画像は8回104球完投した竹原のエース、原田迅(3年)
第106回全国高校野球選手権記念広島大会第3日(7月8日)
1回戦10試合があった。これで1回戦全22試合が終了。酷暑の中、9回を投げたのが明王台の3年・大脇壮真(124球)と高陽東の3年・秦幸四朗(113球)のふたり。8回を投げたのが修道の3年・中山卓仁(118球)、安西の3年・大庭颯斗(175球)、竹原の3年・原田迅(104球)河内の1年・原田琉生(89球)、呉商の3年・宇都宮真生(103球)の5投手だった。
9日、10日、11日は予備日で12日日から14日まで2回戦が組まれている。
<バルコムBMW野球場>
広島市工9-6修道
広島工大工13-2呉工(七回コールド)
広島市工は3点を追いかける初回に8点を奪い流れをつかんだ。修道の中山卓仁(3年)は初回に救援して、ひとりで投げ切った。
広島工大工は19安打。四番・福永亘琉(3年)と六番・井野川幸佑(2年)が本塁打。
<電光石火きんさいスタジアム三次>
盈進22-1千代田(五回コールド)
高陽東4-2英数学館
2年ぶりの優勝を目指す盈進は12安打で22得点。投手陣は3人で繋いだ。
高陽東の秦幸四朗(3年)は6安打完投。
<エブリイ福山市民球場>
明王台4-0五日市
沼田8-1福山葦陽(八回コールド)
明王台の大脇壮真(3年)は124球3安打完封。
沼田は先発した森分晟士(3年)が4回と2/3でショートに回り、打っても4の3、2打点。沼田の六番・森一晟(2年)は五回の無死三塁でランニングホームラン。
<東広島アクアスタジアム>
武田10-2熊野(七回コールド)
呉商5-2河内
河内は7年ぶりに単独出場したが4安打止まりで初戦突破とはならなかった。部員は1年生のみ10人でひとりが欠場となり9人で勝負!先発した原田琉生は89球6安打関完投した。
<鶴岡一人記念球場>
呉港11-1広(五回コールド)
竹原8-0(八回コールド)
昨季ベスト4の呉港は10安打でコールド発進した。
竹原は昨年12月に急逝した迫田穆成前監督のあとを引き継いだ天野耕平監督、山村心部長の下で、ナインが積み重ねてきたものを、グラウンドで表現しようとした。…結果、天野耕平監督が得点源として期待するクリーンアップの福田海翔(3年)、中川柚貴(3年)、村上耀(3年)で大事なところで計5打点を叩き出した。
初回に2四球1死球で塁を埋め、下位で3点を先制すると、二回には三番・福田海翔がコンパクトなスイングで右前打して加点した。
八回には二死から満塁として、四番・中川柚貴が左中間を破り走者を一掃。五番・村上耀も中前打で畳みかけた。
満塁の走者を一掃した中川柚貴がサードに滑り込む
投げては、初回に自ら適時打も放った原田迅が3安打完投した。散発の3安打、六回には四死球を出して一度、へばりかけたが自ら修正して真っすぐと変化球をゾーンに投げ込んだ。
チームのためにマウンドで、打席で、守りで何ができるか?迫田穆成さんの訓えが透けて見えるようなプレーが随所にちりばめられていたのは間違いないだろう。
安西の背番号1、左腕エースの大庭颯斗は、しかしある意味、原田迅以上の投球を貫徹した、と言ってもいいかもしれない。春には投球が満足にできなくなっていたようだが、不断の努力で本番に向け調整、そして灼熱の太陽の下、175球完投。
途中、正捕手の上本幸哉(2年)が体調に変調をきたし、山崎壮留(1年)に交代する、というアクシデントも乗り越えた。球数が100球を越えたにもかかわらず、そこからまた球威が増して六、七回は竹原上位打線を3者凡退に抑えた。
結果的にはコールドゲームになったが、両校の力量差はそこまでではなく、与四死球差が試合の流れを決めた2時間17分だった。