なでしこリーグ2部・アンジュヴィオレ広島の中心選手、葛馬史奈が前線を駆ける
サンフレッチェ広島の背番号10、浅野拓磨が7月17日、ホームでの横浜F・マリノス戦のあとのセレモニーでサポーターに別れを告げ、アーセナルのメディカルチェックを受けるため翌18日、英国へ向け出発した。
同じ18日、同じ紫のユニホームの背番号10、葛馬史奈の移籍も明らかになった。
移籍先は同じくなでしこリーグ2部のASハリマアルビオン。アンジュヴィオレ広島と同じくまだ新しい女子サッカークラブだが、現在、中断している2016プレナスなでしこリーグ2部では4勝2分け6敗の勝ち点14で10チーム中7位。出遅れが響いたアンジュヴィオレ広島は1勝分け9敗の勝ち点5で最下位に沈んでいる。
なでしこリーグ2部は現在、年間順位とは無関係のカップ戦が行われており、この日も広島市西区のコカ・コーラウエスト広島スタジアムでアンジュヴィオレ広島はセレッソ大阪堺レディースと対戦して0-2で完敗、5チームで争うグループBで0勝1分け4敗とここでも最下位となっている。
なお、なでしこリーグ2部で10位のチームとチャレンジリーグ1位のチームは自動入れ替え、なでしこリーグ2部で9位チームとチャレンジリーグ2位のチームはホーム&アウェイ方式による入替戦を行う。
カップ戦では当初から葛馬らリーグ戦の主力メンバーを外して多くの選手に経験を積ませる策がとられていた。そんな中、メンバーの中に移籍を模索するような状況が生まれた可能性もある。また今回のように他クラブからオファーが来たケースもある。
葛馬は広島市出身。サッカーの名門、静岡県の藤枝順心高校で活躍したあと、地元に生まれたばかりのアンジュヴィオレ広島のメンバーに加わった。
攻撃力にも守備力にも優れ、チームで様々なポジションをこなすのがその持ち味。昨年11月にはU-23日本代表合宿にも呼ばれた。五輪出場を逃したなでしこジャパンは高倉麻子監督の下で新チームのメンバー構成を模索中で、実際、スタッフがなでしこ2部の試合会場にも足繁く通っている。もちろん、コカ・コーラウエスト広島にもやって来た。
22歳の葛馬史奈は、2019年のFIFA女子ワールドカップとちょうど重なる年代でもある。
「広島で、このチームでみなさんにお世話になって、感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。新しい環境でさらに自分が揉まれることで、日本代表も含めて挑戦を続けていきたいと思います」と葛馬。
近日中に兵庫県姫路市に活躍の拠点を移す葛馬だが、今後の動向が注目される。
チームメートと表彰式に出席した葛馬(右)左は武田裕季キャプテン