画像は代打で四球を選びベンチで迎えられる鈴木誠
10月29日 〇4-1ヤクルト マツダスタジアム
通算62勝68敗12分け
4位確定済、3位巨人まで2・5差、優勝のヤクルトまで14差
18時開始・3時間18分、8,410人(年間指定席購入者のみ入場)
相手先発 奥川3回2安打無失点
本塁打 -
抹消 大瀬良、森下
一番センター宇草
二番ライト野間
三番ショート小園
四番レフト西川
五番キャッチャー坂倉
六番セカンド菊池涼
七番サード林
八番ファースト堂林
九番ピッチャー九里〇(25試合13勝9敗)5回99球5安打1失点(自責1)
ケムナH
バードH
森浦H
島内H
栗林S(52試合1敗36S)
前日、シーズンラスト登板で規程投球回数に達すると同時に二桁勝利となった大瀬良に続いて、九里が5回99球5死四球の“快投”で13勝目。阪神青柳と並んで最多勝の初タイトルを手にした。
だが、ヤクルト先発の奥川はプレーオフを見据え3回無失点と好投。二番手で1000奪三振をマークした小川の乱調がなければ九里の13勝目がどう転んだかは分からない。
なお九回を締めた栗林は新人最多セーブ記録に王手をかける36セーブと同時にマツダスタジアムでは全27戦無失点と”超魔人”にふさわしい記録を達成した。
ところでこの日の1勝も含めて広島はヤクルトに7勝14敗3分けと大きく負け越しとなっている。他のセ4球団とは互角かそれ以上の戦績を残した。マツダスタジアムクラスター発生直後の交流戦の3勝12敗3分けはチームの責任ではないが、対ヤクルト戦、もっと言えば対高津監督というところでの完敗は反省材料だろう。
1年前の11月10日、19安打を浴びせられ3対7で広島に敗れた高津監督は神宮球場のスタンドに向けこう言った。
「広島カープファンの皆さん。(広島は)あした一日、最終戦ありますけども、今年も神宮を赤く染めていただき、本当にありがとうございました。来年は5位、6位争いじゃなく、ぜひ優勝争いをしたいと思っています。またよろしくお願いします」
高津監督1年目の最終成績は41勝69敗10分けの借金28だった。それが1年で1試合を残して73勝51敗18分けの貯金22になった。
広島は52勝56敗12分けから1試合を残して62勝68敗12分け、代わり映えしない。
来季を見据えた場合、さらに成績が後退する危険性が現時点で危惧されている。国内FA移籍の可能性が言われている九里やポスティングを使ってのメジャー挑戦が取りざたされている鈴木誠ら軸になる選手の流出があるのか、ないのか?
2試合続けてベンチスタートの鈴木誠は4対1の七回、一死無走者の場面で代打起用され、当然のように四球で歩かされた。39本塁打で巨人岡本和と現状では本塁打王を分け合う形になっている村上に配慮したものであることは明らかで、鈴木誠は打率・319で2位のDeNA牧に5厘差をつけたまま首位をキープ、38本塁打からの上乗せの唯一のチャンスでバットを振れる球は1球(ファウル)しかなかった。
打点王争いでトップの岡本和(113打点)まであと1打点の村上は初回の一死一、二塁で四球、二回の二死満塁で空振り三振、四回の一死二塁でショートエラー出塁、六回の二死一、二塁で二ゴロ、九回の一死一塁で空振り三振に終わった。意識するとあと1本がなかなか出ない。
セ・リーグは11月1日の神宮球場、ヤクルト-広島をもって全日程を終了する。鈴木誠に首位打者争いを“挑んで”きた坂倉は4の1で打率・313となり4位に後退した。だが、まだワンツーフィニッシュは数字上可能。1の1、3の2で2位に浮上できる。鈴木誠も柵越えのチャンスは残る。
試合後、ヤクルトナインのスタンドへのあいさつに続いて、佐々岡監督がファンにあいさつした。そのあと広島の選手たちもスタンドに頭を下げた。最後に、ホームベース付近で鈴木誠を中心に野間、西川、小園、坂倉、石原、宇草、それに東京五輪でも一緒に戦い、日頃から盛んに話をする森下が一枚の写真に収まった。(ひろスポ!・田辺一球)