画像は満員御礼を伝える広島ドラゴンフライズホームアリーナ映像装置
Bリーグは4月28日、オンラインで会見、次回2021-22シーズンのクラブライセンスの判定結果を発表した。ライセンスがないと、いくらチームを強化してもそのカテゴリーに属することはできない。
今シーズン(2020-21シーズン)B1に所属した広島ドラゴンフライズなど全20クラブには、そのままB1ライセンスが交付された。
B2は全16クラブ。そのうち仙台89ERS、福島ファイヤーボンズ、茨城ロボッツ、群馬クレインサンダーズ、西宮ストークス、ライジングゼファー福岡、佐賀バルーナーズ、熊本ヴォルターズの8クラブにB1ライセンスが交付された。残る愛媛オレンジバイキングなど8クラブはB2ライセンスを継続する。
またB2昇格を目指す準加盟のトライフープ岡山など6クラブは揃ってB2ライセンスを交付された。
まとめると、B1ライセンス交付が28クラブ、B2ライセンス交付が14クラブ。
Bリーグのライセンス制はJリーグモデルから生まれた。
その目的は次のとおり。
最大の目的は、バスケットボール界全体の安定的・持続的な成長と発展に寄与するクラブライセンス(以下「Bライセンス」)制度の目的は、クラブを取り締まり、排除することではない。
プロバスケットボールクラブにおける育成面・施設面・選手環境面などを、プロリーグとしてふさわしい水準に保ち、さらに発展させることによって、クラブの価値が向上することを目的とする。
また、財務面では無理な投資を抑制し、ガバナンスを改善させることによって、クラブが社会的に信用され、地域に根付き、永続的に存続できることを目標とする。
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島田チェアマン
各クラブでは2020年11月末までに決算関係書類や申請書類をライセンス事務局に提出。弁護士、公認会計士らで構成されるライセンス諮問会の答申を受けてライセンス事務局から理事会に諮る。新型コロナウイルス感染拡大の影響で1回開催となった理事会がこの日、行われて最終判定がなされた。
ライセンス判定には次の5つの審査基準による。特に2と5が重視される。
1…競技基準(ユースなどスクール活動、チーム編成ほか)
2…施設基準(B1ではホームアリーナ開催8割、アリーナ施設面など)
3…人事・組織体制基準(法人運営面、コーチライセンスなど)
4…法務基準(他クラブ経営関与禁止、訴訟へのリーグ報告ほか)
5…財務基準(利益基準、売上高基準など)
なお、昨シーズン同様、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け「3期連続で赤字を継続してはいけない」「債務超過にあってはいけない」「B1は3億円以上の売上がなければいけない」などの基準の一部が緩和された。
Bリーグ、島田慎二チェアマンからは「アリーナ基準」についての補足説明があった。このことは、Bリーグがアリーナ整備に対して強い意欲を持っていることの裏返しでもある。
資料によると各地で次のアリーナ整備が進められている。
B1ライセンス交付分(群馬、西宮、佐賀は2020―21シーズンB2)
・シーホース三河 安城市で2022年竣工予定がコロナでスケジュール立て直しだがやむを得ないと判定
・群馬クレイサンダーズ 太田市内に2023年竣工予定
・西宮ストークス 神戸市内に2024年竣工予定
・佐賀バルーナーズ 佐賀市内に2022年竣工予定
島田慎二チェアマンはこれらの発表を受け「2019-20シーズンの決算においては、赤字は22クラブ、債務超過11クラブというのが昨年ご案内させていただいた内容で、今回は見込みなど変動はありますが今見込んでいるのは赤字が25クラブぐらい、債務超過が15クラブぐらいになるのではないかなと…昨年同様、厳しい状況」とした。
さらに「昨シーズンのB1、B2の総売上は8億円ぐらい、収支も6億円ぐらいのマイナスになるのではないか」と話し「昨シーズンは最終で約3分の1が消滅した中での決算で、今年は頭から50パーセントの入場制限がかかっている中での運営や試合中止、無観客も入っているのでどっちがどうか判断は難しい」としながら「非常に厳しい状況」と断言した。
各クラブは経営のための「増資」や「借入」で危機を乗り越えようとしている。ライセンス制度はそれを後押しする。
会見ではリモート参加の取材者から「赤字クラブのB1、B2の内訳は?」など、さらに詳しい内容を求める声が相次いだが、発表された内容以上に踏み込んだものは明らかにされなかった。
Bリーグのレギュラーシーズンは試合延期や中止を繰り返しながら5月2日に最終節を迎える。