広島のサッカースタジアム問題は、3月29日に広島市役所から広島県、広島市、広島商工会議所の連名で…
共同コメント(広島県知事、広島市長、広島商工会議所会頭)(サッカースタジアムの検討に係る3者会談の延期について)
…が発表されて以来、事実上ストップした。
不思議なことではある。以後、中国新聞紙面には、ほとんどスタジアム関連記事が掲載されなくなった。本来、「共同コメント」は関係ないはずだ。どんどん取材班で続報を読者に届けるべき立場だ。
事実、東京発のネット媒体ほかでは、頻繁に広島のサッカースタジアム問題が取り上げられている。また3者会談側が積極的にサンフレッチェ広島にアプローチするのが本来の姿だが、そのような動きもないようだ。
そんな中、サンフレッチェ広島サイドでは、やるべきことを着々と消化している。広島の未来を左右するスタジアム問題は、自分たちの新たな舞台へのアクションとも重なるから当然といえば当然だが…
サンフレッチェ広島は4月15日、
サッカースタジアムの収容人数基準に関する
日本サッカー協会からの回答書について
…という文書をリリースした。
3者会談やその実動組織の作業部会は、サンフレッチェ広島・久保允誉会長のスタジアムプランで示されたスタジアムの収容人員2万5000人という数字に対して、ことあるごとに疑問を呈してきた。3者会談側が想定するスタジアムは3万人規模。その差5000人にどれほどの意味があり、また問題点があるのかどうか?を、公益財団法人日本サッカー協会に問い合わせることにより、改めて関係者、市民・県民・サポーターに示したかっこうだ。
以下、サンフレッチェ広島のリリースをそのまま掲載する。
こうした「作業」を積み重ねていくことで、今後は3者会談側、およびその作業部会が積み上げた数字との差や、実際のニーズとの整合性の有無などがどんどん顕著になっていくものと予想される。
そして久保允誉会長の示したHiroshima Peace Memorial Stadium(仮)案の方が、明らかに安価で、しかも建設費についての裏付けも明瞭でより実現性の高いものと認識されるようになるのではないだろうか。
広島新サッカースタジアム取材班
サッカースタジアムの収容人数基準に関する
日本サッカー協会からの回答書について
============================== SANFRECCE HIROSHIMA F.C
広島市におけるサッカースタジアム建設に関して、県/市/商工会議所で作る作業部会は、
国際大会誘致の優位性から収容人数30,000人規模のサッカースタジアムが必要であるとの認識のもと、広島みなと公園と旧広島市民球場跡地に建設した場合の比較を行われ、
旧広島市民球場跡地ではスタジアム建設費用(160億円)に加え、巨額な掘込み費用(99.4億円)がかかるため、整備費用の総額は260億円に上ると見積もられています。
一方、株式会社サンフレッチェ広島(以下、当社)の提案する「Hiroshima Peace Memorial Stadium(仮)」は収容人数を25,000人とし、掘込みも不要になることから、整備費用は総額で140億円としております。
そもそも公益財団法人日本サッカー協会(以下、JFA)が定めたスタジアム標準においては、40,000人以上を「クラスS」、20,000人~40,000人を「クラス1」とカテゴライズしており、収用人数の同一カテゴリーの中での人数差には優劣の差は存在せず、むしろ、同一カテゴリー下では、収容人数の多寡よりも、交通アクセスやプレス施設、ホスピタリティゾーン等の立地面や設備面、および運営の巧拙が重視される傾向にあると当社は認識し、また、これまでも主張してまいりました。
先般、当社の認識と主張の正当性を確認することを目的に、「サッカースタジアム基準に関する確認書」(以下、質問書)をJFAに提出し、「国際試合を開催又は誘致する場合に、収容人数25,000人と30,000人の間に優劣が存在するか」に関する問い合わせを行ったところ、先般JFAより正式に回答書をいただきました。そのポイントは下記のとおりです。
・収容人数25,000人と同30,000人は、そのどちらもJFAのスタジアム基準でいうクラス1(20,000人~40,000人)に属しているので、なでしこジャパン、オリンピック、ユース年代などの日本代表、AFC主催の国際的な競技会を開催又は誘致することは可能と判断する。
・スタジアムの立地条件としては、都市の中心部にあり、公共交通機関や主要幹線道路、
高速道路からアクセスができ、試合日以外にも利用できる駐車場があることが理想である。
・特に国際的な競技会を誘致するには、ホテルや商業地区が近接し、国際空港からアクセスができなければならない。
上記の通りの回答をいただき、これは当社の提案する「Hiroshima Peace Memorial Stadium(仮)」の企画意図と合致するものと考えます。
この回答書を受け、当社といたしましては、「Hiroshima Peace Memorial Stadium(仮)」の実現に向けて邁進してまいります。今後とも、関係各位の更なるご理解とご協力の程お願いいたします。
当社の質問書はこちらをご確認ください。⇒ www.sanfrecce.co.jp/news/release/kakuninsyo.pdf
JFAからの回答書はこちらをご確認ください。⇒ www.sanfrecce.co.jp/news/release/kaitousyo.pdf