気さくな人柄でも知られる大野豊氏。画像は広島市出身の為末大さんと旧広島市民球場跡地で開催された子どもたちのイベントに参加した時のもの
金本阪神の誕生がカウントダウンに入った。そして今度はカープOBで「栄光の左腕」として広島でも絶大な人気を誇るカープOB、大野豊さんの阪神入閣が検討されていることが報じられた。
予想どおり…、である。
ひろスポ!では10月11日に次の記事を報じた。
”金本”阪神誕生なら、ますます負けられない広島・緒方監督、ともに故・三村敏之氏の門下生
この記事の最後の段落2つはこうなっている…。
「仮に阪神・金本監督が誕生したとするならば、おそらくそうそうたる顔ぶれがその周囲を固めるだろう。」
「そして金本阪神は、古巣広島を全力で叩きにかかってくる。受けて立つ緒方監督は、まずはファンの大ブーイングに抗うだけの、確固たる野球スタイルの構築からリ・スタートする姿勢が求められている。」
ひろスポ!は新井貴浩、黒田博樹の同時復帰を新井貴浩の阪神退団決定時に報じ、カープの優勝消滅を「優勝確率は限りなく0パーセント」の表現で5月早々に伝えてきた。
今回もおそらく「当たり」だろう。金本知憲氏が阪神を率いるとなれば古巣を全力で叩きにくる。全力でぶつかってこそプロフェッシナル。それが何よりの恩返し、でもある。
ただ、大野氏が阪神ベンチにいるとするなら、緒方カープはこれほどやりづらいことはない。
野村前監督の1年目にヘッド&投手コーチに就任。3シーズンに渡ってチームを中から見たあとはNHKプロ野球解説者の立場でチームを俯瞰的にとらえ、そのすべてを知り尽くしていると言っていい。
しかも大野氏は昨秋の阪神キャンプで臨時コーチを務めている。当時は「なぜ大野さんが阪神?」という声もあったが、阪神球団としては着々と布石を打ってきた、とも考えられる。
広島ではすでに似たようなケース?が存在する。
サンフレッチェ広島だ。
2006年から6シーズン、サンフレッチェ広島を指揮したペトロヴィッチ監督は2012年より浦和レッズ監督となった。
その間にGK西川、DF槙野や森脇、FW李忠成や石原らサンフレッチェ広島在籍時の貴重な人材を相次いで補強した。サポーターからは「サンフレッズ」と揶揄されたが、おかげでチーム力は充実し、今季第1ステージでJ1優勝を成し遂げた。
だた、この話の「すっゴイ」とこころは引き抜かれた側のサンフレッチェ広島も凄味が増している点にある。
引き抜かれても引き抜かれてもサンフレッチェ広島は新たな人材が台頭してくる。
今週土曜日、ホームで川崎フロンターレ戦を迎えるサンフレッチェ広島はこの大一番を乗り切れば第2スーテジ優勝が見えてくる。
しかも年間総合順位でも首位の浦和レッズを勝ち点3差の2位でサンフレッチェ広島が追撃している。
サンフレッチェ広島が強さを維持できる”秘訣”は…ない。ただ愚直にペトロヴィッチ監督のあとを引き継いだ森保監督が毎試合「できる限りの準備をして」ピッチに送り出している”だけ”である。
仮に阪神がカープ化しても緒方カープが阪神と優勝を争えばファンにとってはこれ以上の盛り上がりはない。
しかし、阪神の後塵を拝するようであれば「支持率」は0パーセントのさらに下?を行くことになる。