画像はカイル・ミリングヘッドコーチ
日本生命 Bリーグチャンピオンシップ 2023-24、三遠ネオフェニックスvs広島ドラゴンフライズ(5月12日・豊橋市総合体育館)
Bリーグの年間王者を決める「日本生命 Bリーグチャンピオンシップ 2023-24」の準々決勝、敵地の豊橋市総合体育館で三遠ネオフェニックスとのGAME2に臨んだ広島ドラゴンフライズは、正に肉弾戦のような「泥臭い戦い」(ドウェイン・エバンス)を69-66の超ロースコアで勝ち切り、前日11日のGAME1での77―70での勝利と合わせて、中地区王者の三遠ネオフェニックスを撃破!初のチャンピオンシップ準決勝に進んだ。
準決勝の相手は名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(西地区1位)。準々決勝ではシーホース三河(中地区2位)を相手にGAME1、GAME2を取って勝ち上がってきた。
準決勝も敵地での戦いとなる広島ドラゴンフライズは、愛知県内と広島の間を行き来する不利な状況の中、5月18、19、20日の大一番に臨む。
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レギュラーシーズンではB1最強の攻撃力を誇った三遠ネオフェニックスの「鉾」を広島ドラゴンフライズの「盾」が見事、跳ね返したかっこう。
前半を43-41で折り返した広島ドラゴンフライズは、しかし第3クォーターで相手の強烈なディフェンスに跳ね返されてわずか7点しか奪えず、50-55と逆に5点のビハインドで最終クォーターへ。
負ければそこでシーズンが終わる三遠ネオフェニックスが決死の覚悟でぶつかってくるのは当然で、互いに大事なところでスリーポイントシュートを沈めるなど譲らぬ展開となって残り2:35で66-66。
残り1:57でドウェイン・エバンスがフリースロー1本を沈めてわずかながら先手を打った広島ドラゴンフライズは、残り20秒でもドウェイン・エバンスがゴールしたで粘ってねじ込み69-66。
残り10秒となって三遠ネオフェニックスは運命のラストポゼッション。アリーナが大歓声に包まれる中、残り3秒でここまで不死鳥を率いてきたキャプテン佐々木隆成が放ったスリーポイントシュートは…リングに嫌われ残り1秒…からの広島出身・大浦颯太(五日市南小→国泰寺中→広陵高→日体大)のラストショットも不発…そこでブザー!その瞬間にワイルドカードからB1頂点を目指す広島ドラゴンフライズの準々決勝突破が決まった。
出場機会のなかった朝山正悟ら3選手を含めてベンチ入りメンバー12人全員で戦った。GAME1でスリーポイントシュート5本を沈めた山崎稜は大事なところでこの日も2本スリーポイントを決めた。
三遠ネオフェニックスがここぞとばかりに反撃に転じようとしたタイミングでは河田チリジがゴール下で相手をはね返すなど、スリービッグマン(長身選手3人)での守りは効果的だった。
若き司令塔、中村拓人はチームで2番目に永井29分33秒の出場タイムで、自ら8得点も稼いだ。チーム最長の31分23秒コートに立ったドウェイン・エバンスの18得点、6リバウンド、5アシストはいずれもチーム最多で、究極のクロスゲームにあってチームが勝ち切るために大切な役どころに徹したことが数字でも証明された。
オフェンスリバウンドの数はともに14。フィフティフィフティのボールに”群がる”死闘が何度となく繰り返される、まさに死力を尽くした40分間になった。
なお、試合後、カイル・ミリングヘッドコーチはインタビュアーに促され、アウェイのアリーナに駆け付けたブースターとその勝利を祝ったが、三遠ネオフェニックス側でもインタビューは行われており、マイクを通しても声が拾えないほど小音量の「勝ちじゃけぇ」になった。(ひろスポ!広島スポーツ100年取材班&田辺一球)
日本生命 B.LEAGUE QUARTERFINALS 2023-24 三遠ネオフェニックス戦 GAME2
広島ドラゴンフライズ 69-66 三遠ネオフェニックス
1Q: 23-21
2Q:20-20
3Q:7-14
4Q:19-11
【スターター】
広島:アイザイア・マーフィー、中村拓人、ドウェイン・エバンス、ニック・メイヨ、山崎稜
三遠:サーディ・ラベナ、ヤンテ・メイテン、コティ・クラーク、大浦颯太、金丸晃輔
三遠ネオフェニックス 広島ドラゴンフライズ
66 得点 69
14/33(42・4%) 2点シュート成功率 16/31(51・6%)
10/28(35・7%) 3点シュート成功率 8/23(34・8%)
8/12(66・7%) フリースロー成功率 13/20(65・0%)
33(OR14、DR19) リバウンド 37(OR14、DR23)
12 ターンオーバーTO 15
18 TOからの得点 13
22 ペイント内得点 28
14 速攻による得点 5
12 セカンドチャンス得点 11
36 ベンチポイント 20
試合後の会見コメント
カイル・ミリングHC
言葉にならない、本当に良い試合だった。彼らが今まで積みあげてきたものを、努力してきたことを、讃えたいと思う。そして僕たちコーチ陣を信じてついてきてくれていること、心から感謝している。
ドウェイン・エバンス
今日も40分間最後まで自分たちらしく闘い抜くことができて嬉しく思う。自分たちで大きな自信を持てていることが勝ち続けられている理由だと思う。次のステージでも自分のやるべきことを全うして、チームを引っ張っていきたい。そしてブースターの皆さんにはまだまだ引き続き応援をしてもらい、僕たちに力を貸してもらいたい。
中村拓人
前半厳しい時間帯もあったが、最後まで自分たちのバスケットボールができてよかった。クラブ初のセミファイナル進出を決めることができ、チームを誇りに思う。ここからまた更に歴史を作っていけるように、チーム全体で盛り上げていきたい。