2013年1月、早期スタジアム建設へ向け、県サッカー協会・サンフレッチェ広島後援会・サンフレッチェ広島の3者から広島市は369,638件の署名簿を受け取った。それから4年半。スタジアム建設はしないこともあるのか?と聞かれて「可能性のレベルで言えば、なくはないかということかと思います」と答えるスタジアム調査担当、北山課長(トップ画像は2017年9月6日、広島市都市活性化対策特別委員会より)
広島市の都市活性化対策特別委員会が9月6日、市議会議会棟であった。
議題は、旧広島市民球場跡地、広島西飛行場跡地の活用、サッカースタジアムの建設、比治山公園「平和の丘」構想の取り組みの4つなど。
その中でサッカースタジアムの建設について委員からの質問が広島市担当者に次々に投げかけられた。
その中では次のようなやりとりもあった。
山路英男委員(自由民主党・東区)
「みなと公園でも反対があり、中央公園でも反対があり、そもそもサッカースタジアムは絶対、作るという考えでいいのですか?」
スタジアム調査担当課長・北山
「サッカースタジアムにつきましては、実はあのう、基町のみなさんへの回答の1ページにもちょっとサッカースタジアムの必要性を書かせていただいてはおるんですけど、その、やはりあの、地元のプロスポーツが活躍することはみんなに勇気を与えるということ、あるいはカープにつてもマツダスタジアムを起爆剤に非常に街づくりも進みみんな元気が出たというようなことがございます。サンフレッチェについても近年、3回ほど優勝しているので非常に市民に勇気を与える役割を担っていただいているということがございます」
「サッカースタジアムそのものがもしできましたら、作ることができましたら新たなシンボルとして集客力を高めるような、広域的な集客力ですね。で、広島市、ひいては県の活性化、全体の活性化に繋がるものであると考えておりますので、県、商工会議所と一体となって今、検討を進めておるということでございます」
山路英男委員(東区)
「じゃあ、基町の町内会がもう大反対する、みなと公園も大反対したと。作るところがないよ、ということになれば最終的には作らない選択肢も残っているということですか?
スタジアム調査担当課長・北山
「えーと、選択肢とは言えないと思うのですけど、あの、基本的には今基町の方に理解を求めて、3候補地を比較していきたいという状況ですが、可能性のレベル、今作りたいということでやってます、可能性のレベルで言えば、なくはないかということかと思います」
この時、会場から失笑が漏れた。
スタジアム調査担当課長の総花的な答弁からは、何ら強い意思も意欲も伝わってはこないが、その最後に「可能性のレベルで言えば、なくはないかということかと思います」のひとこと。
要するにサッカースタジアム建設早期実現へ向け、この春、新たに設置された「スタジアム調査担当」はその程度でしかない。
そもそも未だに「調査」を強調する業務をその部署に謳うこと自体、お話にならない状況であることの裏返しである。
各委員からは…
・基町のあすを考える会の報告がありますが、この会の「反対の立場は変わらない」という意見について、どのように受けとめているか?
・基町との話合いはどんな雰囲気だったのか?
・基町側とのスケジュールは?
・年々のスタジアム運営費、年間収益、支出に関して市はどういう考えか?
・答弁を聞く中でわからなくなった、交渉事です、キャッチボールの球は今、誰が持っているんですか?
・どういうわけか分からないが旧広島市民球場跡地とみなと公園の話が中央公園に飛び火した。いつになったら決まるんですか?事業主体もわからない。基町住民がOK言わないと事業主体、運営主体も決まらないのですか?
…などの質問が広島市にぶつけられた。
ひろスポ!では、次回、詳しくそのやりとりを紹介する。
「可能性のレベルで言えば、なくはないかということかと思います」という”程度”でしかない、広島の今後50年を考える上で大きな転機となるはずのマチナカスマートスタジアムの前進を願って…
広島新サッカースタジアム取材班
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