画像は森下暢仁
8月14日 〇6-0 阪神 京セラドーム
通算19勝23敗4分け(首位巨人まで8差、5位ともに変わらず)
18時01分開始・2時間51分、4,972人
相手先発 藤浪●6回8安打6失点
本塁打 ―
登録 モンティージャ
一番センター西川
二番セカンド羽月
三番レフト長野
四番ライト鈴木誠
五番ファースト松山
六番キャッチャー坂倉
七番サード堂林
八番ショート田中広
九番ピッチャー森下〇(7試合4勝2敗)9回127球2安打無失点
森下、圧巻のプロ初完封勝利。阪神相手にこれで3戦全勝。藤浪とは7月23日の甲子園以来、2度目の対戦でいずれも藤浪に負けがついた。
今季、3戦全敗の藤浪は広島打線に対して前回対戦の課題を胸にマウンドへ上がったはずだ。ところがプレーボールから10分で失点、その3分後にさらに2失点。初回から4安打された。
三回の藤浪は先頭の長野を四球で歩かせた。フルカウントからの7球めは長野のヘルメット近くを通過した。これは即、”赤信号”を示す。案の定、続く鈴木誠の詰まりながらの中前打で一、三塁となり併殺の間に失点した。
さらに六回には田中広申告敬遠のあと、森下に三塁線を抜かれて2点を失った。
試合後、矢野監督はその失点の仕方を嘆き、また「相手側から自分がどう見られているかを知ることも必要」とコメントした。最速154キロの真っすぐとフォーク。四、五回に限れば空振り三振を5つも奪っている。一方、残りの4イニングスは本人が言うとおり「バタバタ」だった。
森下が坂倉と組むのは先週金曜日に続いて2度目。森下も「前回は4点取られてしまったので…」と6回4失点(自責3)だった阪神打線との2度めの対戦を反省材料にして先発マウンドに上がり、その反省を生かしたことになる。
新人の無四球完封は、広島の歴史を遡ると1962年の池田英俊に行き着く。半世紀に一度の大記録。無四球がこの日の完封を生んだとも言えるだろう。
坂倉も森下の思いを汲んでリードした。初回に投じた14球のうち10球はストレート。その勢いで五回二死までパーフェクト。次に走者を背負ったのは九回二死から近本に許した中前打の時だった。
坂倉には、すでに1歳年下の遠藤と組んで巨人戦完投勝利をマークした実績がある。やはり遠藤の真っすぐを最大限、有効に使ったリードが功を奏した。
阪神打線から奪った三振は12個で六回には先発全員から記録した。相手によってカットボール、カーブ、チェンジアップを使い分けた。ウイニングショットも含めて、1つ年上の森下との呼吸がピタリと一致した。そうでなければ、こううまくはいかない。
六回の攻撃で挙げた2点も坂倉の左前打からであり、打っても二人の息はぴったりだった。
インタビューで「ストレートがほんとに良かった」と振り返った森下は、八回スリーアウトめの木浪に150キロの真っすぐを投げる余力がまだ残っていた。
プロ2勝めを挙げた6月28日の中日戦(ナゴヤドーム)では九回二死まで来て交代となった。その時も今回も、八回を終えての球数はともに110球。
ところが今回は九回を迎えても糸井、福留の代打攻勢を軽く退け、ラストバッターの中谷も真っすぐで3球三振(見逃し)だった。
「言うことなし」(佐々岡監督)の全127球。そして悔しさが募る藤浪の6回117球。次回、森下vs藤浪となれば、今度はどんな展開になるだろうか…(ひろスポ!・田辺一球)