前日(5月16日)にはマツダスタジアム、ビジターパフォーマンスの一部エリアでの応援となったベイスターズファンはビジパフォ全体で応援を繰り広げた
首位を行くDeNAはマツダスタジアムでの3連勝目指し九回二死一、二塁、フルカウントまで攻め込んだがあと1本が出ずトータルでの連勝が5でストップした。
DeNAの連勝中のスコアは5月10日巨人戦4-2、13、14日の中日戦6-3、4-3、そしてマツダスタジアムで6-5、2-1。
3試合連続の1点差勝ちでこの日も2点ビハインドの七回、広島二番手のザガースキーから石川が適時打を放ち1点差に詰め寄っていた。
DeNAの”不気味な追撃”を受ける広島ベンチは、おそらく生きた心地はしなかっただろう。もしこの試合を落とせば首位とのゲーム差は9となり、リーグ優勝の夢は交流戦前の時点で”ミラクル”なしにはなしえない状況となるからだ。
それにもかかわらず九回、4人目の中崎がマウンドに上がると、にわかに信じがたい現象が立て続けに起こり、広島バッテリーは一気に窮地に追い込まれる。
先頭の倉本はセカンド菊池右へのゴロ。驚異的な守備範囲の広さを誇る菊池は追いついたものの、微妙なアジャストがズレたのかやや行き過ぎた感じになって内野安打。
送りバントで一死二塁となり、代打・荒波。中崎の快速球がそのバットをへし折ったが、完全に死んだ打球は引き寄せられるように三塁線に転がり、サードの梵らが見つめる中、ライン手前で何かの力が働いたかのようにラインのところでピタリと止まったのである。
まともなヒットなしで一死一、三塁の大ピンチ。この3連戦ではベイスターズファンの大声援によってDeNAに追い風が吹いていたのは確かだが、まさか最後の最後でもこんなオチが待っていようとは…。
だが、中崎、會澤の若いバッテリーにはそんな怪奇現象!?にも負けないタフさがあった。二人の気持ちがひとつになって導き出した答えは、真っ向勝負…。
一番に戻って石川にはストレート系5球、二番の関根にもストレート系6球、2度あった難しいショートバウンドも會澤がしっかりと止めて2者連続の空振り三振でゲームセット!
バットに当てられてフェアグラウンドに打球が飛べば、ファンの記憶にも新しいサヨナラ・インフィールフライなど、なんでも起こりそうなマツダスタジアム。ゆえにこれ以上ない締め方で逃げ切った広島は、すでに1点差負け6試合のDeNAから初の1点差勝ちをもぎ取ったのである。