ファンを受け入れるマツダスタジアムだが…
西村康稔経済再生担当相は7月22日、新型コロナウイルス感染症対策分科会の後、プロスポーツやイベント入場者数を5000人までとする制限を8月末まで維持するとコメントした。
日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は21日の段階で、この感染対策分科会の結果を受けであす23日に臨時の実行委員会を開催することを明らかにしている。
よってその場でNPBとしても当面の措置として少なくとも8月末までは「5000人」までしか球場にファンは入れないことが申し合わされるはずだ。
こうなるとマツダスタジアムがこれまで抱えていた大きな問題が露呈することになる。
マツダスタジアムでは7月10日からの巨人戦、17日からのヤクルト戦、そして28日からの中日戦を年間指定席購入者のみを対象に入場者を受け入れてきた。
ゆえに年間指定席の”恩恵”の授かれるファン以外は、どうやったってマツダスタジアムに入れない(ネットで高額チケットを買えば別だが…)。
一方、広島東洋カープでは8月にマツダスタジアムで開催予定の計15試合は1万6500席分の入場を可能と想定して「年間に加え、一般入場券を発売」とHPに明記した。
だが、7月と8月を併せれば24試合が上限5000人での開催となる。そうなれば9月以降、マツダスタジアム開催分はたった30試合になる。
カープ球団では6月末の段階で「8月7日からの試合につきましては、新型コロナウイルス感染者の状況が悪化しなければ全試合ご覧いただけます」と年間指定席購入者に案内している。
試合数が120試合に削減され、しかも入場できても今は5000人まで。マツダスタジアムの年間指定席は8000から9000席あると言われており、これまでは希望する試合(7月の場合は全9試合のうち4試合のみ)しか受け入れることができなかった。
8月からはそんな年間指定席購入者の不利益もなくなるだろうと期待していたわけだが、その読みは見事に外れたことになる。
年間指定席購入者だけを”優遇”する措置は、他球団の本拠地では見られない。見られないどころか複数の球団が8月も5000人上限となることを想定した動きを見せている。
今のカープ球団のやり方では8月もまた年間指定席絡みのファン以外にはマツダスタジアムでの試合観戦は無縁のものとなる。
マツダスタジアムでは毎年、3月1日から全主催ゲームのチケットが一斉に販売される。コロナの影響で東京五輪によるインターバル前までの分はすべて払い戻しになった。
だが、それ以降のチケットは苦労して手に入れたファンの手元にそのままある。8月の残り分を握りしめ楽しみに待っていた広島県内はもとより、遠方からのファンはどうなるか?
長らく声援してくれたファンに感謝する球団70周年のメモリアルイヤーがとんでもないことになっていないか?
広スタ特命取材班