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2024年10月18日
編集部

クライマックス・シリーズで5連勝で日本シリーズ王手のDeNA、本来なら秋晴れのマツダスタジアムでクライマックス・シリーズ、ファイナルステージのはずだった…

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画像は広島の秋季練習が続く秋晴れのマツダスタジアム、本当ならここで…

 

秋晴れのマツダスタジアムでは10月18日、広島の秋季練習3日目があった。グラウンドレベルに降り注ぐ陽射しは強烈だった。この日、広島県内では観測史上最も遅い夏日を記録(安芸太田町加計30・1度、府中市30・0度)を記録した。

 

 

“本来なら”クライマックス・シリーズのファイナルステージが開催されていたであろう、そのグラウンドでは、きっとどの選手も同じことを考えているのではないか?

 

 

俺たちがCSを戦い、日本一を目指すはずだったのに…と…

 

 

この日の打撃練習は末包昇大、石原貴規の右打者ふたりからスタートした。指揮官の命に従い下半身の使い方などに根本的な改良を加えることとなった末包昇大…打球はまったく飛ばない。またゼロからのスタート、と言っていい。が、社会人3年目、28歳となってなお“ゼロから”というのはやはり厳しい、と言わざるを得ない。

 

 

新井貴浩監督の現役時代はどうだったか?大卒4年目で28本塁打75打点。そのあと“四番失格”の試練の2シーズンを経て43発で本塁打王のタイトルを手にしたがプロ7年目、28歳の時だった。新井貴浩監督は早生まれだから末包昇大は来季ブレイクしなければ、もう終わり?だ。

 

 

ハードな練習を終えたカープナインはみな午後6時からのCSファイナルを見たことだろう。みずほPayPayドーム福岡ではソフトバンクが日本ハムを相手に3連勝。アドバンテージの1勝と合わせて4年ぶり21度目の日本シリーズ進出を決めた。

 

 

東京ドームでは巨人がDeNAの勢いの前に自滅して1勝もできないまま逆王手をかけられた。

 

 

先制したのは巨人。二回、CS初投げとなった吉野光樹の真っすぐが高目に浮いたところを、不動の四番打者・岡本和真が左翼席に持っていった。

 

 

このシリーズで初めて主導圏を握った巨人に対してDeNAも四回、一振りで試合を振り出しに戻した。

 

 

序盤3回47球と快調に飛ばすフォスター・グリフィンに対して先頭のタイラー・オースティンはフルカウントからやはり高目に浮いた146キロを右翼越えに持っていった。直前の三回の守りで一死満塁の大ピンチに飛び出したセカンド牧秀悟のファインプレー(ダイビングキャッチからの4・6・3ゲッツー)が呼び込んだ一発と言っていい。

 

 

追いつかれた巨人はモロかった。五回からマウンドに上がった二番手の赤星優志が二死三塁、ボールカウント2-2からの5球目を引っ掛け気味にアウトコースへ投げて岸田行倫のミットをかすめるワイルドピッチ…打席のタイラー・オースティンは一度もバットを振らないまま決勝点を“叩き出した”。

 

やはり四番の存在は特別だ。広島には、かつての新井貴浩監督の現役時代のような大砲がいない。球団の編成能力に問題ありで、トレードすらやらない、いやできない。外国人野手補強もこのところずっと空砲続き、だ。

 

 

前日(17日)の第2戦も2-1のスコア(七回、タイラー・オースティンが菅野智之からソロホームランの殊勲打)で勝ったDeNAは、これでクライマックス・シリーズは阪神とのファーストステージと合わせて5連勝。しかも計6失点と「打のDeNA」の看板とは裏腹に見事なディフェンス力も発揮している。

 

 

ここまで長々とDeNAのことを綴ってきたのには訳がある。まさに今のDeNAの「横浜進化」(2024年DeNAシーズンスローガン)を後押ししたのが広島だから、だ。(2024年の広島のキャッチフレーズ「しゃ!」はまったくナンセンス…途中から誰も言わなくなった)

 

 

9月1日時点で広島は貯金14の首位にいた。DeNAは同日、貯金ゼロの4位。そのゲーム差は7もあった。

 

 

ところが横浜スタジアムでの3日からの3連戦が、その立場をひっくり返す誘因となった。第1戦では森下暢仁と東克樹の両先発で投手戦予想も5-1のスコアでDeNA先勝。二回、牧秀悟に柵越えされた森下暢仁は4回KO降板に追い込まれた。右腕から2安打したタイラー・オースティンはお立ち台で「森下対策を十分に練っていた」ことを打ち明けた。

 

 

第2戦に先発したアドゥワ誠は初回、宮崎敏郎に3ランを、二回には梶原昂希にソロを打たれて1対6ワンサイドゲームになった。

 

第3戦は延長十一回、松本竜也の押し出しでサヨナラ負け。4時間17分のせめぎ合いに敗れた広島は首位陥落となった。結果的には、この4週間後に4位確定、というエンディングを迎えることになる。

 

 

この3連戦のあとDeNAは8勝9敗1分けで9月を終えた。同月トータルでは11勝9敗1分けだった。対する広島は9月5勝20敗(20敗は球団月間ワースト記録でリーグ記録に並ぶ)、要するに勝率5割そこそこのDeNAに対して広島の方が勝手に急ブレーキをかけたことになる。

 

 

迎えた10月1日のDeNAとの最終戦(横浜スタジアム)で新井貴浩監督は森翔平を先発させたが1対0の四回、牧秀悟、タイラー・オースティン、宮崎敏郎、桑原将志、戸柱恭孝らに集中打されてKO降板となった。この試合も1対3で落とした広島は、翌2日にBクラスが決まり、同時にDeNAの3年連続6度目のCS出場が決まったのである。(この項続く)

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