原爆の子の像に折り鶴を奉納したアンジュヴィオレ広島の新城舞キャプテン(右)、中央は広島市立大学国際学部の学生たち
アンジュヴィオレ広島×広島市立大学×国連ユニタール協会※、広島のスポーツと学と国連システム内の独立トレーニング機関の3者が10月27日、広島平和記念公園を訪ね、アンジュヴィオレ広島サポーターや関係者が平和や共生への願いを込めて折った折り鶴を原爆の子の像に奉納した。
※国連ユニタール協会…国連訓練調査研究所(ユニタール)は1963年の創立以来、研修事業に特化した国連機関として世界各地の人材開発を支えている。ジュネーブとニューヨークに続き、2003年に国連ユニタール広島事務所が開設された。
広島事務所では紛争後の復興、平和構築、軍縮、持続可能な開発目標(SDGs)などを柱に、アフガニスタン、南スーダンなど世界中の若きリーダーを対象に研修中。日本では公的な支援組織として2019年に一般社団法人「国連ユニタール協会」が設立され、「スポーツと平和」「SDGsと教育」「女性のエンパワーメント(女性の連携による権威移譲への活動)」の3本柱で地域密着の事業を展開、広島事務所の広報・啓発活動に協力している。2022年度、アンジュヴィオレ広島、広島市立大学と新たなプロジェクトを立ち上げた。
折り鶴奉納前に黙とう
アンジュヴィオレ広島の新城舞キャプテンが折り鶴台に奉納
アンジュヴィオレ広島の新城舞キャプテン、広島市立大学の山平芳美講師と国際学部学生、国連ユニタール協会事務局メンバーが参加した。
2015年、2017年の2度に渡り、アンジュヴィオレ広島の運営母体であるNPO法人広島横川スポーツ・カルチャークラブと国連ユニタールが中心となり、アフガニスタン女子サッカー代表チームを広島に招聘、エディオンスタジアム広島などでピースマッチを開催すると同時に、平和や女性のエンパワメントに関する研修会を「いちだい地域共創プロジェクト」として積み重ねてきた。
2015年のアフガニスタン代表チーム
2017年代表チーム
9月11日、東広島市の東広島運動公園陸上競技場でプレナスなでしこリーグ1部のアンジュヴィオレ広島vs朝日インテック・ラブリッジ名古屋が開催された際には「ピースマッチ」として「2001年9・11」に思いを寄せ、会場では折り鶴が折られ、誰もが自由にスポーツを行うことのできる世界を目指した。
その流れの中で10月22日には、国連ユニタール親善大使の為末大さん、大阪大学の岡田千あきさん、アンジュヴィオレ広島の渡谷祥乃選手らが登壇。2015年にアフガニスタン代表チーム副キャプテンとして参加したハジャル・アブルファザルさんも参加して、当時からさらに過酷になったアフガニスタンの女性アスリートにとっての現状やエンパワーメント、広島での経験、平和のためにスポーツが果たす役割などについて語った。
なお、為末大さんは2014年4月、ひろスポ!のインタビューで「まず学ぶために広島に来てもらうという発想で」と語っている↓
アンジュヴィオレ広島はすでに今季での解散が発表されているが、ユニタールらとともに広島でのスポーツを通じた平和構築やスポーツを通じた女性のエンパワメントに関して果たした役割は大きい。これまでに培ってきたスポーツ都市広島ならではの潮流を今後もさらに発展させていくことが求められる。(ひろスポ!広島スポーツ100年取材班&田辺一球)
ひろスポ!関連記事
国連ユニタール、サンフレ、アンジュプレゼンツ、広島ピースサッカーフェスでアフガニスタン女子躍動! | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア (hirospo.com)
(2017年4月2日掲載)
アンジュヴィオレ広島対アフガニスタン女子、9月20日午前11時エディオンスタジアム広島キックオフ | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア (hirospo.com)
(2015年9月20日掲載)