画像は竹原-廿日市、一死満塁で竹原・榮谷の打球が三遊間を突破、三塁走者に続いて二走の中川もホームに突っ込むがアウト!
第104回全国高校野球選手権広島大会第7日(7月17日)
2回戦8試合が4球場で行われた。18日は休養日で19日から3回戦に入る。
バルコムBMW野球場
竹原6-3廿日市
近大福山3-2沼田
三次運動公園野球場
吉田10―9忠海
庄原実7-6総合技術
エブリイ福山市民球場
尾道3-1尾道商
武田17-0日彰館(五回コールド)
鶴岡一人記念球場
呉商6-3観音
呉宮原7-5広島城北
第2シードの尾道、逆転勝ち
第2シードの尾道は尾道商先発の山口遼太(3年)の前までに七回までゼロ行進。1点を追いかける八回、無死一、二塁で四番今井康輔(3年)が左越えに2点二塁打、さらにこのあと1点を加えて3-1で逆転勝ちした。尾道のエースナンバー坂本典優(3年)は124球完投。山口遼太も129球完投。
フィジカル面で特筆すべきアドバンテージを有する武田は14安打15打点17得点で五回コールド勝ち。しかし強力打線相手に部員11人をまとめてきた主将でエースの門田隆秀(3年)はひとりで120球を投げ切った。
吉田は7対9で迎えた九回二死満塁フルカウントから平川高誠(2年)が左翼越えに走者一掃のサヨラナ打。忠海は吉田の8安打を上回る11安打で涙をのんだ。
庄原実も4対6の九回に2点を奪って追いつくと押し出し死球で総合技術にサヨナラ勝ちした。
昨夏のベスト16同士の対戦となった近大福山-沼田は2対2の六回、近大福山の六番岡本龍乃助(3年)が左越えに決勝ソロを運んだ。
竹原の左腕エースvs廿日市の右腕エース、勝敗を分けたのは…
竹原と廿日市も熱戦を演じた。竹原の主将でエース左腕、新納涼介(新3年)は151球5安打3失点。廿日市の主将でエース右腕、矢野凌大(3年)は174球7安打6失点。
勝敗を分けたのは3対1竹原リードで迎えた六回の攻防だった。先攻めの廿日市は相手のバッテリーミスで1点差に詰め寄ると死球、四球、四球の押し出しで同点に追いついた。
が、その裏の竹原は、新納涼介のショートバウンド投球を股間から後ろに逸らして同点のきっかけを作った四番キャッチャー寺戸暖(1年)が矢野凌大の93球目を叩いて右前打で出塁。そのあと死四球で一死満塁となって五回の守備から途中出場の榮谷宗馬(3年)が矢野凌大の113球目を三遊間にはじき返してすぐに1点勝ち越した。
五回終わりのインターバルで迫田穆成監督の話を聞く竹原ナイン
六回、左前に勝ち越し打を放つ竹原の榮谷
竹原攻守のキーマン寺戸は1年生キャッチャー
寺田とバッテリーを組んで18奪三振を記録した新納
新納とがっぷり四つの投げ合いを演じた廿日市の矢野
七回の守りではサード高崎健太郎(1年)が三塁線のゴロをさばききれず(記録はエラー)無死一塁と嫌なムードになりかけたが、次打者、一番安葉友志郎の時に三振ゲッツー!ボールカウント1-2からの4球目で二盗を試みた村上颯(3年)を寺戸暖が刺して、1年のミスを1年でカバーした。
六回を終えた時点で両先発の球数に大差はなかったが七回を9球で終えた新納涼介に対して矢野凌大は27球を投じ、寺戸暖の犠飛でさらに1点失った。
暑さの中での続投による球数の差は、両者の球威と制球力に差をもたらせたようで八回にも32球を投じた矢野凌大は押し出しで決定的な6点目を与えることとなった。
両校の安打数に差はなかったが死四球を選んだ数は、廿日市の4個に対して竹原は11個。
それでも矢野凌大はユニホームを泥まみれにしながら投げ切ったし、毎回の18三振を奪った新納涼介の上手と横手から自在に繰り出すスライダーは見事だった。
名将迫田穆成の下で3度目の夏(2020年は独自大会)に挑む竹原は1996年以来、26年ぶりの大会2勝目。この日のスタメンには1年生6人が名を連ねており「竹原から数年で県ベスト4へ」の2019年7月の監督就任当初に掲げた目標に向け、着々と前進中…(広島スポーツ100年取材班&田辺一球)