画像はサンフレッチェ広島、エディオンスタジアム広島に向かうサポーターと#16浅野雄也らの幟
ひろスポ!ひろスタ特命取材班は、大学でメディアに関する講義も担当している。
テレビを見ない、ラジオなんてお気に入りのタレント、ミュージシャン番組以外興味なし、の大学生が増えており(新聞はアンケート調査の結果9割の学生が手にしない)スマホの世界に浸る。SNSでのトラブルも増える。彼氏に自分の裸の写真を送るのは当り前の時代…。SNS空間を有効なものとしてのみ保つのは不可能で、ひとりひとりがどのレベルまでならOKで、歯止めをかけるのはどのあたりか、をうまくコントロールするしかない。
…なので、ネット上で騒ぎになっている「サンフレッチェ広島・浅野選手 グラドルの”セクハラDM”が波紋…チームも「事実」と認め、本人厳重注意」(7月13日「女性自身」配信のYahoo!ニュース)サンフレッチェ広島・浅野選手 グラドルへの“セクハラDM”が波紋…チームも「事実」と認め、本人へ厳重注意(女性自身) – Yahoo!ニュース
…について考えてみる。
この一件は、プロスポーツ選手→一般人ではない女性、のSNSでの「通信」に関するトラブル。具体的な内容について言えば、受け手側のグラビアアイドル福岡みなみさんを「本当に嫌な気持ちにさせた」というもの。
そのあとサンフレッチェ広島は、将来を有望視されている浅野雄也選手の行為に対して非を認め、福岡みなみさん側への対応や今後の「コンプライアンスの教育」強化を、取材した「女性自身」に回答している。
ネット上にはいろいろな声が上がっているが、受け手側の思いが尊重されるのは当然のことで、だから「個」と「個」が直接やりとりする「通信」は直接、向き合って会話するいる以上の配慮、注意が必要になる。
メディアリテラシー、情報の扱い方を小・中・高・大学教育などでもっとしっかりやっていかないと、トラブルが際限なく広がることになってしまいそうだ。
浅野雄也選手も今回のDMを送った時には、もしかしたら軽い気持ちだったのかもしれないが、騒ぎが大きくなったからいろいろ思うこともあったはずだ。(この件でひろスポ!はサンフレッチェ広島や浅野雄也選手を取材していない)
この「個」と「個」の繋がりは、例えばレコード→CD→音楽配信の荒波にさらされるアーチストたちには大切な”空間”で、そこには巨大ビジネスが存在する。誰もこのSNSの繋がりを否定できない。
余談になるが1990年代、広島東洋カープの一軍寮には公衆電話が設置されており、電話のベルが鳴ると若手が対応した。走って受話器を上げに来る電話当番の「江藤や前田」目当てに、寮に電話する女子中学生、高校生は確かにいた。
さらに余談になるが、日本ハムの新庄監督がまだ阪神に入団したてのころ、広島遠征の際、バスから降りてきたところでその手を握り締めた女子高校生がいた。
…でどうなかったか?
新庄選手(当時)も、ずっとその手を握り返したままだった。
いつの時代も、スマホがあってもなくても、やりたい人はやりたいことをやってのける…(最後には女子高生の方が手を離した)
このように?ファンも手を尽くして?選手に接近しようとする。テレフォンカードの時代ならその「個」と「個」の繋がりも限定的だったが今はもう節操がない…
「個」には、SNS大好きトランプ前米国大統領を筆頭?に芸能人もユーチューバーもインフルエンサーも中高生も大学生も、おそらく小学生もプロアマアスリートも、スマホ・パソコンなどを手にした人すべて、無数の顔がある。誰がどう繋がろうと自由…
話を戻すと、例えばプロ野球の選手から女性タレントへのSNSを使った”誘い”などは”みんなやっていること”で、タレントと一般人の境界線もないようなものなので、その”誘い”の手はどこにでも伸びてくる。
今回の「グラドルへのセクハラDM」の記事も「よくある話で何も驚かない感想です!」という声が、ひろスタ特命取材班の下に届けられた。聞けば「実際にまったく面識のない場合も含めて、複数プロ野球球団の選手からDMで誘われた」という。
どこにでもある話、と仮定するなら、すでに過去にもネット上で明らかにされたケースのほかにもいろいろあっただろうし、今後もいろいろ出てくる。
ただ、その「個」が一般人であれば「ファン」や「支援者」は限定的だ。一方、例えばJリーガーであれば、選手という立ち場において万の単位のサポーターが存在するし、Jリーグの源泉である「地域密着」イコール地域住民、地元企業、地方行政等々に対して極めてマイナスのインパクトを与えることになる。
本来、サンフレッチェ広島側からSNSを見た場合、手軽にきめ細かく情報発信できるなどのプラス材料ばかり。そこにはテレビ、新聞などの既存マスメディアにはない、地域やサポーターとの距離を近いものにする良さがある。
サンフレッチェ広島ではレジーナというレディスチームの活動も2シーズン目に向かって活動中で、Twitter、Instagramなどを使った情報発信量は非常に多い。
選手がSNSで発信する情報の内容は様々で、選手たちが呼びかけたり告知したりする動画を見れば、受け手側もリアクションを起こしてそれに応えたい、応えようという気持ちになる。
ただ、心配もある。サンフレッチェ広島レジーナでのSNSに関するトラブルはまだ聞いたことがないが、距離が縮まる、イコールいろいろ問題が起きやすい、と考える方が理にかなっている。SNSでの親近感がおかしな方へと増幅され、選手の周辺をウロチョロするような人が出てきたらどうなるか? そういう意味でもSNSは常に両刃の剣、だ。
ひろスポ!には、東京で活動中の女性タレントから「スポーツ選手なんて大半はこんなんばっかりでしょう」という声も届いている。
SNSにまつわるトラブルは女性と男性によって、あるいは世代によって、その受け止め方が違ってくるのであろうが、騒ぎになるケースとそうでないケースがあるのは間違いない。
どんな要素があれば大騒ぎになるか?を気にするのではなく、騒ぎの元となるようなことをSNSに乗せないことが最良のトラブル対処方だ。
先ごろ、広島で日本ハム戦(交流戦)が開催された際には、マツダスタジアム正面に新庄監督とSNSで繋がる幅広い年齢層の男女が早い時間から集まっていた。話を聞かせてもらったがみなさん「いざ、スタンドへ!」という感じで、とても楽しそう(忙しそうでもあった)だった。
圧倒的なフォロワー数のSNSを駆使してファンに情報を提供する新庄監督こそ、教壇に立ち、押し寄せてくる?女性陣との向き合い方や、メディアリテラシーに関する考え方などを講義した方が良くないか?
なお、インターネットやSNSによる有名人・著名人らへの悪質な誹謗中傷が深刻化、社会問題化したことについて関係各署が重い腰を上げたため、2022年5月、プロバイダ責任制限法の改正が公布され、7月7日には刑法改正により侮辱罪の法定刑の引き上げ、が施行された。
インターネットやSNSなどで誹謗中傷を行った人物が早期に特定され、悪質な行為に対しては厳罰に処される。ネットで誹謗中傷された人たちへの救済体制が一応整った。
これを機会に手のひらの中にあるスマホとどう向き合うか、を改めて考えた方るべきである、と自戒の意味も込めてここに記しておく。(ひろスタ特命取材班&田辺一球)