「絶対勝つぞカープ」の熱い声援、届かず…
広島が143戦目の中日戦に0-3の完敗を喫して3万2024人のファンの目前で「勝てば行ける」クライマックスシリーズを逃した。
黒田と新井貴浩がチームに復帰して、エースの前田健太も8月以降7勝1敗の成績でチームを牽引したが最後の最後で”予想通り”の落とし穴が待っていた。
先発の前田健太は7回無失点の力投。しかし二番手の大瀬良が八回、中日打線につかまり、さらに救援した中崎も投手の若松に適時打され致命的な3点を奪われた。
ひろスポ!では何度も繰り返し報じてきたが「3点取られたら終わり」の戦いを8月半ばから続けてきて、そのまま勝率5割確保にCS出場がついてくるほど甘くはなかった。
中日は山本昌を先発させ1打者限定登板させたあと、3年連続二桁勝利の大野を六回まで引っ張り、七回からの3イニングを二けた勝利のかかる若松に繋ぐ”熟考”の投手リレー。
その谷繁采配の前に広島打線は初回の新井貴浩のヒット1本だけ。二回以降、出塁したのは四球の走者二人だけ、という惨憺たる結果に終わった。
広島打線の極端な得点力不足の原因として、ひろスポ!では早い段階から「一番、二番の変更」など頻繁な打線の組み替えにある、としてきた。
中でも一番問題視すべきは三番、五番の流動化。特に五番の流動化が顕著で今夜、五番に入った鈴木誠也も3のゼロに終わった。
ちなみに今季五番を打った選手は…
松山、岩本、會澤、天谷、田中、ロサリオ、シアーホルツ、グスマン、エルドレッド、鈴木誠也、新井貴浩、梵、小窪、下水流。
緒方監督は六番にも堂林を起用したが堂林は今季、大野とは初対戦。いきなり打てるほど簡単な左腕ではないことは明らかで、堂林も大野の前に三振、右飛のあと、同じく登板が十分に予想された若松との対戦では見逃し三振だった。
大野に関して言えば、右打者の被打率が・219で左のそれは・248。左打者によく打たれている。
広島はチャンスに強い松山を右投手先発の際には五番に据えていたが、今夜は八回、無走者の場面で代打に起用されてけっきょく不発だった。
これも以前にひろスポ!では取り上げたが、昨季の広島は打線を”いじり過ぎた”結果、クライマックスシリーズ、ファーストステージの阪神戦2戦合計21イニングゼロ行進のままシーズンを終えている。
昨年は野村前監督を補佐する立場で野手総合コーチとしてベンチにいた緒方監督とすれば、1年越しのリベンジのチャンスでまた同じ轍を踏んだことになる。
なお、広島は69勝71敗3分けで70勝71敗2分けの3位阪神に半歩及ばなかったが総得点506、総失点474の得失点差プラス32は阪神の得失点差マイナス85を遥かにしのぐ。
前田健太、黒田、ジョンソンら豪華投手陣を揃えながらもBクラスに終わった要因がベンチワークの拙さにあることは数字の上からも明らかで、試合後に涙の止まらなかった大瀬良に前田健太が懸命に声をかけている姿がファンの目にはよけいに辛く映ったことだろう。
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