画像は八回、竹原四番の寺戸のタイムリーで決勝のホームを踏む新納
第104回全国高校野球選手権広島大会第10日(7月21日)
3回戦の残り8試合が4球場で行われベスト16が出揃った。
ぶんちゃんしまなみ球場
近大福山7-2吉田
呉宮原16-9可部(八回コールド)
鶴岡一人記念球場
瀬戸内5-4広
尾道3-1武田
バルコムBMW野球場
誠之館4-1庄原実
盈進7-1福山工
三次運動公園野球場
竹原4―3五日市
市立呉11-1呉商(五回コールド)
昨夏ベスト8の瀬戸内が第3シードの広に5対4で競り勝った。広は10安打を放ったが瀬戸内の継投策にかわされた。
昨夏ベスト8で第2シードの市立呉は12安打10打点で呉商に11対1、五回コールド勝ち。
第3シードの尾道と武田、注目の一戦は尾道の坂本典優(3年)が9回118球完投6安打の自責1、武田の内野海斗(3年)が9回125球完投9安打の自責2、スコアは3対1で尾道の勝利。尾道は互いにゼロ行進の八回、無死満塁から3点を先制、九回裏の武田の反撃を1点で止めた。1時間59分、見応え十分、いや十分過ぎるほどの投手戦だった。
新納投手
竹原は就任3年目、83歳の迫田穆成監督の下で五日市との接戦を4対3で制して35年ぶりのベスト16進出を決めた。大会前に掲げた”大きな”目標「ベスト8」へリーチ!で、次の4回戦では優勝候補の一角、崇徳に挑む。
1回戦で千代田に15対1五回コールド勝ち、2回戦で廿日市に6対3で勝利。そこから中4日。
2試合とも左腕エース新納涼介(3年)の踏ん張りを軸にして戦ってきた。特に廿日市戦は相手エースとの投げ合いを9回151球18奪三振の力投で制した。
この日も味方打線の初回の3点の援護を追い風に五回まで無失点。六回、二死二塁で、練習には取り入れていないランニングスローから内野に乱れが出て1点を返されたが七回はまたゼロ。
ところが八回、四球から得点圏に走者を背負うと下位打線につかまり同点にされた。
「ちゃんと投げれば抑えられたはずだったのに、ストライクを取りに行ってやられた。これも勉強です。廿日市戦では新納がヒーローになってくれたけど、きょうは四番の寺戸がよく打ってくれました」(迫田穆成監督)
その裏、新納涼介が四球で出て二盗を絡めて一死三塁から1年生で四番を打つ寺戸暖に決勝タイムリーが飛び出した。
竹原が初戦を突破した時、あるテレビ局がカメラを向けて「目標」を訪ねた際、「大舞台」を目指す、という話になった。もちろんそれは「甲子園」のこと。広島商、如水館を率いて「大舞台」に8度、の名将だからそれは当然の話、だ。
だがインタビュアーは「大舞台」の意味を理解できず、その話題をスルーした。
竹原はたまたま強くなった訳ではない。相手を研究して、弱点を把握し、策を講じてやるべきポイントを絞る。初戦の千代田戦は相手捕手の肩が弱いとみてノーサインで盗塁を重ねた。
試合でまだまだ、と思えば少ない練習時間でバントを確実に決められるようにした。監督が「あすは休もう」と試合後に提案しても「あさ自由練習で打ちたい」と手を挙げる下級生が大勢いる…
「崇徳に勝とうとは思いませんが、新納が六回まで点をやらない投球をしてくれれば…」
迫田穆成監督の思いは竹原ナインの思い。英数学館が広陵を破って大きなニュースになったが次は…(広島スポーツ100年取材班&田辺一球)
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