広島は巨人との首位攻防戦を1勝1敗で終えた。第3戦先発予定だった前田健太は今夜のヤクルト戦に今季初のスライド登板することになった。
今季の前田はここまで13試合に先発して7勝4敗、防御率2・22。WBCの影響があったにせよ昨年が15勝7敗、防御率2・10だから今の数字は決して悪くない。
ただ、“注文”もある。
広島は一昨日、巨人に4対3で競り勝ったが、僅少差の4点ゲームになったのは先発した九里が五回まで無失点の好投を演じたことが大きい。
実はこの“僅少差の4点ゲーム”こそ広島の“あるべき姿”と考えた方がいい。
開幕ダッシュに成功し首位に浮上した3・4月、広島は13勝のうち8勝までをこの“僅少差の4点ゲーム”で稼いでいた。
ところが5月にはそれが12試合中3試合に減少し交流戦で9連敗も記録した6月はたった1試合。しかもこの4試合に先発した顔ぶれは篠田、九里、バリントン(2試合)の3人で前田の姿がどこにもない。
ちなみに3・4月の8勝の内訳はやはり前田が最多の3試合、大瀬良が2試合、篠田とバリントンと野村祐輔が1試合ずつ。
連戦の続く夏本番の苦しい時期に、エースがどれだけ4点勝負の試合を作れるか?
もうそろそろ「6点取ったら勝てるはず」の必勝パターン?とはおさらばする時期に来ている。