画像は広島1指名公表の斉藤優汰投手の近況を伝える10月20日付、スポニチ広島版一面
きょう10月20日、都内で午後5時からプロ野球ドラフト会議がある。19日の時点で阪神、DeNA、ロッテを除く9球団が1位指名選手を公表。ドラマの少ないドラフトになった。
広島は10月13日、北海道・苫小牧中央高校の右投げ、189センチ右腕、斉藤優汰投手をドラフト1位で指名すると公表した。投球フォームは2001年のドラフト1巡目で広島が指名した大竹寛投手(現巨人コーチ)に似ている。
広島は夏の甲子園視察を終えた時点では、巨人が1位指名を公表したスラッガーの浅野翔吾外野手(右投両打、高松商)や強打の捕手、松尾汐恩 (右投右打、大阪桐蔭)ら野手の名前を挙げていた。 白武佳久スカウト部長も早くから「うちの補強ポイントは外野の右の大砲」と公言していた。
1年前のドラフト前にも同様の発言が聞かれ、実際に中村健人、末包昇大のふたりの社会人野手をチームに迎えた。が、メジャーに活躍の場を移した鈴木誠也外野手の穴はほとんど、いやまったく埋まっていない。
ところで、斉藤優汰投手の1位指名が発表された翌日の10月14日、NHK広島放送局が公開生放送「みんなのカープ県民大会議」をオンエアした。今回が5回目。「ドラフト前にカープのドラフト1位を勝手に予想し、谷原章介さんやうえむらちかさんら、豪華ゲストが徹底討論」するのが番組の主旨だが、今回は異例の展開を受けての放送となった。
同番組は全国のドラフト候補選手を直接、観て歩く「流しのブルペンキャッチャー」安倍昌彦さんのトークを中心に展開される。
「みんなのカープ県民大会議」スタジオでのワンカット、中央右が安倍さん
番組の冒頭、安倍さんがスタジオのファンに斉藤優汰投手について!と質問や意見を求めたが誰も手を挙げなかった。そのあとも安倍さんは何度かスタジオに呼びかけた。無反応だったのはこの時だけ。番組はいきない微妙な空気感でスタートした。
だが、これは正しい演出だ。必ず誰かが手を挙げるような“仕込み”をNHK側(正確には番組はNHKエンタープライズが担当)はしていなかった。それが生番組、というものだ。
番組の最後で、スタジオや「県民」からの声をまとめて、ファンの希望するドラフト1位指名選手を5位まで発表した。(各選手のコメントはひろスポ!による)
1位 浅野翔吾(高松商・外野手)右投両打、170センチも本塁打王も狙える?一番ショートでいけそう
2位 森下翔太(中央大・外野手)右投右打、右のハードパンチャー、母校の先輩DeNA牧のような活躍が期待される
3位 山田陽翔(近江高・投手)右投右打、野球センス抜群、甲子園を11勝のスター、打者はNG、投手1本!
4位 河野佳(大阪ガズ・投手)右投右打、広陵出身、昨季より“パワーダウン”も復調の期待大
5位 曽谷龍平(白鴎大・投手)左投左打、球は速くはないが広島が指名してもいい人材、球の出所が分かりにくい
…という結果になった。
超高校級のふたり以外は大学生、社会人。
カープファンはこの上位5人のような即戦力を期待しているし、1年前の広島のドラフト戦略はまさにそうだった。
どうして、180度方向性が変わるのか?ファンはそこをたぶん心配している。
新井兄弟のタッグで「ポスト誠也」育成!というスタンスには誰も反対しない。今ドラフトでは2位以下で確実にそんな人材を確保していくことになる。(ひろスポ!ひろスタ特命取材班&田辺一球)