飛翔会グループ ケアウイング曙トレーニングセンターで、フィジカルコーチを担当している高橋大輔です。
身近なトレーニングやパフォーマンス向上のためのトレーニング、健康の維持増進のための手軽な動きや正しいトレーニング知識などについて、タイムリーな話題にも触れながら紹介させていただきます。よろしくお願いいたします。
私が手にしているのは、みなさんのトレーニングやストレッチに欠かせない簡易のストップウォッチです。100円ショップでも手に入ります。ぜひ、おひとつご用意ください。
今回、お話するTRXは、みなさんに最適のトレーニングを提供します
それでは記念すべき第1回。今回は、こちらのトレーニングアイテムをご用意しました。おそらく初めて目にされる方のほうが多いのではないかと思います。
この大きな吊革のような用具は、「TRXサスペンショントレーナー」と言います。
TRXは、2004年にアメリカ海軍特殊部隊[Navy SEALs]の元指揮官であったランディ・ヘトリックにより開発されたトレーニングシステムです。
2005年にTRX社がこの用具を使ったトレーニング方法を発表して以来、世界中のトレーナー、アスリート、フィットネスクラブ、軍関連施設、スポーツパフォーマンス関連産業などから大変な注目を集め、瞬く間に世界各地に広がっていきました。
現在TRXは、NBAやMLBなどのアメリカ4大スポーツはもちろん、ACミランやリバプールFCなどヨーロッパのプロサッカーチーム、プロラグビーチーム、また世界中のフィットネスクラブで普及しています。
日本国内でも、プロおよび大学スポーツ界が積極的に導入しています。従来のマシントレーニングに比べて安価で手軽であること、また同時に複数のメンバーでトレーニングできることなどが人気の理由です。
広島県内でも福山平成大学、広島修道大学、広島経済大学サッカー部などがすでに導入済みです。
サスペンショントレーナーを使ったトレーニング
それではこのサスペンショントレーナーをどう使うのかを今からお見せしましょう。
この吊革を固定する設置用の器具(S-フレーム、下の画像参照)がある場合はしっかりと固定します。
専門の設置用器具がなくても、例えば屋外のしっかりした木の枝に固定するだけでOKです。
もともとは特殊部隊が場所を選ばずトレーニングすることを目的に考えられた用具ですから、自宅でもどこでもちょっとしたスペースさえあれば、トレーニングを始めることができます。
持ち運びも簡単。公園にある鉄棒、ジャングルジムなど「固定」できるところさえあれば即レーニング開始!です(笑)
ご覧いただいてわかるように、このトレーニングでは自分の体重を「負荷」として利用します。筋力の強さ、バランス、柔軟性、そして大切な「コアの安定性」を同時に促進させるために、TRX社が独自に開発した「自重エクササイズ・メソッド」、それが「TRXサスペンショントレーニング」です。
自分の姿勢や身体の位置を変えることで、「負荷」の微妙な増減が可能になります。重りだと1キロ、2キロ…となってしまいますが、このトレーニングは「負荷は自由自在」ということになります。
サスペンショントレーナーを結びつけている部分を「アンカー」と呼びます。「アンカー」から離れたり近づいたりすることで当然「負荷」は変化します。
このように頭と床の位置を近づければ、両腕にかかる負荷はより大きくなります。
また、かかとを支点にして身体全体のバランスを保とうと思えば、お腹と背中の様々な筋肉をさらに使うことになります。
この状態から上腕を屈伸させて上半身を上げ下げする動きを繰り返す場合、年配の方や女性であればもっと立位に近い状態から始めるといいでしょう。「負荷は自由自在」ですからリハビリトレーニングへの活用にも最適です。
TRXは筋力、柔軟性、持久力など、あらゆるトレーニングに対応
とにかく「これ1本」あれば、筋力、柔軟性、持久力と、どんなトレーニングも可能になります。同じような動きを行う場合でも、両足を床につけるのか、片足なのか、足を広げて「規定面」を広くとるのか、狭めるのか、足を左右に広げるのか、前後に広げるのか…、そうしたポジションの違いによって負荷もどんどん変化していきます。
仮に「ダンベル」である動きを10回やろうという場合に、8回目からきつくなってくるとフォームを崩しながら続けることにもなりかねません。しかし、「自重」を使ったトレーニングであれば、姿勢の微調整などによって負荷を下げ、正確なフォームで10回行うことができます。「無理」をせずにトレーニングを続ける。これが一番大切です。
プロやアスリート、一般成人、男女を問わずに「これ1本」でOK!その理由をお分かりいただけたかと思います。もう少し実際の動きを見ていきましょう。
こちらは「TRXチェストプレス」(腕立て伏せ)です。この姿勢なら楽に回数をこなせ、女性や高齢者など筋力に自信のない方でも安全に無理なく行えます。
身体が床に対して平行に近づくほど負荷が強くなりますのでこれだと、実は僕でもけっこうきつかったりします…。
次に負荷を抑えた動きの例をお見せします。この姿勢であれば「バランス重視」になります。
立位姿勢に近づくことで筋力的な負荷は軽くなりますが、片足で行うことで指示基底面が狭まり、バランス能力へのチャレンジになります。
今、私が担当している70歳の男性の方は、「TRXサスペンショントレーニング」を普通にこなしていらっしゃいます。年齢、性別を問わず、一般の方からアスリートまで、様々なニーズに合わせたトレーニングを行えるのが、「TRXサスペンショントレーニング」なのです。
なお、当フロアに設置されたこの「設置用器具」を使えば、片側6人、両サイドで一度に12人の方がトレーニングすることができます。
TRXで予防エクササイズも
ケアウイング曙では、高齢者の方向けのグループエクササイズプログラムの中に「TRXサスペンショントレーニング」を取り入れ、予防エクササイズやリハビリエクササイズとしても活用しています。
これまでにお話してきたことを一言でまとめるなら、「最低の出費で最高のリターン」が期待できる、ということになります。
数百種類のエクササイズがもたらす効果は多岐にわたります。腰痛や肩こりの解消、姿勢矯正からアスリートの強化トレーニングまで、あらゆるフィットネスレベルにわずか900グラムの用具で対応でき、吊るす場所があれば即トレーニングを始めることができます。
興味のある方は、ケアウイング曙に見学に来ていただければ、スタッフが詳しくご案内します。
スポーツ団体関係者や学校関係者でもっと詳しく聞いてみたいという方がいらっしゃいましたら、下記までお電話かメールでお問い合わせください。
ケアウイング曙 トレーニングセンター 担当:高橋
電話番号 082-568-6102
メールアドレス takahashi-sm@hishokai.or.jp
また、購入をご検討の方は、下記までお電話かメールでお問い合わせください。
株式会社ケアウイング物販事業部 担当:坂本
電話番号 082-261-2822
メールアドレス sakamoto-bp@hishokai.or.jp
ケアウイング曙
〒732-0045 広島市東区曙5丁目3-31
LORDS・RIVER2・3F
それではみなさん、次回まで元気にお過ごしください!
次回は冒頭でご紹介したストップウォッチを使いながらの「ストレッチ」についてお話する予定です。
TRXとは?
アメリカ海軍特殊部隊[Navy SEALs]の元指揮官、ランディ・へトリック氏により2004年にカリフォルニア州サンフランシスコで設立された。世界中のトレーナー、アスリート、軍関係者、フィットネスクラブ、エクササイズ愛好家を対象に、TRXサスペンショントレーニング製品、プログラムの普及、販売を行う。同社が独自に開発した「自重」を負荷に使うトレーニング・メソッドでは筋力の強さ、バランス、柔軟性、コアの安定性を同時に促進できる。2011年に日本法人設立。