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2019年03月13日
編集部

ACL、サンフレッチェ広島vsメルボルン・ビクトリー、広島のピッチに立った本田圭佑はカッコ良かった!カッコ悪かったのはチケット完売でガラガラ…を世界発信した広島市

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ACL
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チケット完売、でもガラガラ感満載の広島広域公園”陸上競技場”(トップ画像)

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本田圭佑はカッコ良かった…

広島広域公園陸上競技場、3月12日午後7時キックオフのACLグループステージ、サンフレッチェ広島のホーム開幕戦。

後半26分にペナルティマーク付近でスライディングしながら、ペナルティエリア右端から送られてきたマイナスのクロスを左足で振り抜き同点ゴールにした。

その直前、サンフレッチェ広島のディフェンスラインは5・4・1と完全に整っていた。完璧だからこそ、当然、2つのラインは短軸(左右)に引き伸ばされる。メルボルン・ビクトリーのオフェンス陣はそこを狙っていた。

「ベリーディフェンシブなサンフレッチェ広島の守りは、ディフェンスとミッドフィルダーの間のスペースがとても狭かった。大切なのはそのミッドフィルダーの後ろでボールを受けること。それで、ケイスケを右サイドから真ん中に置くようにして10分から15分後にゴールすることができた」(メルボルン・ビクトリー ケビン マスカット監督のゲーム語の公式会見)

相手の指揮官は、通信社Omnisport(PerformGroup)のインタビューで、このゴールについて「おとぎ話のよう」とも語っている。

サンフレッチェ広島の最終ラインは、MFアンソニー レシオティスの快速ドリブルによって自陣ゴールの目の前まで戻り、その後方から追いかける中盤4人との間におよそ10メートルの距離ができていた。

クロスの瞬間、本田圭佑はサンフレッチェ広島のMF陣の間を抜けてペナルティアークへ…ボランチに入った和田拓也がその背後から詰めようとしたが、もうどうにもならなず「おとぎ話」が現実のものとなった。

だが、勝ったのはサンフレッチェ広島。前半3分、新人の東俊希がその「おとぎ話」を暗示するような形で、パトリックからのクロスを効き足と逆の右で決めた。

サンフレッチェ広島はシーズン開幕戦のACLプレーオフで120分戦って無得点。以来、散々、やいのやいの!?と言われてきた。敵地でのACL開幕戦、広州恒大戦では先発11人総入れ替え。これもまたメディアの標的にされた。

…なので、サンフレッチェ広島関係者も、城福浩監督も、この一発には大いに勇気をもらったことだろう。

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ところで「最初の3分と終わりの3分で失点したことは、自分の感情をコントロールするのが難しいので…」とマスカット監督が話したように、「おとぎ話」のエンディングも痛快だった。

後半41分、途中出場の野津田岳人が泥臭く繋いだパスを、やはり途中出場の柏好文が受けて左サイドからクロス。これを渡 大生が頭で叩きこみ、物語にハッピーエンドをもたらした。もちろん、”我々”にとっての…

怒られることを承知で言わせてもらうならば、広島側のサポーターにとって、これほど見応えのある90分間はなかっただろう。ACLの舞台がどんなに素晴らしいものであるか、そして、これもまた広島のスポーツ文化、サッカー文化の歴史の1ページ、だ。

ところが…

この記念すべき1ページには、スタジアムがもっといい環境を有していれば、の注釈がつく。

繰り返しになるが本田圭佑はかっこいい。それは、この問題についてもズバリ、強烈な一撃を日本を去る前にきっちり叩き込んでくれたから、である。

「空席もったいない」と本田圭佑がAFC規定に苦言。広島対メルボルン戦のチケット完売でもガラガラのワケ」
news.yahoo.co.jp/byline/kimmyungwook/20190313-00118013/

このヘッドラインでスポーツライターの金明昱氏によるコラムがヤフーニュースにアップされたのは3月13日午前7時。大変、ありがたいことで、広島県外からの目でがわざわざ指摘していただいたことになる。

※ひろスタ!特命取材班の知る限り、広島のメディアでこの問題に触れた報道はない

この記事の中では本田圭佑の…

日本に来ているのに、スタジアムが満員じゃなかったのは、違和感しかありません。まずAFCのルールを変えたほうがいい」

…というコメントが紹介されている。

そう、違和感も違和感、大違和感だ。

AFCオフィシャルサイトではACL全試合の動画が公開されているが、この日の広島広域公園陸上競技場動画では、そのエンディングで通常ならスコア表示のためにインサートされるはずの、スタジアム風景のロングが、わざわざカットされている。アジア各地の他会場のその風景との差は歴然、である。
www.the-afc.com/competitions/afc-champions-league/latest/videos/group-h-kawasaki-frontale-vs-sydney-fc

この素晴らしい一戦を見たいと思った広島市民・県民はもっといた。しかし当日券販売なし。公式発表で入場者数、8,968人。皮肉に聞こえるかもしれないが、サンフレッチェ広島のACL第1戦、広州恒大戦(中国・広州天河体育中心体育場)の入場者数は48,216人。

広島の人間として恥ずかしいし、申し訳ない気持ちになる。

…2002年、日韓共催ワールドカップ。

その開催地を日韓の多数の都市で奪い合っていた最中に「広島ビッグアーチには屋根を架けない」と当時の平岡敬広島市長が発言。これが致命傷となって、1996年12月、「会場から落選」のクリスマスプレゼントが広島市に届けられた。

広島ビッグアーチはエディオンスタジアム広島に名を変え、ACLでは広島広域公園陸上競技場の呼称が使われる。しつこいようだがそこは「陸上競技場」で、今、陸上競技場施設の改良工事の真っ只中という”小ネタ”まで揃っている。

本田圭佑は「ACLのルール」変更を提案しているが、それは広島への配慮もあるのではないか?

いつの時代もスポーツ文化のさらなる振興・発展を目指そうと思えば、ある程度の強制力が必要になる。

2002年の日韓共催のワールドカップでは、屋根架け以外にも大会開催可能なスタジアムには様々な条件が付された。それは大会関運営のため、選手のため、サポーターのため、それぞれの地元の人たちのため、だった。

あれからもうすぐ20年にもなろうかというのに、スタジアムを管轄する広島市はまったくもって学んでいないことになる。

ACLのあるべき姿を追い求めてきたアジアサッカー連盟、AFCでは、2016年度までは「個別席を完備したスタジアムの使用を強く勧告する」としていた。2017年度からは「個別席で、背もたれが30㎝以上あるもの、なおかつそれを5000席以上設置すること」を開催場として義務付けた。

「勧告」されても何のリアクションも起こさなかった広島市は、今回の大会にギリギリで間に合うよう、スタジアムに個別席を一部新設した。それが次の画像だ。

ACL
この画像手前は陸上競技施設の改修中の様子を記録、新設された個別席は紫の部分

また、”こうした事態”を見越して、ひろスポ!では以下も記事もアップしておいた。

青山、稲垣、林を欠くサンフレッチェ広島、ドウグラスの出場も微妙…チェンライ・ユナイテッドも夜間練習、ACLプレーオフ2日前(2019年2月17日掲載)
hirospo.com/pickup/54210.html

 

ACLを2度制した浦和レッズ。その決勝の舞台、埼玉スタジアム2002には、2017年11月18日59,136人、2007年11月14日59,034人の観客が集まった。

本田圭佑はそういうイメージで世界の舞台に立ち、戦ってきたのだから「違和感しか」ないのは当然だ。

サンフレッチェ広島には昨季、タイの至宝と言われるティーラシンが所属していた。

サッカーは野球とは違い、アジアはもとより世界に繋がっている。

ACLへのサンフレッチェ広島の参加は広島にとって大きな誇りであると同時に、広島がどれだけ世界に開かれた街であるか、も試されていることになる。

時代は新聞、ラジオ、テレビ、からインターネット全盛期に入り、SNSがすでに最強メディアになった。月に一度も新聞を手にしない大学生は、四六時中スマホを触っている。

インスタグラムやfacebookで広島の素晴らしさを世界中の人たちが勝手に広めてくれるから、広島市内や宮島の風景はここ数年で大きく様変わりした。早朝の市内中心部、朝イチで、うどんをすすっているのは外国人カップルだったりする。

だが、行政側が意図的に世界の人々を引き寄せた訳ではないので、広島市内でも県内の人気スポットでも、インバウンドの受け入れに態勢について、様々な課題が生じている。

例えば、広島城。広島市民にとっては、あって当然のランドスケープでも外国人観光客にとっては必須スポット!?しかしその周辺には、まともな案内表示がほとんどない。誘導するための配慮はゼロ、と言っていい。

市内観光バス、中国JRバスの「めいぷるーぷ」は見事、ニーズに合致しており、その利用者は年々、増加傾向にある。しかし、各バス亭にはベンチのひとつも置いてないし、雨・風を避けるような配慮もゼロ。地べたに座ってバスを待つのが海外流!?

また、別の機会に詳しく報じるが、今のマツダスタジアム(エディオンスタジアム広島と同じく、マツダスタジアムは広島市民球場なので広島市の”持ち物”)の”システム”では、一般の外国人観光客が、カープ戦をビール片手に観戦することは不可能だ。

国際都市、と自ら謳いながら本末転倒…

ACLの個別席から話がどんどん広がっていくが、市長選なども近いので!

我々は2002年のあの”事件”以来、残念な思いをただ、ただ募らせ、また今回も「違和感」と断じられることに相当の危機感を抱いている。

こうした広島ならではの”受け身体質”を改めない限り、広島に集まってくれる人々や、組織・団体・あるいは国家に対しての真の友好関や、世界平和に向けたより有意義な交流の場は築けない。

世界を広島…

紫に染めろ…

その意気込み、あってこその広島…

「世界の本田」が次回、また広島のピッチに立つようなことがあれば、その時にはどんな”シュート”を放ってくれるだろうか…

ひろスタ!特命取材班

※この記事は福山平成大学「広島スポーツ学」(講師:田辺一球)の講義内容をもとに構成されています。

 

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