画像は鈴木誠
9月12日 ●1-2 巨人 マツダスタジアム
通算42勝56敗10分け
最下位へ後退、3位巨人まで12差、首位阪神まで15差
18時開始・3時間11分、11,053人(緊急事態宣言下)
相手先発 菅野〇7回5安打1失点
本塁打 鈴木誠28号①
一番センター野間
二番ショート小園
三番レフト西川
四番ライト鈴木誠
五番ファースト坂倉
六番セカンド菊池涼
七番サード林
八番キャッチャー曾澤
九番ピッチャー床田●(11試合3勝3敗)7回112球3安打2失点(自責2)
塹江
島内
バード
首位阪神まで4差とあとがなくなって広島に乗り込んできた巨人は、中4日登板菅野の1失点投球と、七回に飛び出した小林の2年ぶりとなる一発(ソロ)で辛勝、連敗を6で止めた。
その菅野から一度は同点となるソロを放ったのが鈴木誠。二回の第1打席で食い込んでくるシュートを、これまでマツダスタジアムでは誰も見たことのないような頂点の高い巨大な放物線で、しかもレフト場外防球ネットまで持って行った。
表現として適切ではないかも?だが、それはまさに大陸間弾道弾。そう、もう鈴木誠にマツダスタジアムのサイズは小さすぎる。海を渡ってメジャーへ、その日は間違いなく近づきつつある。
コロナがなければメジャーリーガーだったはずの菅野からこれで今季、全5試合で柵越え、しかも対戦打率は14の7、5割。
東京五輪のあともなかなかホームランが打てず、迎えた後半戦11試合目、8月26日の東京ドームで菅野からバックスクリーンに運んだあと、この時のスイングをヒントにさらに試行錯誤して、9月3日の東京ドーム、ヤクルト戦から“確変”モードに入った。7試合連続の日本記録タイには届かなかったが6試合8発で“あの話”を現実のモノとした。
緒方前監督の下で「神ってる」と称された2016年12月の契約更改のあと、来季の目標を「10割、200本、1000打点」と真顔でぶち上げた。“変顔”も武器とするジャパンの主砲は実は「おもしろ」と言われた「新井さん」の意思?も受け継いでいる。だがジョークだけなら誰でも言える。「新井さん」もマツダスタジアムに戻って数々の奇跡を起こしてきた。鈴木誠もそうだ。6試合で8発なら、143試合で190本の計算になる。
このド外れた数字を可能にするのが、鈴木誠が2月のキャンプから取り組む「トラウト打法」だ。カギは下半身の体重移動の仕方と、あの大谷翔平と同じアッパー軌道のスイングアーク。だが、やってみると上下半身の連動がなかなかうまくはいかない。そこで様々な改良を加えているうちにとうとう最初の完成形に近いモノを手にいれた。
試合前のフリー打撃でその打球は果てしなく飛んでいく。ゴルフなら、クラブの改良が飛距離を生むが、木製バットではそうもいかない。飛距離を左右するのはバットを握る力点・支点と、来た球を打つ“作用点”との間でいかに大きなエネルギーを生み出すか?そのためには、広島の地に大きな根を張り鍛えあげてきたボディの軸回転力とトラウトスイング軌道が不可欠、だ。
想定外の飛距離はセンターから右方向への打球に対して柵越えの可能性を大きく引き上げる。鈴木誠の6試合連続8発の中で右に飛んだのは2本。まだまだ高いレベルの完成形は奥が深い。この先は本数だけではなく、スタンドのどのあたりに飛び込むかが注目される。
鈴木誠のあとを打つ坂倉の方はちょっと厳しくなっている。この日、菅野の前に3の0、そのあとも中飛で打率を・317まで下げた。打率トップの座を坂倉から奪い返したDeNAオースティンは24・25号を含む4の3で・329まで引き上げた。鈴木誠は打率・314で依然3位につけているが2位坂倉との差はわずかに3厘、師匠が弟子を追い越すのも時間の問題か…(ひろスポ!・田辺一球)
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