広島の栗原健太内野手が自由契約の道を選んだ。球団側との話合いを重ねた結果、新天地に活躍の場を求めざるを得ない状況となっていた。
同じ10月8日、球団からは東出輝裕内野手の引退が発表された。東出は1998年のドラフト1位でプロ17年目。2013年2月のキャンプ中に左膝に重症を負い、以後一軍出場はゼロで今季はコーチ兼任となっていた。来季、コーチに就任する模様。
栗原は1999年のドラフト3位。2008年オフに右肘の手術をして以降、打撃感覚に狂いを生じ、2013年4月30日の阪神戦(甲子園)で代打出場したのを最後に、ずっと二軍で調整を続けてきた。
似たような状況にありながら両者は対照的な道を進むことになった。チームへの貢献度はともに”特A級”、と関係者は口を揃える。一方でカープファンの人気度では、気軽にサインなどに応じる栗原の方が上だ。
栗原は今回の決断にあたり周囲の人たちや親しい関係者から「体さえよければ十分にやれる、また一軍の舞台に立って欲しい」という声にも後押しされた、と話す。
今季の成績は二軍で30試合に出場。45打席に立ち放ったヒットはわずかに5本でそのうち1本はホームラン、という結果に終わったが「右肘の感覚は確実に戻ってきている」と自信を見せる。
通算153本塁打の実績と3年近い空白期間。来年1月には34歳になる栗原が赤いヘルメットに別れを告げ、「新球場第1号ホームラン」も放った愛着のあるマツダスタジアムにもう一度、戻ってくるために18歳の時から「お世話になった」広島を後にする。