熊本ヴォルターズ戦直前、厳しい表情を見せるダニエル・ディロン、この2連戦の最後のシュートを決めたのは 熊本ヴォルターズの古野拓巳、その前がダニエル・ディロンだった(トップ画像説明)
B.LEAGUE B2史上最多となる4899人がスタンドを埋めた熊本県立総合体育館で、おそらくB2史上最大の激戦が繰り広げられた。
こうなることは、この2連戦の始まる前から十分に予想できた。そして、勝ったのは広島ドラゴンフライズ…。
残り2秒で逆転を狙った熊本ヴォルターズ古野拓巳のシュートをコナー・ラマートがブロックした。
スコアは73-72。この2連戦、1勝1敗と押し返した広島ドラゴンフライズは通算44勝14敗、一方、一日で2位から3位に逆戻りした 熊本ヴォルターズは43勝15敗。
互いにレギュラーシーズン残りは2試合。広島ドラゴンフライズにはプレーオフマジック2が点灯した。広島ドラゴンフライズが残り2勝なら相手が2勝してもB1昇格へのプレーオフに進むのは広島ドラゴンフライズ。熊本ヴォルターズが負けるたびにマジックは1つずつ減っていく。
ただ、まだ広島ドラゴンフライズは何もつかんではいない。
最終節は5月6日、7日。広島ドラゴンフライズはホームに愛媛オレンジバイキングス を迎える。熊本ヴォルターズは敵地に乗り込み香川ファイブアローズと戦う。ともにここまで5勝1敗と優位な立場にはいるが、負けることもある…。
本当に最後まで何が起こるかわからない。
互いにいろいろなものを背負って臨んだ、この日のゲームもそうだ。だが、明らかに ”流れ”は熊本ヴォルターズ。広島ドラゴンフライズは崖っぷちに追い込まれていた。
前日の負け方が悪すぎた。勝っていた試合をあっさりとひっくり返された。せっかく積み上げてきた自信は音を立てて揺らぎ始めていた。
第1クォーター。やはり 熊本ヴォルターズが先にペースをつかんだ。15-22で第2クォーターへ。
熊本ヴォルターズはここから素晴らしい集中力を保ちながらディフェンスを固めてきた。3分45秒が経過して7点のビハインドは変わらず。だが、ここからアジーズ・エンダイのジャンプショット、フリースローで4点差にすると、朝山正悟の3Pで1点差。さらに残り3分49秒で朝山正悟がフリースローを決めて29-29。その後は互角の展開となり残り2秒で古野拓巳がジャンプショット…。これが決まって37-39で前半を終了。1本のシュートの重みがひしひしと伝わってくる接戦になった。。
前日、完全に熊本ペースになった第3クォーター開始早々、 司令塔・鵤誠司が躍動、39-39としたあと、41-39、43-41、44-41と次々にポイントを重ねていった。前日に続き3Pを積極的に打つ田中成也の活躍も光り、59-53のスコアで第4クォーターへ。
しかし一時9点あったリードは、残り1分25秒でわずか1点になり、残り1分4秒で69-69…。残り1分でコナー・ラマートがフリースロー2本を沈めて71-69、さらに残り24秒でダニエル・ディロンが得意のドライブから決めて73-69。しかし残り17秒で、ここでも古野拓巳が3Pで応戦…すさまじい意地と意地のぶつかり合い、最後に勝敗を分けたのは…
その答えはこの日、アリーナに立ったひとり、ひとりの心の中に…。
B.LEAGUE B2 第29節
広島ドラゴンフライズ73-72熊本ヴォルターズ
1Q:15-22
2Q:22-17
3Q:22-14
4Q:14-19)
今シーズン成績:44勝14敗
会場:熊本県立総合体育館
入場者数:4899人
【スターター】
広島:#2朝山正悟、#5山田大治、#18鵤誠司、#21コナー・ラマート、#24田中成也
熊本:#1中西良太、#2古野拓巳、#7小林慎太郎、#9神原裕司、#20ジョエル・ジェームス
【主なスタッツ】
広島ドラゴンフライズ
◆得点
#24田中成也15点
#18鵤誠司13点
#21コナー・ラマート13点
#2朝山正悟10点
◆リバウンド
#0アジーズ・エンダイ8リバウンド
#21コナー・ラマート 7リバウンド
#5山田大治6リバウンド
#18鵤誠司6リバウンド
#24田中成也5リバウンド
熊本ヴォルターズ
◆得点
#2古野拓巳22点
#1中西良太12点
#9神原裕司12点
#20ジョエル・ジェームス11点
#43ポール・ビュートラック10点
◆リバウンド
#2古野拓巳10リバウンド
#20ジョエル・ジェームス10リバウンド
広島ドラゴンフライズ・ 佐古賢一HC
今日も第1Q気持ちののった良い形で入れたが、途中熊本のいいショットからリズムが崩れてしまった。そこから終始追う展開でリバウンドから良いリズムをつくることができ、前半を2点差で折り返すことができたのが良かった。
昨日から今日にかけてオフェンスのシステムを少し変えた。頭で考えすぎてプレイしてアウトサイドが5連続続くような形も見られた。それでもお互いにこれだけ緊迫した中で集中力が高まった状態で良い3Pを決めあったと思う。
特に熊本#2古野選手の最後の3Pは気持ちで入れられたように思う。今日は最初から最後まで集中が途切れないプレーオフのようなゲームができ、たまたま運の良い貯金があった広島が勝ったようなゲームだった。なんとか首の皮一枚つながったので、来週しっかりと戦って、プレーオフに進出したい。
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