サンフレッチェ広島、ACLグループリーグ突破、城福浩監督の思いを選手が実践して前回広州恒大戦の”借り”を還す

2019年05月08日: 編集部

画像は城福浩監督

ACLのグループステージ（１次リーグ）F組第５戦（５月８日、広島広域公園陸上競技場）サンフレッチェ広島vs広州恒大（中国）

サンフレッチェ広島がホームのサポーターと共に巨大クラブを倒してグループリーグ突破を決めた。前半15分、ニアに飛び込んだ佐々木翔の右足をかすめたCKがネットを揺らして先制ゴール、その後は危ないシーンもあったが全員で守り切った。

３月５日の第１戦、アウェーでの広州恒大戦では48,216人のスタンドからの異様な熱気をまともに受けて前半の19分と26分に失点して完敗。しかしその後は2－1、2－0、1－0のスコアで３連勝して「引き分けでもグループステージ突破」という状況でこの日の大一番に臨み、そして見事に借りを返した。

３季ぶりのACL調整で2014年以来、５年ぶり２度目の決勝トーナメント進出！Ｊ１の舞台では５月３日、同じホームで横浜F・マリノス相手に”微妙な判定”に泣かされた…否、怒りのエネルギーを溜め込む形になったが、タフな中で結果を出すことでその底力を証明した。

城福浩監督にとっても広州恒大に勝って次のステップに進むことは絶対条件だった。第１戦での先発メンバー11人がJ１リーグ戦からガラリと変ったことを国内外のメディアに痛烈に批判されもした。

昨季、首位爆走から途中で息切れしたサンフレッチェ広島にあって、チーム力の底上げは避けて通れない課題だった。前を向いているからこそのターンオーバーを”袋だ抱き”にするような論調のメディアを見返すには…そう勝つしかなかったのである。

実際、城福浩監督は第２戦で本田圭佑のメルボルン・ビクトリーをホームに迎えての劇的勝利を収めたあと「去年我々は最も称賛されない２位だったと認識している、それは私に責任がある」と話し「メンバーを変えれば変えるほど、結果で何を言われるかわからない、ただ去年の経験を踏まえて今年いかにチームを作っていくか」と公式会見の場で”言い残して”いる。

大会２連覇を狙うE組の鹿島アントラーズはアウェーで敗れて２位のまま最終節でグループリーグ突破を目指すことになった。ホームでは２－１で倒したジョホール・ダルル・タクジム（マレーシア）相手に高温多湿、ピッチコンディション不良の環境下では０－１の完封負けだった。

アジアを舞台に戦うことは国内リーグを戦うこととは大きく異なる。しかし同時並行的に２つのリーグに身を置くことでこの夜のスタジアム全体がそうだったように見えなかった風景が見えてくる。

五輪代表監督兼任の日本代表・森保一監督が５月３日に続いてこの夜も馴染みのスタジアムに姿を見せたのも”そういうこと”だからだろう。

ニッポンを広島××　アジアを広島××

そう、この空間はアジアと世界への紫のゲート…

世界を広島××　紫に染めろ××

ACLグループステージ順位

グループE
山東魯能泰山足球倶楽部（中国）勝ち点11、３勝２分け、９得６失＋３
鹿島アントラーズ　勝ち点７、２勝１分け２敗、７得７失±０
慶南FC（韓国）勝ち点５、１勝２分け２敗、７得８失－１
ジョホール・ダルル・タクジム（マレーシア）勝ち点４、１勝１分け３敗、４得６失－２

グループF
サンフレッチェ広島、勝ち点12、４勝１敗、６得３失＋３
大邱FC（韓国）勝ち点９、３勝２敗、10得５失＋５
広州恒大淘宝足球倶楽部（中国）勝ち点７、２勝１分け２敗、８得５失＋３
メルボルン・ビクトリー（オーストラリア）勝ち点１、１分け４敗、３得14失－11

グループG
全北現代モータース（韓国）勝ち点12、４勝１敗、７得３失＋４
浦和レッズ、勝ち点７、２勝１分け２敗、６得４失＋２
北京中赫国安足球倶楽部（中国）勝ち点７、２勝１分け２敗、６得５失＋１
ブリーラム・ユナイテッド（タイ）勝ち点３、１勝４敗、３得10失－７

グループH
蔚山現代FC（韓国）勝ち点11、３勝２分け、５得２失＋３
上海上港集団足球俱楽部（中国）勝ち点６、１勝３分け１敗、８得８失±０
川崎フロンターレ、勝ち点５、１勝２分け２敗、５得６失－１
シドニーFC（オーストラリア）勝ち点３、３分け２敗、５得７失－２

※グループAからDは西地区、各グループ上位２チームがグループリーグを突破する

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