広島県北にある「三次きんさいスタジアム」で2年ぶりの公式戦に臨んだ広島が6対2で西武に連勝した。
三次市はこの試合で活躍した永川や梵のほかにも阪神・福原忍、巨人・大田泰示、1月に引退した元日本ハムの二岡智宏ほか、多くのプロ野球選手を輩出している野球どころ。また霧の町としても知られている。
六回に飛び出した丸の決勝スリーランは霞んでよく見えなくなったライトスタンドに飛び込む“演出効果”もあって!?1万2000人を超えるファンは大喜び。「2年ぶりのアーチ」を喜ぶ声があちこちから上がっていた。
実は2年前の相手もオリックスで、スコアも6対1の快勝だった。しかも同じようにスリーランが試合を決めた。打ったのは堂林だった。
堂林はこの試合をきっかけに調子をあげて、そのまま全144試合に出場した。高卒3年目での同記録は広島の球団史上、江藤智(現巨人二軍打撃コーチ)、前田智徳(現プロ野球解説者)に続く3人目の快挙だった。
プロ5年目の今季、堂林は「一番・サード」で打線を引っ張っていたが5月8日のヤクルト戦(神宮)でヒットを放った際に右手薬指を骨折するアクシデントに見舞われた。「プレー再開まで6、7週間」の診断を受け、現在も別メニューで調整中だ。
患部はまだ固定されたままだが「パワーアップして戻れるように」と体幹トレーニングに時間を割き、ノックやティー打撃も再開している。
この日の三次でのチームメートの活躍は、堂林の目にはどのように映ったのか?丸のホームランを呼び込む三塁打を放った木村も、「八番・サード」でスタメン出場して2号ソロをかけたルーキー田中も、互いに切磋琢磨するライバルだ。
堂林は昨年8月にも死球で左手中指を骨折し、チーム初のクライマックスシリーズ出場に帯同することができなかった。
交流戦はもとより、前半戦での復帰も微妙な状況から、どんなプランでグラウンドに戻ってくるか。そして2年前に三次で放ったような「会心の一発」をファンに披露するのはいつになるのか?
8月、23歳の誕生日を迎えるころ、広島の背番号7はその輝きを取り返すことができているだろうか…。