画像左は常廣羽也斗、右は滝田一希
広島のドラフト1位ルーキー、常廣羽也斗が9月22日、二軍戦に先発して6回86球4安打3四球の2失点だった。
ウエスタン・リーグ
広島-阪神(9月22日、広島県廿日市市・HIROHAI佐伯総合運動公園野球場)
常廣羽也斗は9月15日、マツダスタジアムのマウンドに立ち、待望の一軍デビュー!DeNA打線相手に5回92球7安打3四球4三振の1失点でプロ初勝利をマークした。
翌日のスポーツ紙には「救世主」の文字も見られたが、その日のうちに出場選手登録を抹消されて二軍再調整となり、中6日でこの日の阪神二軍戦先発となった。
味方打線から初回に1点の援護をもらって迎えた三回、先頭の八番・戸井零士に四球を与えると送りバントで一死二塁とされ一番・高寺望夢には高目に浮いたカットボールを打たれて三塁線を抜かれて同点にされた。
四回には一死無走者で育成出身2年目の六番・野口恭佑にやはり高目に入った真っすぐを左翼フェンスの遥か向こうに運ばれ勝ち越された。
改修工事を終えたHITOHAI佐伯総合運動公園野球場は両翼90メートル、中堅120メートルでこの日がこけら落とし。何度かマウンドを気にする仕草を見せた常廣羽也斗だけに、そのあたりのことは配慮すべきだろうが、それにしても初回は打者4人に対していずれもボール球から入る形になり、二回以降もフォーク、カットボール、カーブがショートバウンドするシーンが再三見られ、一方で高目は痛打されるというパターンになった。
DeNA戦では二回までに5点の援護があり、毎回得点圏に走者を背負いながらもバックの好守にも助けられて最少失点で済んだが、そこは結果オーライとも取れるし、山本祐大への死球(尺骨骨折リタイア)というハプニングもあった。
一番の不安材料は制球が安定しない投球フォームだろう。DeNA戦でも球数が増えるに従って手投げになっていたが、この日もやはり似たような状況だった。
本人が意図を持って投げ、腹八分で投げたのかどうかは不明だが、自慢の真っすぐがこの日は141、2キロというケースも多く、何より打者25人で三振がひとつも奪えなかった。
それでも低目にズバッと決まる真っすぐは威力十分で、この球が一軍打者にも通用することはすでに証明済だが、ピッチングはトータルでの勝負。与四球3も、相手がボール球を打って助けてくれた場面もあり、一軍で結果を出そうと思えばこのままでは苦しい。