不振極める鈴木誠の”きっかけ”は菅野だった、佐々岡監督バースデーに”わっしょい”祝砲5発

2021年08月26日: 編集部

画像は菅野に強い鈴木誠（左）と西川

８月26日〇11－２　巨人　東京ドーム
通算34勝49敗10分け
３位ヤクルトまで13・５差の最下位、首位阪神まで16差
17時45分開始・３時間15分、11,844人（緊急事態宣言下）
相手先発　菅野●６回６安打５失点
本塁打　鈴木誠16号②、17号③、坂倉６号①、7号③、菊池涼９号②

一番センター野間
二番レフト西川
三番ショート小園
四番ライト鈴木誠
五番キャッチャー坂倉
六番ファースト安部
七番セカンド菊池涼
八番サード林
九番ピッチャー九里〇（16試合８勝6敗）６回110球４安打１失点（自責１）
ケムナ
高橋樹
塹江
森浦

「蜘蛛の子を散らすようにみんながいなくなる三塁側ベンチに腰掛けたままだった鈴木誠、岡本和の31本塁打87打点の半分にも届かないその打撃復調のきっかけは、どうなるのだろうか。」という前日の振り、に対して即答だ。

初回の先制2ランと七回の3ランで鈴木誠が5打点。坂倉も続いて6号ソロと7号3ランで4打点。菊池涼も9号2ランを放ち、東京ドームに3夜連続で神輿が出てくるのを防いだ。コロナ禍で苦労の連続となっている佐々岡監督54歳の誕生日へ祝砲5発…

巨人先発の菅野が56日ぶりの登板なら、打った鈴木誠も48日ぶりの一発になった（8月2日、東京五輪での柵越えは除く）。

「きっかけ」となったのは菅野。今季、この日までに３度対戦して３本塁打。

4月5日（マツダ）は初回、スライダーを左越えソロ。この時は一番菊池涼も左中間スタンドに運んだ。

４月23日（東京ドーム）は九里が2点を先制された直後の六回、先頭打者ホームラン。ボールカウント３－１からのスライダー。2球同じ球を続けた菅野は打たれてうんうん、と頷いた。

そして7月1日（東京ドーム）菅野が2回3分の１、４失点KOで侍ジャパン辞退を決した日。三回、西川が真っすぐを右越えに持っていったあと、小園が中前打で続き鈴木誠が低目の144キロをバックスクリーンに打ち込んだ。

この対戦を最後に2カ月間の調整期間に入った菅野。せっかく首位阪神に１差での復帰登板となったのに、結果は２打席連続のバックスクリーン弾となった。

昨夜、鈴木誠をリードで翻弄した大城のミットはこの時、外角一辺倒。カットボール、スライダー、フォーク、スライダーでボールカウント２－２となり、5球目の真っすぐでやっとスイングしてファウル、続く１４８キロはボール、さらにカーブと真っすぐファウル、9球目のスライダーが浮き気味に入ってきたところで、日本の四番のバットが一閃した。まるで間がとれていなかったのに、このひと振りは完璧だった。

先制パンチを浴びた菅野はさぞ動揺したことだろう。そこに間髪入れず、坂倉の２者連続弾。視界から打球の行方をカットしてもどうにもならない。静まり返るライトスタンドで打球は弾んだ。

六回、その坂倉に右前打された巨人バッテリーは菊池涼を迎えてボールカウント１－１からボールになるスライダーを選択したが、打球はレフトスタンドに飛び込んだ。

6回95球を投げた菅野を評価する声もあるが、変化球で切り抜けようとするその姿は本来のスタイルには程遠い。初回、いきなり野間、西川に初球真っすぐを狙われて左直と右前打。坂倉にもインロー真っすぐを打たれ出鼻をくじかれたのだろう。

菅野降板のあと、鈴木誠は七回、戸根から再びバックスクリーン弾を放った。大城のミットはここでもインロー。しかし真っすぐが甘く入った。

九回には坂倉が桜井から2発目。高目のボール球を豪快に振り抜いた。

クロンが期待倒れに終わりヒットは出ても一発の“火力不足”が深刻だった広島打線。四番、五番の4発で9打点の「わっしょい」コイ祭りになった。（ひろスポ！・田辺一球）