「超琢朗主義」の脅威、DeNA対外試合５連勝…開幕戦相手の広島に４連勝、対巨人でどんな変わり身見せるか？

2022年03月03日: 編集部

画像は横浜スタジアム（資料写真）

広島が3月に入っていきなり横浜スタジアムでのDeNAとのオープン戦で2連敗した。初戦は１対９、この日は２対７だった。2月のキャンプ期間中と合わせてDeNAに４連敗。開幕戦の相手に、だ。

DeNAの“変わり身”は2月16日、沖縄市コザしんきんスタジアムであった広島戦の際、すでに十分見てとれたことはひろスポ！で紹介した。広島のマスコミはドラフト3位ルーキー中村健人の左越えソロを大きく扱っていたが、広島サイドから見ての最大のポイントはそこじゃない。

一発打線のはずだったDeNAの各打者が、意図を持って打席に入っていたことが“最大のニュース”だった。

2月半ばの段階でDeNAベンチのやりたいことははっきりしていた。９安打で6点。三者凡退は八回だけ。6点のうち5点までに盗塁、犠飛、四球、広島のエラーが絡んでいた。いかに少ない安打で得点するか？それが「超琢朗主義」だ。

広島で現役を終え、そのままコーチになった石井琢朗はその当時、自身の思いを「超琢朗主義」というブログで日々アップしていた。その文章力、構成力、企画力はプロ野球選手を完全に超越していた。栗山英樹さんは“熱中先生”だが、琢朗先生も似たようなキャラ。大学で教鞭を取れば人気講座になることは間違いない。

いかにして女性にもてるか？当然、もてたい側は工夫する。いかにしてチームを魅力的なものにするか。超琢朗主義はそのノウハウを熟知している。

だが、巨人ベンチでは残念ながらその真価を発揮することができなかった。最後には、一部報道で原監督が「超琢朗…」を脅威を感じて？距離を置こうとした、と伝えられた。

経営者が一新された古巣に戻ったことで琢朗先生の自由度が各段に広がったはずだ。

DeNA打線のセンターから逆方向の打撃の前に、広島ローテの残り2枠を争う新人の森翔平、3年目の玉村昇梧が初戦でKOされ、この日の第2戦では2年目の小林樹斗も3回４失点と炎上した。しかも球数81。ファウルで粘られ痛打を浴びるパターンはみな一緒。コザしんきんスタジアムの時には３回１安打だった小林樹斗は２度続けては通用しなかった。

象徴的だったシーンがある。DeNAが５対２とリードして迎えた七回、森浦大輔がマウンドに上がった時のことだ。先頭の大橋武尊は背番号１０５。四回、代走から起用され二盗、三盗を決め、今度はバットでという場面だ。左対左でファウル４つ、その8球目を文句なしの角度のライナーで左前に弾き返した。

続く代打山本祐大の時、１ボールから森浦はボーク。すると即、山本祐大は右方向へファウル２つ。そして４球目、インローの真っ直ぐを、バットを縦に使って進塁打ニゴロにした。山本は推定年俸６０５万円から１０３０万円に上がったBCリーグ出身の苦労人。必死さというよりも死ぬ気で打席に入っている。真にそういう気持ちにさせている琢朗主義を三浦監督も納得しているのではないか？

結果、途中出場の知野直人はお決まりの右打ちで、ライト頭上を襲う大飛球。中村健人がギリギリでキャッチして犠牲フライとなり貴重なダメ押し点となった。

DeNA打線は八回のドラフト5位右腕、松本竜也にも21球を投じさせて柴田竜拓のソロなど3安打を放った。

この粘り、このしつこさはおそらく対巨人戦でも最大限に発揮されることだろう。昨季、借金19だったDeNAだが三浦監督は「変わり続けていく！」とかっこいい。カッコ悪いのは誠に申し訳ないがコーチ新採用や配置転換のあった今の広島ベンチ。3年連続Bクラスにお終わった昨季と比べて代わり映えしないどころか鈴木誠也がいないことによって生じた大きな穴に、3月に入ったというのに冷たい風が吹き抜けている。（田辺一球）

佐々岡カープ開幕3連敗？大瀬良でも危うい？牧も宮崎もソトも細川もみんなセンター返しの石井琢朗コーチの訓え脅威 | 【ひろスポ！】広島スポーツニュースメディア (hirospo.com)
（２０２２年３月２日掲載）

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