チームの司令塔松原志歩(画像左)と、後半戦も左山桃子と不動のセンターバックを任される中村楓
秋開幕、春閉幕の「秋春制」のWEリーグは、冬季中断期間を経て3月5日に再開される。
サンフレッチェ広島レジーナはアウェイのユアテックスタジアム仙台でマイナビ仙台レディースと対戦する。
チームをゼロから立ち上げたレジーナはWEリーグ元年のシーズン前半を2勝3分け4敗の8位(チーム数11)で折り返した。
サンフレッチェ広島レジーナここまでの戦績(Aはアウェイ、Hはホーム)
WEリーグ
第1節 9月12日A 〇3-0ちふれASエルフェン埼玉
第2節 9月18日H ●0-2マイナビ仙台レディース
第3節 9月25日A ●0-2日テレ・東京ヴェルディベレーザ
第4節 10月2日H △1-1アルビレックス新潟レディース
第5節 10月10日A ●1-4大宮アルディージャVENTUS
第6節 10月16日A 〇2-1三菱重工浦和レッズレディース
第7節 10月31日H △0-0ノジマステラ神奈川相模原
第8節 ゲームなし
第9節 11月14日A ●1-2AC長野パルセイロ・レディース
第10節 11月20日H △1-1ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
第11節 延期(5月4日エディオンスタジアム広島でINAC神戸レオネッサ戦)
皇后杯
4回戦 12月25日4回戦、広島広域公園第一球技場
〇2-0マイナビ仙台レディース
準々決勝 12月29日、ヤンマースタジアム長居
●0-2三菱重工浦和レッズレディース
チームは2021年12月29日の皇后杯準々決勝のあとオフに入り、1月17日に全体練習を再開。2月21日から25日までは熊本県内で合宿を行った。
熊本合宿中にあった練習マッチ
サンフレッチェ広島レジーナ 10-0 神村学園女子サッカー部
【1本目】4-0
【2本目】3-0
【3本目】2-0
【4本目】1-0
得点経過
【1本目】12分:大内梨央(1-0)
【1本目】20分:大内梨央(2-0)
【1本目】23分:山口千尋(3-0)
【1本目】25分:山口千尋(4-0)
【2本目】18分:大内梨央(5-0)
【2本目】24分:立花葉(6-0)
【2本目】27分:上野真実(7-0)
【3本目】18分:大内梨央(8-0)
【3本目】28分:大内梨央(9-0)
【4本目】9分:谷口木乃実(10-0)
熊本合宿を終えての練習マッチ(2月26日)
サンフレッチェ広島レジーナ 5-3 サンフレッチェ広島ジュニアユース
【1本目】1-0
【2本目】1-1
【3本目】3-2
得点経過
【1本目】15分:谷口木乃実(1-0)
【2本目】26分:上野真実(2-0)
【2本目】30分:サンフレッチェ広島ジュニアユース(2-1)
【3本目】20分:サンフレッチェ広島ジュニアユース(2-2)
【3本目】30分:大内梨央(3-2)
【3本目】37分:サンフレッチェ広島ジュニアユース(3-3)
【3本目】42分:大内梨央(4-3)
【3本目】45分:島袋奈美恵(5-3)
レジーナの基本的なチームコンセプトや戦術は前半戦と変わらない。プレーの精度を上げ、共通認識を高め、そして攻守の切り替えを速くして、メンタル面でもタフになることが求められる。「数字」で言えば失点を減らし、そして一番の目標は「得点」を大幅に増やすこと。
そのためにはFW谷口木乃実や前線を自在に動き回るMF川島はるなのゴールシーンが欠かせない。またボランチ本線の近賀ゆかりと松原志歩がいかに全体をコントロールするか、が大事になってくる。女王の翼、左右両ウイングは中嶋淑乃、山口千尋、齋原みず稀、立花葉ら百花繚乱…
後半戦再開を前に中村伸監督に聞いた。
-後半戦を前に監督ご自身、どんな思いでいらっしゃいますか?
正直、わくわくしてます(笑顔)。ようやく再開するな、という気持ちです。中断期間にやれることをいい形で積み上げることもできているので、それをどれだけトライしてうまく表現できるかどうか。それを試せるので早く試合したいなという気持ちが強いですね。
-前半終了しての時点でどう振り返り、合宿までと合宿でどうチームを高めてきましたか?
前半戦は簡単に言うと、自分たちがやろうとしていることに対してピッチでしっかり表現してくれたなという印象です。と同時に、その表現してくれたサッカーと結果がうまくリンクしてないなっていう印象を持っています。もっと結果につながっても良かったゲームもありました。そこは、なかなか難しいところかなと。
そこに対して何をもう少し上げていかないといけないのか?それを考えたらやっぱり得点する形をどう増やすかというところだったので、前半戦を振り返った中でやれることや、もう少しプラスアルファとして積み上げていけることをキャンプも含めて共有しながら取り組みました。そのへんがうまく試合で出せるようにしていきたいと思っています。
-総仕上げのジュニアユース戦はいかがでしたか?
非常におもしろい試合をしてくれたと思います。いつもと違うプレッシャー、スピード感という中で、自分たちがトライしていたことの成功体験をどれだけ増やせるかな、と思っていたのですが、予想以上にいい形で共有した部分が多かった印象です。すごく前向きに次につながる試合でした。
-攻撃の引き出しは増えましたか?
はい、イメージ的には増やせているなという印象です。増やすだけじゃなくてそれをどうやってお互い擦り合わせるか、感じ合えるか。そのへんは自分たちの中でやっていける感覚が増えたと思います。
-チーム力のカギとなるセンターライン。ボランチも大事、松原志歩さんも頑張っていますね。
今、真ん中で攻守両面でチーム全体、ゲーム全体の流れを見てくれているので、試合を通じて“察しながら”プレーしてくれることを期待しています。
-去年2月にこのチーム最初の合同練習がありました。やっと1年ちょっとですね。
うーん、あっという間やったな、というのと楽しく過ごせた1年やったな、というのが一番ですね(笑顔)。思っていた以上に彼女たちの姿勢もそうですし、サッカー感もそうですし積み上げ方もそうですし、本当に右肩上がりの状況を作ってくれています。僕自身やっていて、彼女たちの凄さの部分を感じながら、頼もしさ、逞しさなど想像以上に感じることができています。試合ではトライする部分とエラーする部分とたくさんありましたが、すごく前向きにとらえてくれているので、本当に成長してくれているなという1年だったと思います。
-後半戦の目標、思い描いていることはどんなことですか?
選手たちに話もしたんですけど、後半戦は主役になるよ、という話はしました。まあ、目指してかどうかはわかんないですけど、最終的にそうなるように1試合1試合大事に戦っていきたいと思います。
後半戦開幕を前に中村伸監督(右端)の話を聞く選手たち