スクールに向けミーティングするSRC広島アカデミースクールのリッチー・ブラナガンさん、左は同じく清谷務コーチ
イングランドサッカー協会のコーチングライセンスを有し、U‐21アイルランド代表も経験した元プロサッカー選手のリッチー・ブラナガンさんが指導する「サッカー教室×英語」スクールが、広島市西区を中心に市内各地で行われています。
リッチー・ブラナガンさんは、イングランドサッカー協会のコーチングライセンス FA レベル2を保有しています。
FAライセンスは「フューチャー・ゲームプログラム」の課程を経たコーチのみに付与されるコーチングライセンスです。
「フューチャー・ゲームプログラム」は、イギリス国内で地域のユースチームからプレミアリーグアカデミーまで、全てのプレイヤーを対象に、イングランドサッカー協会によって導入されました。
身体面・技術面と戦術面・心理面・社会性の4つのスキル向上に焦点を当てたプログラムが特徴です。近年、イギリスの各世代チームが目覚ましい活躍を見せていることでも、このプログラムは高く評価されています。
このスクール。広島で最も歴史のあるサッカークラブのひとつ、広島教員サッカークラブを前身に持つSRC広島の育成組織です。
SRC広島アカデミースクールの対象は小・中学生です。春から中学に進むスポーツ好きの広島っ子たちにとっては英語力×フューチャー・ゲームプログラムで、サッカーの新たな魅力を体感し、プレーヤーとしての新たな可能性に挑戦することができます。
SRC広島アカデミーのスクール会場となっている広島市の西区スポーツセンターやコカ・コーラボトラーズジャパン広島スタジアム、なぎさ公園小学校などでは、元気な声と英語が飛び交い、たくさんの笑顔の花が咲いています。
そこで、来日前にはスペインのレアル・マドリードでも現在と同じように下部組織のスクールコーチを務めた子供たちの人気者リッチーさんに、SRC広島アカデミースクールのサテライト会場のひとつでもあるフィットネスクラブ「エ・ビュー」(広島市南区宇品西)でスクールの魅力について語っていただきました。
SRC広島アカデミースクールのサテライト会場のひとつでもあるフィットネスクラブ「エ・ビュー」(広島市南区宇品西)で撮影
―リッチーさんたちの指導って、どんな感じなのでしょうか?
リッチー それはなんと言っても英語を使いつつ、イングランドサッカーの指導方法と日本の指導法とをうまくミックスしながら、子供たちには自主的に考えてもららい体を動かしてもらっていることです。
実は広島でスクール活動を続けるにあたり、ちょっと驚いたことがあるんです。小学5、6年生の子供たちって、中学生に比べてとてもよくしゃるし、活発に練習に参加してくれますよね。来日する前は、そのくらいの年齢の日本の子供たちってたぶんシャイで静かなんだろうな、と思っていたのですが…
―最初から?
リッチー 最初はそうでもなかったけど、こちらが英語で話かけて一緒に体を動かしているうちに、自信がついたのか、みんなコミュニケーションが取れるようになりました。やはり、自信がついたことで選手ひとりひとりの能力が引き出せると今、改めて感じています。英語はハロー!から始まりますが、いろいろ話すと子供たちも積極的に返してくれます。けっこう自分から私に話かけてくれて、ご両親と一緒になって会話することもよくありますよ。
―楽しそうな風景が目に浮かびます。
リッチー 子供たちと出会った当初はウォームアップを私がやっていました。でも、コミュニケーションを重視する中で小学生の中でひとり、交代制でキャプテンを決めて、子どもたちだけでやってもらうようにしています。こうしてひとつずつ自分たちで考える範囲を広めていく。それが「フューチャー・ゲームプログラム」の4つの柱のひとつ「社会性」のステップアップにつながります。
基本を大事しながら、とにかく自信をつけてもらって楽しく練習に取り組むことができるように…当然ですが、ひとりひとり成長の度合いは違います。だから個々に私の方から接し方も変えていかないといけません。そこが難しいのですがきめ細かな指導を続けることで子供たちが成長していくのが楽しみです。
―SRC広島アカデミースクールの「ビジョン」には、「広島を代表する選手を育成し、日本、そして世界で活躍する人材の輩出」、「リーダーシップを発揮し、自ら意志決定を行うことのできる人材の育成」、「グローバルで、リベラル(自由)な価値観を持つ人材の育成」とあります。
リッチー はい。小中学生の成長過程や技術の習得に合わせながら、それぞれ一番いいと思われるタイミングで…まだまだ遠い目標ではありますが、日本代表になれるような人材を我々の手で送り出したいと考えています。
11歳から15歳、我々はエキサイティング・エイジと呼んでいますが、彼らはどんどん吸収してどんどん伸びていきます。練習1回、そのあとすぐに個々の選手によりマッチした練習メニューを提案、その繰り返しです。とはいえ、技術面で「こうした方がいい、ああした方がいい」は言いません。プレーの中からいいものを探してどんどん褒める形、ですね。
例えばドリブルしていて相手に囲まれた場合、「じゃあ、そこでどうすればいい?」と問いかけます。自分で考える習慣が大切です。こちらが答えを出したのではすぐに忘れてしまいますからね。
―日本は学校の勉強も、これまで知識重視でした。でも最近は自分から学ぶ「アクティブラーニング」に移行しつつあります。
リッチー それを聞いて、私も自信を深めています!(笑)私たちのサッカースクールも、ご家族のみなさんも含めて笑顔いっぱいです。最近では広島市内の学校関係者のみなさんにも興味を持っていただいています。それは、英語力を身につけながら「フューチャー・ゲームプログラム」でサッカーの競技力アップを目指す部分が評価されつつあるからかもしれません。この春から中学生になるみなさん、興味あれば私たちと一緒に、まずは広島を代表するプレーヤーを目指してみませんか?
SRC広島アカデミースクール
西区スポーツセンター、コカ・コーラボトラーズジャパン広島スタジアム、なぎさ公園小学校(いずれも広島市西区)で小・中学生「サッカー教室+英語」スクールを開催中。
中学生対象のスクールは西区スポーツセンターで行われており、来年の新中学1年生希望者は、西区スポーツセンター周辺に居住地があり、自転車やバスでひとりで通える範囲が理想。
詳細はSRC広島オフィシャルサイトで
src-hiroshima.com/academy/
スクール問い合わせ電話番号:080・2932・5218(杉本)