画像は基町小学校の児童の手で作られた平和の軸線模型
この画像の左端に見える丸い土地が旧広島市民球場跡地、その左に原爆ドームがある、画像中央の赤い軸線の通過している土地が中央公園広場、赤い軸線はそのまま基町アパート群へ伸びている、基町アパート群も平和を願って作られた、この画像の左右が南北軸、広島城やその堀も作り込まれている
広島の平和と文化の軸線(基町小学校)
www.motomachi-e.edu.city.hiroshima.jp/school/school-characteristics/peace-line/peace-line.html
緊急連載、広島の新サッカースタジアムキャパ3万人でいいのか?50年先見据え4万人規模必要でしょ!の声上がる(12)久保建英、堂安 律…U-22森保ジャパン広島凱旋で生まれたサムライブルーの風景(2019年12月5日掲載)
hirospo.com/pickup/61565.html
ひろスポ!の上記記事では、11月17日、エディオンスタジアム広島で開催されたキリンチャレンジカップ2019 U-22日本代表vsU-22コロンビア代表戦の、試合前からの様子と、ほぼ埋まったように見えたスタンド風景について触れた。
今年、国内では女子の2試合、広島でのU-22日本代表の1試合を含めて計10試合が行われている。
それをまとめると次のようになる。10月10日のAモンゴル戦がFIFAワールドカップアジア2次予選、そのほかは国際親善試合。
表の見方は、日時、会場、対戦相手、入場者数―スタジアム収容人数、A代表戦か否か。
3月22日(金)日産スタジアム コロンビア 63,302-72,327 A代表
3月26日(火)ノエビアスタジアム神戸 ボリビア 28,113-34,000 A代表
6月5日(水)豊田スアジアム トリニダード・トバコ 38,507-45,000 A代表
6月9日(日)ひとめぼれスタジアム宮城 エルサルバドル 38,092-49,133 A代表
9月5日(木)鹿島スタジアム パラグアイ 29,071-40,728 A代表
10月6日(日)IAIスタジアム日本平 カナダ女子 8123-20,229
10月10日(木)埼玉スタジアム2002 モンゴル 43,112-63,700 A代表
11月10日(日)北九州スタジアム 南アフリカ女子 8,453-15,066
11月17日(日)エディオンスタジアム広島 U-22コロンビア代表 27,620-45,000
11月19日(火)パナソニックスタジアム吹田 ネベズエラ 33,399-39,694 A代表
これを見ると、もう明らか、である。A代表戦は3万人規模のスタジアムはスルー。最低でもノエビアスタジアム神戸(34,000人)となっている。
一方で、女子の代表戦は15,000人、20,000人規模のスタジアムで行われている。
そして国内デビュー戦となったU-22森保ジャパンはエディオンスタジアム広島で27,620人を集めたが、これは神戸のA代表戦に匹敵する。15年ぶりの広島開催であったにもかかわらず、広島での代表戦集客力が証明された。
今回の連載の中で、代表戦の開催を新サッカースタジアムでどうしていくのか?についてすでに少し触れておいた。
次の記事にその”問題発言”がある。
緊急連載、広島の新サッカースタジアムキャパ3万人でいいのか?50年先見据え4万人規模必要でしょ!の声上がる(5)サッカー協会田嶋会長の言葉を都合よく引用する広島市に50年先…の覚悟はあるのか?
hirospo.com/pickup/61347.html
この記事の一部を抜粋する。
さて、それではどんな場面で広島市側担当者が口ごもったか?
それは吉瀬康平委員(共産党)が、ワールドカップ、サンフレッチェ広島のACL決勝トーナメントなどでも使えるスタジアムにするのか?と尋ねた時のことだった。
「ワーワルドカップ」など国際大会開催への見解について北山孝文スタジアム担当課長は「そこを見据えているが」とした上で「3万人規模でも日本代表の試合はできると確認した」と回答した。
それは事実である。ただし、日本代表の試合にもランクがある。仮にもしまた日本でワールドカップが開催されたなら「3万人規模」では広島は2002年に続いて”落選”となる。
この時、北山課長は中国新聞記事を引用して回答した。
ちょうどこの日の中国新聞に、北山課長にとっては”ナイスアシスト”の記事が開催されていた。とても偶然とは思えない…
中国新聞20面。日本サッカー協会、田嶋幸三会長が新スタジアムに関する記者の問いに答え、こう話したとある。
以下、記事の引用。
―広島は3万人規模を想定していますが、フル代表の試合を開催できますか。
4万人規模を開催の目安にしているが、規定を見直す時期に来ているかもしれない。例えばブラジル戦は6万人規模でやりたいが、そうでない相手なら、こだわる必要はない。
―建設に向けて日本協会ができることは
お金は出せないが、完成したら再びフル代表の試合をしたい。(以下省略)
フル代表とはA代表とも呼ばれ、U-22などの世代別代表ではない、日本最高位の代表を指す。確かに田嶋会長は見直しの可能性について言及し、また完成したら「再び」広島でフル代表戦をやりたい、と言っている。「再び」とあるのはかつて、広島ビッグアーチ(現エディオンスタジアム広島)ではフル代表戦が頻繁に開催されていたからだ。
だが、北山課長の話は、日本サッカー協会の”方針”の中の、広島市が描く青写真にとって都合の良い部分だけを述べたに過ぎない。
実際に、日本サッカー協会関係者に話を聞いてみると、現実はそんなに甘いものではない。
確かに田嶋会長の言うとおり、一度だけなら協会側も落成祝いのフル代表戦には協力してくれる。ところが大事なのは今流行りの言葉を引用するなら「サステナビリティ(Sustainability)」だ。
抜粋は以上
日本サッカー協会 田嶋幸三会長の考えをさらに詳しく聞く必要もあるが、実際、今の日本サッカー協会のハンドリングではA代表戦イコール4万人規模、女子や世代別代表戦とはスタジアム規模で棲み分けを図る、という状況になっている。
それにこれは極論だが田嶋会長が50年後も会長ではない。繰り返しになるがポイントは「サステナビリティ(Sustainability)」だ。
しつこいぐらいに広島市の対応を心配するのは、実際、サッカー協会関係者の間でも「3万規模ではA代表の試合を呼ぶのはどんどん難しくなる」の声があちこちから上がっているからだ。
今後、国策としてスタジアム機能の充実が格段に進む中にあって、ますます広島のライバルになるスタジアムは増える。A代表戦開催は、それらの”強敵”との競争になる。
広島は、明治の終わりから大正を経て昭和初期に至るまでスポーツ王国と言われた。サッカーもそう。そして戦後、広島サッカーは御三家の一翼を担った。
それほどの財産がある都市でありながら、しかもスポーツを戦後復興の大きなエネルギーとしながら、A代表も呼べないような新たな施設を作ってどうするのか?
その時だけ、また広島広域公園陸上競技場を使う、はナンセンスだ。
せっかく丹下健三氏の引いた「平和の軸線」上に位置する中央公園に新スタジアムを作るのだから、それは世界に開かれたものであるべき、だ。平和の軸線は今はまったく市側によってケアされていないが、新スタジアムアクセスへの呼び水にもなるし、基町アパート群も含めた動線が可能になる。
世界中から各国・地域のA代表を招き、将来的にはFIFAピースマッチデー(仮称)を開催することが広島にとってどんなに意義のあることか、今さらここで紹介するまでもないだろう。
ひろスタ!特命取材班