画像は広島市役所上層階から眺める広島市中心部の風景
広島市では4月2日の午後8時を回って、市内で新たな新型コロナウイルス感染者が4名発生した(4月1日の時点で判明)ことを記者発表した。
その際の会見内容はヤフーニュース(広島ホームテレビ配信)で確認できる。
【全編動画】広島市・松井市長会見 市内で新たに4人の新型コロナ感染者 4月2日
この記事にはコメントが4月4日午前10時過ぎの時点で64件ついている。
その内容はその姿勢を強く批判するものばかりだ。
その中には「前半30分だらだら会見。知りたい情報はそこではない。そして肝心のところは、何も公開されない。」との指摘がある。
当然だろう。松井市長の言葉は自らが発したものではなく、阪谷幸春・保健医療担当局長の”作文”を単に発表しただけであり、具体的なことはそのあと、会見で明らかになるはずだった。
ところが担当局長も「プライバシー」を盾に「非公開」を連発するものだから、当然のように市民からは64件にあるとおり、疑問の声を”オーバーシュート”して不信感が渦巻くこととなった。
ネット上には「局長の話にみんなが変に納得させられて、「言えない」「話せない」連発にブチ切れる人がひとりもいない。」との声もある。
ひろスポ!ひろスタ特命取材班が得意とする?展開だ。
よって”洞察力”を駆使してみた。
担当局長の会見での発言にはどうしても見過ごせないものがいくつかあった。
記者「その(プライバシー保後のため詳細が明かせない)3名は関係があるのか」
局長「そういったことは一切、言えません。成人かどうかも言えません」
さらに「3人の症状も控えさせてください」「渡航歴も控えさせてください」
このやりとりから予想されることは、情報非公開の3名については例えば、どこで、どんな形態の勤務状況なのか?を広島市が発表しづらい状況にある、ということになる。
新聞社や放送局が仮に特ダネであってもスルーするケースがある。自分たちの組織の人間が事件、事故に関わっているケースがその典型だ。広島県警の8千数百万円盗難事件で、広島県警がまったくと言っていいほど情報を公開したなかったのも、まさにそうだ。
記者も食い下がる。
記者「渡航歴ぐらいはいいのではないか?」
局長「それもいいたくないと本人さんが言っている」
そんなやりとりのあと局長はこう言い切った。
「我々に任せていただきたい」
…長い会見の中で、この一言だけ完全に浮いていた。もうごちゃごちゃ言わないで、こっちに任せといてよ!そういう意味だろう。
「あれっ?と思ったことには必ず理由がある」。以前、ある県警の捜査の中で直接、聞いた話だ。この一言は完全に「あれっ?」である。
けっきょく広島市在住の3人については渡航歴も通院経過も何も一切、発表されなかった。
そこで結論だ。
この3人の中の少なくともひとりは、広島市役所の業務なり組織なりに深く関係する人物の可能性が高い。きっと市役所に出入りしたことがゼロ、ではないはずだ。
安倍内閣の例を出すまでもないが、権力側は徹底的に情報統制する。例え、自死するような方が現れるような最悪の結末を迎えても、だ。
阪谷局長は秋葉忠利前市長時代から、様々な職場でその”独裁市政”をうまく支えてきた人物である。よって危機管理能力には長けていることが容易に想像できる。
ネット上で多くの「声」が不信感を抱いているその発言内容は、客観的に見れば明らかにバランスを欠いている。
そうまでして広島市が”守りたいもの”があるから、そうなっているだけのこと。
新型コロナウイルスは相手を選ばない。
NHK職員も愛知県の職員も、全国医療関係者も次々に感染している。
広島市役所内で同じようなことが起こっていたとしても何ら不思議ではない。
広島のサッカースタジアム問題もそう、マツダスタジアムを舞台にしたチケット販売を巡る数多くのトラブルもそう、広島の未来へ、危機管理能力を研ぎ澄ます、我々はひろスタ特命取材班、である。
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コロナからカープ、広島スポーツまで独自記事コラムを2000年より毎日連載、関東関西ファン愛読中の「田辺一球広島魂」サイト20度目の春突入!
4月4日午後6時、追記)
広島市は4月4日午後4時30分から広島市役所で新型コロナウイルスに新たに感染した9人目の患者について会見した。会見したのは阪谷幸春・保健医療担当局長のみ。しかもわずか10数分余りで終了した。
理由は最初から患者の詳細が発表されたからだ。性別は伏せられたがフリーアルバイターで20代であること、東京から広島までの移動経過、その症状、濃厚接触者などあっさり?と報道陣に告げられた。
2日の会見の質疑応答際、阪谷局長は再三、言葉の最後に「はい」とつけていた。要するにもうそれ以上、聞かないで…という意味の「はい」だ。
それが4日の質疑応答ではいっさいなかった。要するに答えるべきことはすべて答えますよ、というスタンスだ。オープンマインドだから、あっという前に質問する側も聞くことがなくなった。
様々な取材を重ねてきた”我々”にはその違いがなぜ生じるか、が手に取るようにわかる。2日のメディア対応で阪谷局長は多くことを表に出さないまま会見を終えなければいけなかった、ということになる。