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2014年08月15日
編集部

「アンケートの意味がない」とサッカー関係者が指摘するサッカースタジアムに関するアンケートが広島市で始まる

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陸上競技場からサッカースタジアムへ移行する自治体
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陸上競技場兼用の施設でサッカー(Jリーグ)を開催する自治体の数はどんどん減っている。

広島市よりあとになってサッカースタジアム建設の話が持ち上がった北九州市では7月14日に「北九州市スタジアム整備等PFI事業」に関して1グループのみ応札のあった九電工グループを同事業落札者に決定、2017年春の開場を目指す。

また画像にあるガンバ大阪の本拠地になる吹田市立スタジアム(仮称)は2015年度内に完成。広島はJリーグ発足当初の10チームの中で最後までサッカー専用スタジアムを持たず、ギラヴァンツ北九州ほかのJ2勢に対しても後塵を拝する状況となりつつある。

いたずらに「検討」にばかり時間を割いていては国内他都市との「競争」でも完全に後手に回ることになる。スタジアム建設には関係団体などからの資金協力が欠かせないがスタジアム建設が具体化しない限り話は進まず、他の自治体の後ろで”順番待ち”を強いられる悪循環に陥る危険性も指摘されている。

 

国内スタジアムベスト5
サポーターが選ぶ国内ベストスタジアム5(2010年調べ)、この中に「広島」が加わるのはいつの日か?

先ごろ、広島市を訪れたJリーグの村井満チェアマンも広島のスタジアム早期建設に期待を寄せているのだが…

www.j-league.or.jp/chairman/column/2014/0711.html

 

アンケート実施を提案したのは外部委託グループ、疑問の声が上がる中、アンケート実施に踏み切った訳は?

広島にサンフレッチェ広島も使用する複合型サッカースタジアムを建設するために1年以上話し合いを重ねてきたサッカースタジアム検討協議会が、スタジアムに関するアンケート調査を開始した。18歳以上の広島市民を対象に29日まで実施する。結果は今後の協議会での話し合いの参考にするという。

アンケートは広島市が調査票を郵送、返送してもらう形をとる。2540人の市民が対象。

アンケート項目の中には「サッカーへの関心」なども含まれるが、先の協議会でも最も重要視されていた「サッカー場建設候補地」の希望についてはまったく触れていない。

一部委員、あるいはサッカー関係者の間からはこのアンケートについて「無意味」「今さらサッカーへの興味の有無を聞いてどうなる?」「1年以上も協議会で話し合いを進めてなぜ今さらアンケートの必要があるのか?」「サッカースタジアムを作らないでエディオンスタジアム広島を改修するための言い訳探しなのでは?」との声すらあがっている。

そもそもどうしてこの時期になってアンケート実施の声が協議会で提案されたのか?

それは促進会議のスタートから1年以上を経過した第12回促進会議より、「サッカースタジアム検討にかかる調査業務」を委託することになった(6月2日契約)日本総研・復建調査設計グループ(代表会社は株式会社日本総研究所大阪本社、構成会社は復建調査設計株式会社)の「調査」の中に組み込まれていた。

私たちがこういうものを絶対必要、と思えばそういうものを作るはずが、もう終わりごろになって「アンケート」?

この時、「みなさんに聞くより、私たちがこういうものを絶対必要、と思えばそういうものを作るはすが、もう終わりごろになってサッカースタジアムを考えるなんて逆かな?と…」(株式会社アンデルセン・パン生活文化研究所 相談役、高木彬子委員)とあきれる声があがったが、三浦浩之会長(広島修道大学人間環境学部 教授)はそうした声に特に反応することはなかった。

組織委員会が外部に委託する「調査」とは、実際に建設場所を絞り込み、一定規模のスタジアムを建設するとした場合、どんなことを想定してどう進めるべきか、その専門性についての「助言」なりを受けるために行わるものとして導入が決まった。

その主旨や狙いがいつの間にかピンボケになった感は否めない。サッカーをどれだけ見に行くか?どこに住んでいるか?サッカーに興味があるかどうか?などという個別の市民の動向や志向と、国際平和都市での建設を目指す複合型サッカースタジアムの存在は同軸で論じられるべきものではない、と指摘する関係者は非常に多い。

加えて「スタジアム作りは街づくり」(サンフレッチェ広島HPより)という考え方は、すでに多くの市民からの支持を集めるようになっている。

今回のアンケートで調査するような項目の点について各委員が熟知、もしくは調査・研究した上で促進会議の話し合いが進められてきたはずで、高木委員の指摘にある通り“何を今さら”との思いが促進会議の中に広がるのは当然のことと言えるだろう。

調査・研究に関してはすでにJリーグの様々なノウハウに従ってサンフレッチェ広島が十分過ぎるほど行っている。また小谷野薫委員(株式会社サンフレッチェ広島 代表取締役社長)がこれまでの促進会議の話し合いの中で、様々な角度から広島におけるサッカースタジアムを取り巻く現状やサポーターの動向について説明を重ねてきた。

どこにスタジアムを作るかが最初に決めるべきことなのに、アンケートではあえてその質問を加えない理由は?

100歩譲ってアンケートを、費用をかけてまで行うのなら当然、「どこにスタジアムがあると一番いいと思いますか?」「その理由は?」「エディオンスタジアム広島についてのご意見、ご感想を自由に記述してください」の項目があってしかるべきとの指摘も受け入れられることはなかった。

当初、日本総研・復建調査設計グループの説明では8月中にもスタジアム建設の資金繰りなど、最重要課題についての大まかな結論が導かれることになっていたが、建設場所も決まらず今から市民のニーズを探るような状況では決まるものも決まらないのではないか?

旧広島市民球場の貨物ヤード跡地への移転が実質上決まった2005年春から夏以降、広島市民はすでに何十回、何百回とサッカースタジアムの必要性を訴えてきた。そして40万2000件を超える「サッカースタジアム早期建設の実現を求める」署名が集まった現状を考えれば、促進会議で目指すべきは「早期建設」であって「サッカーへの興味をアンケートで問うことではない」(8月9日、鳥栖戦の開催されたエディオンスタジアム広島で聞いた多くの声)

目指すべき方向性がいまだにはっきりとしていないサッカースタジアム協議会では、最後まで建設場所さえ決めかねたまま広島市に最終報告を提出する可能性が高まりつつある。

文責・新サッカースタジアム問題取材斑

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