決勝ゴールの山岸がサポーターに勝利報告!(撮影・春木 睦子)
明治安田生命J1第2ステージ第14節(10月17日)
サンフレッチェ広島がホームのエディオンスタジアム広島で強敵・川崎フロンターレを2-1で撃破!浦和レッズが21本のシュートを放ちながらガンバ大阪に1-2で敗れたため、第2ステージ首位キープと同時に年間順位でも首位に返り咲いた。
秋晴れのもと、2万人近いサポーターに見守られて午後2時3分キックオフ。試合は予想どおり、いや予想を遥かに超えた厳しい展開となった。
「相手をゼロに抑え、守りから攻撃を組み立てていく。(15日の天皇杯ロアッソ熊本戦と合わせて)総力戦、総合力が問われるが我々はいい準備ができた」
前日練習のあと、そう話した森保監督はベンチで自然体でキックオフの瞬間を迎えていた。
試合は前半3分、川崎フロンターレ・大久保のシュートで幕を開けた。
その後も川崎にボールを支配され、前半20分には大久保のクロスから高い打点で小林に頭で合わせられたがGK林がナイスセーブ。
34分の大久保の強烈弾も林が左手だけで跳ね返し、そこに詰めてきたエウシーニョの一撃は青山が体を投げ出して止めてみせた。
前半0-0。シュート数は大久保の4本を含めて川崎9本。広島はわずか3本でJ1通算最多得点のかかる佐藤寿人も1本だけ…。
川崎はここまでJ14連勝中でその間16得点。さらに大久保は3日前の天皇杯3回戦での先制ゴールも合わせて公式戦6戦8得点…。
ハーフタイム、森保監督は「厳しい戦いは覚悟の上、みんなで乗り越えていこう。守備は無失点を続け、守備から攻撃に繋げていこう」とチームのベースの部分をもう一度、イレブンに投げかけた。
一方、川崎の風間監督は「いいテンポのサッカーができている。やり続けよう、攻撃のチャンスをしっかり決めよう」と手ごたえを感じていた。
だが後半、早々に先制したのは広島の方だった。
後半5分、左45度からのFKを柴崎がキック。跳ね返りをもう一度、柴崎。強烈な一撃はそのままゴール右サイドネットに突き刺さり、記憶に残る一戦にその名を刻みこんだ。
先制弾の柴崎を迎える佐藤寿人ら
後半14分、森保監督はいつもより早めに佐藤寿人と浅野をチェン。浅野は何度も縦に走って相手ゴールを脅かし、1-0のまま時間は刻一刻と過ぎていく。
だが、肝心の追加点が奪えず、迎えた後半38分…
大久保の強いシュートに「相手を予測して先に動き過ぎた」と林。その動きと反対側を同点ゴールがすり抜けていき、そこからは互いにカウンターの応酬となった。
残り時間わずか。43分にいい位置でFKを獲得すると、サンフレサポーターの目前で、もっと声を出せ!と青山がスタンドを煽る…
みんなで行こう!1994年以来となる究極の舞台、チャンピオンシップへ…
試合はそのまま4分のアディショナルタイムへ。
限界を超えたマッチアップで清水の足がつり、リーグ戦今季2度目の出番となる山岸がピッチへ、そしてまたしても浅野がドリブル突破で相手ペナルティエリア内に切り込みそしてクロス。
U-22の手倉森監督も視察に訪れる中、浅野はタイムアップと同時に座り込むほど走りまくった
相手DFに当たり、不規則回転となったボールはもう一度、相手DFに当たりそして山岸の左足が炸裂、ショートバウンドを見事に合わせ、タイムアップ目前の決勝ゴール!
試合後、ヒーローは涙をこらえながらこう言った。
「最後まで選手は勝利をもぎとろうと思っていました。時間は少なかったけどチームのために走った。今年は僕自身、苦しいシーズンだったけど、最後の最後に結果を出せて嬉しい。残り3試合もみんなの力を合わせて優勝しましょう!」
そして、誰ひとり欠けてもなしえることができない、栄光の瞬間、実りの秋へ…