広島サンプラザホール、無観客でtip off’(トップ画像)
Bリーグが新型コロナウイルス対策での苦難を乗り越え3月14日、無観客で再開された。
しかし、B1では9試合のうち1試合、川崎とどろきアリーナで開催予定だった川崎ブレイブサンダースとレバンガ北海道の試合は、レバンガ北海道の選手3名が発熱したため直前で中止となった。
広島市西区の広島サンプラザホールではB2西地区首位の広島ドラゴンフライズが同地区4位の熊本ヴォルターズを迎えて第28節GAME1に臨み、100-73のスコアで快勝した。
2月23日、同会場での第24節GAME2、香川ファイブアローズ戦に109-62のスコアで勝って2016-17シーズン以来2度めのプレーオフ進出を決めてからおよそ3週間。前回はスタンドのファンの大歓声を受けながらともにプレーオフ進出を喜んだが、この日は静かにインターバル明けの勝利を噛み締めた。
試合はいきなり0-8となって広島ベンチはタイムアウト。「最初にふわっと入った部分はあった。もう一回気持ちを入れ直しました」(堀田剛司ヘッドコーチ)
その直後に古野拓巳が3Pを決めて反撃開始。第1クォーター残り3分半で追いつくと、その後は完全に試合をコントロールした。
中でも際立ったのが田中成也の3Pシュート。第1クォーターは1本だったが第2クォーターで4本、第3クォーターで3本…計9本を沈めてグレゴリー・エチュニケの29得点をしのぐ31得点を荒稼ぎした。
もちろんそれには理由がある。
相手が新型コロナウイルスであろうと何であろうと、チームただひとりの生え抜き選手にはどうしてもB1に昇格しなければいけないという強い思いがある。
「空いたら打つ、と…非常に満足しています。2、3本打って今日は調子いいなと。それが結果に繋がった。でも充実感がありません。無観客でやる意味が…。ファンやスポンサーのみなさんあってのものだとつくづく感じました」
試合後、そう話した田中成也は「生え抜き選手としてコロナを乗り越えていかなければいけないが…」と問われてこう答えた。
「いや、そこはブレちゃいけない。プレーオフの準備のための今日の試合と思いますし、プレーオフへ向けて、それがあるかどうかまだわからないですけど、チームとしてそれに向けてやっていきたい」
田中成也のこのコメントはBリーグ全体の、広島ドラゴンフライズ全体の思いと重なる。
3Pシュートを放つ田中成也
フリースローを沈める朝山正悟
田中成也とともに、2016-17シーズンにB1昇格を懸けてプレーオフを戦い、そして敗れた朝山正悟主将も次のように話した。
「久しぶりの試合。試合をやれたのは非常に良かったななと思う。一方で北海道などいろいろなことが起こっていて複雑な気持ちだなというのがあります。全員で盛り上がって、とやりましたがフリースローはだいぶんいつもと違うなあというのがありました」
東日本大震災も経験しているが、と問われると…
「自分たちの思いだけでは、日本バスケット界を考えた場合いいのか?というのがありますし、9年前はああいう形でリーグが中止になった。今回はまだ見えていない。他のチームともコミュニケーションを取っていますが、みんなが今不安な状況。ファンの人たちもそこに気持ちでついていけてない状況。すごく難しいですね。自分たちが誰のためにプレーしているのか?なかなか全員それができてない中でしっかり答えを出してやっていかないと、なかなかね難しいと思います」
「現状、目の前に試合があればやる。ただ選手の安全、健康、ファンのみなさんの思い。みんなが納得いく形が取れたらいいなと願うばかりです」
さらに、シーズンが終わってしまってプレーオフが…となったら、と聞かれて…
「いや、それは僕自身の気持ちをそのまま言うと、やっぱり耐えられないですね。万が一、中止になった時の順位と昇降格のところ。どういうふうになるのか?はっきりして欲しいと思いますが、今リーグがそうできないのも分かります。待つしかない。でも自分たちが今シーズン上がりたい気持ちはどこより強く思っていますから。毎日ほんとに気になります」
広島ドラゴンフライズは15日のGAME2に勝てば自力でBリーグ西地区初優勝をインターネット中継を通じてファンに報告する。
B2第28節GAME1
広島ドラゴンフライズ 100-73 熊本ヴォルターズ
1Q:20-15
2Q:27-17
3Q:27-26
4Q:26-15
おりづる賞:熊本#7小林慎太郎、広島#3岡本飛竜
MOM:#24田中成也
【スターター】
広島:#0ジャマリ・トレイラー、#2朝山正悟、#8グレゴリー・エチェニケ、#24田中成也、#30古野拓巳
熊本:#9佐藤正成、#11石川海斗、#13木田貴明、#20ギャビン・ウェア、#23マーカス・ブレイクリー
【主なスタッツ】
広島ドラゴンフライズ
◆得点
#24田中成也 31点
#8グレゴリー・エチェニケ 29点
#2朝山正悟15点
#0ジャマリ・トレイラー 11点
◆リバウンド
#8グレゴリー・エチェニケ 16リバウンド
◆アシスト
#30古野拓巳6アシスト
◆ブロックショット
#8グレゴリー・エチェニケ 8ブロック
熊本ヴォルターズ
◆得点
#23マーカス・ブレイクリー18点
#1中西良太13点
#11石川海斗11点
◆リバウンド
#23マーカス・ブレイクリー17リバウンド
◆アシスト
#11石川海斗 7アシスト
#23マーカス・ブレイクリー7アシスト
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