広島のローテの谷間を埋めることが期待された今井だがソフトバンクとの二軍戦で打ち込まれた
1991年以来、24年ぶりの優勝を目指す広島が先発ローテーション再編で後手に回り、危機的状況を迎えようとしている。
開幕からローテを担う4本柱、前田健太(8勝7敗)、ジョンソン(8勝5敗)、黒田(7勝4敗)、福井(6勝3敗)は”健在”だが、残りの2本のうち大瀬良は交流戦途中から「ストッパー大地」に転身、残る野村祐輔は結果を出せずに二軍調整中だ。
そこで首脳陣は昨夜、2年ぶり一軍先発となる左腕の中村恭平を試したが、阪神打線にあえなくつかまり「課題を言い渡してもう一度、二軍で…」と緒方監督。
また昨日のウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦(雁の巣)では同じくローテーション投手として二軍再調整のはずの今井が5回打者35人と対し、6本塁打を浴びて16失点(ともにリーグワースト記録)というにわかに信じがたい乱調ぶりで一軍復帰を遠いものにした。
今井の投球内容は次のとおり。
球数128
被安打17
被本塁打6(リーグワースト記録)
失点と自責点16(同上)
奪三振2
与四球2
・初回に打者8人、4安打に四球絡みで2失点
・三回は先頭の四番カニザレスに11号ソロを許すと二番上林に6号満塁弾を浴びるなど計6失点
・四回はカニザレスに2打席連続のソロ
・五回は四球絡みで三番の江川に4号満塁弾、続くカニザレスに3打席連続の13号ソロ、さらに七番細山田に1号2ラン
6連戦が続く8月戦線ではローテーションのやりくりが混セ生き残りのカギとなる。広島は今夜の阪神戦にもプロ4度目の先発となるルーキー薮田を抜擢するなど試行錯誤を続けているが、残り50試合を切りもう「錯誤」している余裕はない。
”4本柱”で仮に1つ、2つと勝ち越しても残り2戦で苦戦が続けばいつまでたってもチームは3月末以降、一度も届いていない勝率5割には到達しない。
実際、球宴明けにあった借金4は昨夜の1敗でひとつ増えて5となり、首位巨人とのゲーム差も後半最大タイの5に広がった。
残る広島の”持ち駒”は現在、ロングリリーフもこなす左腕の戸田や昨年、先発経験のあるヒースぐらい。しかし繰り返しになるがもう試行錯誤する余裕はない。そうなると”4本柱”で「3勝1敗がノルマ」という”直球勝負”しか選択肢はなくなるのだが…。