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2023年08月11日
編集部

広陵、センバツ経験値×選手層の厚さで中国勢対決の夏初戦突破!立正大淞南も高尾響から3点を奪い爪痕残す

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中井監督
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    ダグ

  • レッドヘルメット

画像は広陵の中井哲之監督

 

 

第105回全国高校野球選手権記念大会第6日(8月11日)・2回戦

立正大淞南(島根)010 020 000・3
広   陵(広島)000 205 10X・8

 

広陵スタメン(学年と投打)
センター田上夏衣(3年)右左
サード谷本颯太(3年)右左
ファースト真鍋慧(3年)右左
ショート小林隼翔(3年)右右
キャッチャー只石貫太(2年)右右
ライト濱本遥大(2年)右右
高橋陽大(3年)右左
高尾響(2年)右右
セカンド松下水音(3年)右左

 

参考
広陵、春のセンバツ準決勝スタメン
第95回記念選抜高等学校野球大会第11日(3月31日)
広陵(広島)1-6山梨学院(山梨)

センター田上夏衣(3年)右左
サード谷本颯太(3年)右左
ファースト真鍋慧(3年)右左
ショート小林隼翔(3年)右右
レフト中尾湊(3年)右左
キャッチャー只石貫太(2年)右右
セカンド松下水音(3年)右左
ライト濱本遥大(2年)右右
ピッチャー高尾響(2年)右右

 

 

中国勢同士の対戦は好ゲームになった。序盤3回は立正大淞南の”圧“が優っていた。四回、五回に点の奪い合いとなり「ロースコアで接戦に持っていきたい」という立正大淞南・太田充監督の思惑とは異なる展開へとゲームは動き始めた。広陵打線がロースコアゲームを許さなかった、という見方もできる。迎えた六回、5点を取った広陵がガッチリと主導権を握った。

 

「前半はいいゲームができた。ゲーム全体では六回の5点が反省点になると思うけれども粘れたイニングもあって持ち味は出すことができた」と試合後、太田充監督はコメントした。

 

勝った中井哲之監督は次のように振り返った。

 

「高尾がぜんぜん調子良くなくて、もしくは高尾がすごく研究されていて、コンパクトに逆方向に打たれたんですが、悪いなりにしっかり投げてくれたと思います」

 

-高尾投手はどう修正?

 

「相手の狙い球を外すことと、少し力を抜いてコントロール良く、リズム良く、ということをしたんだと思います」

 

-五回には真鍋選手の3点二塁打がありました・

 

「引っ張ることなくセンター中心に打とうとした打球があちらに飛んで、よく打ってくれたと思います」

 

 

ひろスポ!独自の戦評

 

広陵は初回、二死満塁のチャンスで濱本の痛烈な打球がファースト正面を突いた。広島大会では決勝の広島商戦でも初回に1点を先制するなど全試合で先に点を取ってきた。紙一重の差でそれができなかった。

 

二回、立正大淞南が1点をもぎ取る。広陵のファースト真鍋慧のバタついた守りに助けられた一死からの内野安打でこの試合初めてのランナーが出て、左打席の六番・勝部友悠(3年)の2球目でエンドラン。これが右前打となって一、三塁。続く新地大和(3年)はスクイズの構えから2球見送ってボールカウント1-1。3球目でスクイズ、という高等テクニック…しかし高尾響がセンスよくホームにグラブトスしてタッチアウトになった。

 

通常ならこれで広陵バッテリーに流れが傾くのだろうが次打者、八番・竹内 昴航(3年)は粘って7球目の外角ストレートを芯で捉えてタイムリー。九番・川端 保志(2年)に高尾響が死球を与えたことからも分かるように、この先制パンチは広陵バッテリーを揺さぶった。

 

追いかける広陵は三回、一番から。田上夏衣がショート内野安打で出て、谷本颯太送りバントで一死二塁。するとここで太田充監督は背番号3の右腕、山下羅馬(3年)からエースナンバーの日野勇吹(3年)にスイッチした。より球威のある右腕で広陵打線と真っ向勝負…おそらく打線2回り目が終わったところあたりでの交代を予定していたはずが、かなりの前倒しになった。

 

結果は真鍋慧が左飛、小林隼翔も中飛。立正大淞南の作戦はここだけを見れば成功!しかし結果的には“ネタ”を早く出し過ぎたことになる。

 

四回の広陵の逆転劇は選手層の厚さと、センバツ4強の経験がミックスされたものになった。

 

簡単にツーアウトを奪われながらも甲子園初スタメンの高橋陽大がボールカウント2-2まで見て真ん中のストレートをジャストミート。打球はセンターのグラブをかすめるツーベース。この一打に動揺したのか日野勇吹の球がバラついて高尾響はストレートの四球。そしてセンバツ準決勝では七番を打った松下水音も高目の真っ直ぐを打ってセンターオーバーの三塁打で2者を還した。

 

ところが広陵は五回の守りで“まさか”のミス。先頭打者のイージーゴロをショート小林隼翔が弾いてそこから送りバントもあって二死二塁。打席には三番の左打者、坂川尚仁(3年)。初球カーブボールからまっ直ぐボール、真っすぐストライク、カーブ空振りで2―2となり、広陵バッテリーは真っすぐ勝負。快音を残した打球は左中間を真っ二つ。これが同点三塁打となり、続く山下羅馬には2球のカーブを中前適時打された。マウンドで悔しい思いをしたであろう山下羅馬、意地の一撃…

 

再び1点ビハインドとなった広陵の五回の攻撃は二番から。わずか10球で3者凡退に終わり、ここで今大会から採用されたインターバル10分間のクーリングタイムになった。

 

クーリングタイム…酷暑対策で五回終了時に選手達は空調の効いたベンチ裏に移動して水分補給などを行い、常駐する理学療法士がサーモグラフィーなどを使用して熱中症の症状がある選手がいないかの確認も行う。

 

その時間を利用して中井哲之監督は選手に伝えた。

 

「4対3でいいから、どんな形でも1点多く取ればいいから、焦ることなくやろう」

 

同時にこの10分間で2年生バッテリーも”修正“を確認したはずだ。結果、六回に投じた球数わずかに7。しかもカーブ、スプリット、スライダーと変化球をバランスよく混ぜてテンポよくアウト3つを奪った。

 

その裏、先頭の只石貫太はレフト前ヒットで出塁した。日野勇吹のこの日投じた44球目、球種はスライダーだった。この時点で日野勇吹にはまだ十分な余力があったはずだ。しかしこの1本のヒットがアリの一穴になった。

 

浜本遥大の送りバントは定石通り。前の打席で反撃の突破口を開いた高橋陽大が中前打して一死一、三塁の形ができた。

 

打席には高尾響。初球スクイズの構えが立正大淞南のバッテリーエラーを誘い二、三塁、高尾響はボール球に手を出して三振…

 

二死二、三塁で打席には松下水音。ストライクとファウルで2ナッシングからの3球目、ここでも立正大淞南にバッテリーエラーが出て労せずして同点に追いつくと、松下水音はファウルで粘って9球目でフォアボール。

 

再び一、三塁となって田上夏衣の2球目で松下水音は二盗。ここで痛烈な打球がショートを襲ってこれが勝ち越しタイムリーとなり、なおも一、三塁。この時68球に達した日野勇吹は完全に広陵ペースに巻き込まれていた。

 

次打者、二番・谷本颯太の3球目で田上夏衣が二盗。もはや立正大淞南バッテリーは広陵一俊足の要警戒ランナーをマークする余力すら失われていた。

 

こうなると谷本颯太が四球で歩き、二死満塁で真鍋慧という広陵にとっては理想的な、立正大淞南にとっては一番やってはいけない流れになる。それが必然。注目のスラッガーの打球は高々と左中間へ。風に流された分、センターとレフトが譲り合うかっこうになり、走者一掃の二塁打となって7対3。

 

七回にもヒット、二盗、送りバント、タイムリーと流れるような攻撃で加点した広陵は6年ぶりの夏1勝を、攻撃力を前面に押し出すスタイルでもぎ取ったのである。(ひろスポ!取材班&田辺一球)

 

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