広島と巨人の首位攻防第1戦。昨夜のマツダスタジアムは4時間以上を戦い、8対7で巨人に軍配が上がった。
5年連続で巨人に負けこしてきた広島は、交流戦前までの9試合で5勝4敗と最大のライバルにひとつ勝ち越していた。
一方の巨人は交流戦途中で広島を抜き去り首位に浮上。そしてこの試合に勝てば今季最多の貯金13…。
広島・大瀬良、巨人・菅野の両先発で始まった互いにモチベーション十分の一戦はホームラン5本が飛び交い、広島14安打、巨人15安打の打撃戦へ。そして坂本のスリーランで決着を見たが、この一発は広島にとって文字通り“息の根を止められる”一撃になった可能性がある。
広島は交流戦期間中に9連敗のあと5連勝。さらに交流戦明けのDeNA戦も2勝1敗と勝ち越して巨人3連戦を迎えることになった。
この間、広島の7勝は以下のようなスコアになった。
8-5、6-1、6-2、8-4、7-4、6-0、7-5。
6点以上を奪えば勝率10割。さらに付け加えるなら、チーム6連勝の前に喫した9連敗の時には6点に届いた試合ゼロだった。
そしてこの日も七回に丸のツーランなどで3点を加えて6対5とした時点では勝利濃厚…、のはずが、直後の八回、頼みの中田が坂本にこの日2本目となるオーバーフェンス運ばれて「6点勝ちの6月」は過去のものとなった。
もともと広島は投手力と守り重視の野球を目指すことでしばらくの間、首位を走っていた。しかし、頼みの投手陣に疲れが見え始めると、次第に大量点を奪うことで相手より優位な展開に持ち込もうとするようなスタイルに移行し始めた。
昨夜の8対7のスコアは、アメリカ合衆国第32代大統領、フランクリン・ルーズベルト氏が一番面白いゲームとしたことで知られている。
先ごろ、民放でドラマ化され話題を呼んだルーズベルト・ゲーム。広島は今、巨大戦力の巨人を相手に「甘く危険な香り」のするこの消耗戦の真っただ中へと向かおうとしているのではあるまいか?