鹿島、広島、清水は苦しい。それでも鹿島は平均集客数9位と健闘している。

上の順位表の広島を補足する。

６）広島　17）13,927－45,000　陸上　3万0回 10

…とあるが、実際にはほとんど3万人が一度ある。

１０月６日、第28節、ヴィッセル神戸戦、29,666人が詰めかけた。

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上記記事の中で城福浩監督はこうコメントしている。

今年のリーグ戦は我々は何も諦めていないので、ここで勝点3を取れないようでは目標を切り替えないといけないと思っていた。そういう意味では、きょうは取らなければならない勝点3を取れたことは非常に良かった。これだけ多くのサポーターが来てくれて、その人たちの前で喜び合えた非常に意味のある1勝だったと思うし、きょうのスタジアムは本当に背中を押してくれたからこそ、6点を取れたと思っている。

もちろんイニエスタとかビジャとか、素晴らしい選手だし、そこを少しでも機能させないようにチーム全員で組織的に献身的に戦った、その姿を見せられたということ。

きょうの集客は、もちろん我々の営業も頑張ってくれたと思いますけど、スタジアムに足を運ぶ動機は別として、これだけ多くのサポーターが来てくれた中で勝利という結果で我々のひた向きさも含めてみんなで喜び合えたというところがクラブにとって非常に大きなことだと思うし、ホームでもアウェーでももっともっと盛り上がるそういうきっかけになると思います。

その行間から関係者はいろいろ考えないといけないだろう。アクセスワーストのエディオンスタジアム広島でも見たいものがあれば、サポーターは遠隔地からでもやって来る。

今季のエディオンスタジアム広島の入場者数（百の位四捨五入）は次のようなものだ。

14,000
8,000
13,000
13000
16,000
24,000
10,000
6,000
11,000
15,000
13,000
15,000
11,000
30,000
7,000
17,000

2万越えが２度しかない。”これなら”中央公園に建設する新スタジアムはサンフレッチェ広島のことを考えれば３万規模でも十分だ。（チャンピオンシップは現状では行われていない）

サンフレッチェ広島が新サッカースタジアムをホームとするなら、まず札幌の平均18,000前後には早急にもっていきたい。スタジアム元年は当然、人は集まる。2年目以降の話だ。

だが、国内の手本となるマチナカスマートスタジアムなら1試合平均2万はクリアしないといけない。その段階で、J1集客力トップ６の浦和、F東京、G大阪、名古屋、横浜M、川崎Fの背後につけることになる。

このトップ６の中で川崎フロンターレだけが巨大スタジアムを使っていない。

川崎フロンターレとサンフレッチェ広島を並べてみる。

４）川崎Ｆ６）23,272－27,495　陸上　3万0回
６）広島　17）13,927－45,000　陸上　3万0回 10

川崎フロンターレは3万越えゼロだが、27,000規模の陸上競技場兼用スタジアムに平均23,000人のサポーターを集めている。今季の実績を見ると2万人を切ったのは1度だけ、常に25,000人前後だから広島から見れば驚くべき数字だ。

川崎フロンターレのホームは等々力陸上競技場。川崎市が所有し、川崎市公園緑地協会が運営を任されている。エディオンスタジアム広島と同じパターンだ。

ただし、施設のありようは広島市とは大きく異なる。サポーターの声を受け、川崎市では施設を次々に改修、将来的には収容人員も35,000程度に増やす計画だ。

川崎市のHPにはそのことが詳しく記載してある。

等々力陸上競技場整備に関する取り組み
www.city.kawasaki.jp/kurashi/category/26-8-5-8-0-0-0-0-0-0.html

川崎フロンターレほどの実績があれえば、当然、専用スタジアムを！となってもおかしくない。一方で川崎市にしてみれば、等々力陸上競技場から川崎フロンターレがいなくなると、札幌ドームから日本ハムが逃げたのと一緒で、施設の持続的な運営が一気に厳しくなる。

当然、陸上競技、サッカーなど複数競技で使いつつ、さらにライヴ会場などとしても使用するこれまでの実績に上積みした方が川崎市としては助かるのである。

川崎市は収入と支出のバランスを見ながら、そしてスタンドの増設を検討する、という状況を迎えている。

広島の場合は、「Jリーグ以外」という時、川崎市にはない広がりを持つ。キーワードは「世界平和」「平和とスポーツ」。それが国際大会誘致に繋がっていく。

そして仮に今のまま「3万規模」に固執して新サッカースタジアムを建設したなら、もうJ１集客力トップ６の背中は遠いものとなるのである。

ひろスタ！特命取材班

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