特報！広島市がひた隠しにする？「中央公園サッカースタジアム整備の影響等に係る調査」報告って…

2017年07月12日: 編集部

１月２４日、基町地区の役員らで構成する「基町の明日を考える会」と広島市、県、広島商工会議所の担当者らの話し合いが持たれた際に、広島市文化スポーツ部の杉山部長（左）に質問状が手渡された。（トップ画像説明）

広島のサッカースタジアム問題は、全国の目が集まる「森友学園」「加計学園」の「もりかけそば」問題とよく似た構図にある。

共通するワードは、「不透明・不公平なプロセス」。

この場合、「不公平」はサンフレッチェ広島とサポーター、市民・県民の意思や意向と、広島市・県・広島商工会議所トップ、松井市長、湯崎知事、深山会頭の３者との関係性を指す。

「不透明」の方は、今さら説明するまでもない。

「スタジアム問題、”ス”の字もまったく聞かなくなった」とつい最近、港湾関係者が声を潜めて語っていた。昨年の５月までは湯崎知事、松井市長が声高に「広島みなと公園優位」と言い続けてきたのに、である。

広島みなと公園案が”ご破算”になった、そのプロセスは伏せられたまま。

「なぜ湯崎知事がトーンダウンしたのか？調べてみる必要がある」と広島市議会からも指摘されている。まさに限りなく”不透明に近いブルー”（港のイメージに合わせて）である。

広島県の守備範囲である港湾の現場から今度は「第３の候補地」として浮上した（３者会談側が浮上させた）のが「中央公園案」である。こちらは基町アパート群にも隣接しており広島市の守備範囲になる。
そして、

・旧広島市民球場跡地案、広島みなと公園案と比較検討できるようにするために

・また、建設に反対する基町地区との意見貢献を深めるために

以上２点の狙いから、中央公園自由・芝生広場にスタジアムを整備した場合の調査について広島市と県の予算で実施した。

広島市は１月、「中央公園広場におけるサッカースタジアム整備の影響等に係る調査・検討業務」の公募型プロポーザル審査を行い、最優秀提案者に山下ピー・エム・コンサルタンツ（東京都中央区）を特定した。履行期間は９月２９日まで。６月をめどに中間のとりまとめを行う、としていた。

…で、もう７月も半ばになろうとしている。

今回の調査では、基町地区住民で組織する基町の明日を考える会から提出された質問などに的確に返答するために、施設配置、騒音・渋滞等への対応策の調査・検討などを詳細に行うことになっていた。

また、旧広島市民球場跡地はもとより、広島商工会議所、青少年センター、ファミリープール、さらには広島城など周辺施設が点在する広大なエリア全体のプランニングが不可欠であり、国道５４号線や城南通りを対象にしてペデストリアンデッキの設置、ライフライン移設、公園内設置物移設、埋蔵文化財の試掘調査などにも配慮したものとなっているはずだ。

６月２４日付の中国新聞は、この件に関して、「中間まとめ」において、

・スタジアムを広場内に配置した図面

・立地が似ている神戸市、吹田市のスタジアムの状況を調査

・概算工事費

・騒音、渋滞、環境への影響調査

…などが盛り込まれる、と報じている。

そして「月内にも中間まとめをする」としているが、一向に広島市が「まとめ」た形跡はない。

ここでポイントになるのは、山下ピー・エム・コンサルタンツからの調査報告は６月の時点で広島市がもう受け取っている、というところにある。

基町地区の住民が広島市の担当者に「その調査結果を見せて欲しい」と伝えたところ「松井市長が目を通していないので今は見せられない」と断られたという。

「ていねいな仕事」で知られる山下ピー・エム・コンサルタンツから上げられた、市民、基町地区住民、サッカー関係者やサンフレッチェ広島にとっても非常に有益なはずの「報告書」を、なぜ広島市は囲み込みたがるのか？

首長が目を通せば見せることができて、見なければダメ…、というものどうなのか…。

また当然ながら、新聞、放送局もその調査結果については注目しているが、メディアに対しても現状、非公開となっている。