画像はカープベンチで新井貴浩から「四番」の心得を説かれる鈴木誠也
鈴木誠也から SEIYA SUZUKI へ-
大谷翔平の背中を追いかけてきたスラッガーの新天地はシカゴに決まった。
広島入団当初から、その姿をひろスポ!は見つめてきた。
ドラフト2位入団の鈴木誠也は、二軍合宿所で鬼気迫る打ち込みを続ける前田智徳に衝撃を受け、誰よりもバットを振った。
一方で、背番号1の二軍戦での自己中心的な振る舞いも目の当りにして反面教師とした。
チームとして、みんなで勝利に向かっていく姿勢を大事にしたい。2015年、黒田博樹、新井貴浩の“広島帰還”という運命的な出会いがメジャー挑戦の原動力だ。
新井貴浩から四番の何たるかを授けられ、黒田博樹からはMike Trout マイク・トラウトの存在についても聞かされた。
ほどなく「神ってる」打法を身につけ、右足首の大けがもバネにしてリーグ3連覇と首位打者のタイトル。その間に大谷翔平と同じ侍ジャパンのメンバーにも選ばれ日本シリーズでも対戦して、その打撃力に心を揺さぶられた。ハワイで挙式して、日本に別れを告げる準備も終えた。英語力にも磨きをかけた。そしてプロ9年目の2021年へ…
東京五輪での金メダル実現に続き、2月のキャンプから試し続けてきたトラウト打法が花開いた。王貞治とランディ・バースにあと1本と迫る6試合連続の柵越え、さらには坂倉将吾との首位打者争い…
最終的に、その打球の発射角度と大きな放物線の最高到達点はNPBの規格を遥かに凌駕するものになっていた。トラウト打法、その続きはよりスケールの大きな舞台で…
NPBと国際舞台で死力を尽くした鈴木誠也は2021年11月16日、広島球団がポスティング移籍を発表したことで広島の四番、日本の四番を卒業した。
メジャー挑戦は紆余曲折が予想されたものの、3月10日(木)に労使交渉が決着を見ると、その4日後の月曜の夜、鈴木誠也は現地でカブスのフロントとチームチェアマンのTom Ricketts に会い、交渉を進め、瞬く間に話はまとまった。
五大湖に接するシカゴは超高層ビル群がひしめくニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ米国ナンバースリーの巨大都市。東京生まれの愛理夫人と鈴木誠也にとってもまさに夢の大舞台だ。Lake Michiganミシガン湖で釣りを楽しむようになれば“誠也も一人前”。広島の海の幸も捨てがたい?が、瀬戸内海とはスケールが違う…
シカゴ・カブスとの契約合意を伝えたスポーツチャンネル、ESPN(Entertainment and Sports Programming Network、本社:コネチカット州ブリストル)はその記事の中でこう紹介している。
“The player has a unique skill set that has value in MLB,” said Cubs manager David Ross, before the deal was officially announced.
「彼は、MBLで真価を発揮するユニークな能力群を兼ね備えている」これはカブス監督David Ross の合意前の段階でのコメントだ。
メジャー関係者が広島と日本の主砲に対して争奪戦を演じてきたのは、長きに渡り打率、打点、本塁打数、長打率と出塁率を合わせたOPSが極めて高い水準で維持されているからだ。しかも強肩外野手。
米国3大ネットワークのCBCもブレーキングニュースの中で…
JAPANESE STAR SEIYA SUZUKI AGREES TO DEAL WITH CUBS
…のスーパーをかけ、HIDEKI MATUI や TUYOSHI SHINJO と比較しながら「日本のスーパースターがやってくる」と報じた。
カープファンの中からは「誠也に戻って来て欲しい」という声も上がっていたが、 SEIYA SUZUKI となったからにはもう日本から温かい声援を送るしかない。
まだ五大湖を吹き抜ける風は冷たい。やがて、心地よい季節がやってくる。そしてきっとWrigley Field のスタンドで、赤い応援グッズがミシガン湖からの風に揺れるだろう。そのバックスクリーンのすぐ先にLake Michigan
広島の青空に向かって放ってきた数々の大アーチが、今度は「風の街」で舞い上がる…(田辺一球)
※鈴木誠也の広島での全シーズンを記録した携帯サイト「田辺一球広島魂」はコチラ(見た目はしょぼいが、内容はコイ過ぎ…)
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