前節、シーズン初のロスタイム逆転負けで「赤信号」点灯のサンフレッチェ広島がアウェーで17位の大宮にも3-0から引き分けに持ち込まれ、「赤信号」点灯から“つきっ放し”の厳しい状況に追い込まれた。
…というのも首位を行く浦和が新潟に1-0で勝ち、2位の鳥栖も神戸に1-0勝ち。それぞれとの勝ち点差は9と8に広がった。
一昨年、昨年と数々のミラクルや粘り強い戦いを繰り返し、J1連覇を果たした広島。それでも首位までの勝ち点最大差は8で、今回はその限界点は越えてしまった。
W杯による中断期間前後で4試合、白星のない広島は大宮相手に最高のスタートを切った。
前半3分、右サイドの石原からのパスを佐藤寿人が押し込み先制。佐藤は9試合ぶりのゴールを決めてJ1通算139得点となり、横浜FCの三浦和良に並ぶ歴代3位タイの快記録をチームメートとのカズダンスで祝った。
ところが前半6分、この日がW杯日本代表の大役を終えてからの復帰戦となった青山がピッチの上にしゃがみ込み動けなくなった。意識はあるものの、そのまま担架でピッチの外へ。柴崎が投入されてボランチに入った。
前半22分、右からのクロスにまたしても佐藤。今度は頭で押し込んでカズ越えを果たすとともに試合の流れを完全に広島サイドへ引き寄せた。その3分後には右サイドライン後方からのロングパスに石原が見事に合わせて3点目。広島はそのまま3-0で前半を折り返した。
だが、後半7分、大宮のズラタンに個人技でゴールを決められるとすべてが暗転する。
そのわずか2分後に、中断期間中に大宮が補強したムルジャにヘディングシュートを決められて1点差。さらに後半26分、中央付近でパスを受けたムルジャに塩谷が体を寄せたが、瞬時の反転で振り切られてゴール右に同点ゴールを蹴り込まれた。
水曜日、エディオンスタジアム広島での横浜戦では後半45分に同点に追いつかれロスタイムに決勝ゴールを許したが、得意の勝ちパターンから追いつかれた今回は前回以上にショックが尾を引きそう。
しかし次節・柏戦は4日後に迫っている。青山の状況もにらみながらの修正作業も限定的にならざるを得ない中、フィジカル面の厳しさもさることながらサンフレイレブンのメンタルの強さが試されることになる。