画像は今夏の広島大会期間中の迫田穆成監督と話を聞く竹原高校ナイン
文化庁は12月26日、令和4年度(第77回)文化庁芸術祭賞の決定について受賞作品を発表した。
ラジオ部門では、中国放送の「生涯野球監督 迫田穆成~終わりなき情熱~」が大賞に選ばれた。被曝経験があり、広商野球を出発点に今なお部員不足から再スタートした竹原高校監督として83歳にして甲子園を目指す名将に迫る作品で、受賞理由については文化庁HPに次のように記されている。
迫田監督の人生をスリリングに描き、参加番組の中で特に引き込まれた。6歳で被爆し広島商業時代に甲子園制覇。同高監督として1973年に優勝。当時あの怪物といわれた江川投手を2安打で攻略して名将と称される。83歳の今も生徒数150人の県立竹原高校野球部を指揮する。彼の卓抜とした世界観、野球観を巧みな構成と編集で描いた傑作。
迫田穆成さんの話
驚いています。そして自分のしたこととは思えません。運のよい男が今もその運に乗って皆さんに支えていただき、今もプラス思考でやらせてもらっております。
同番組は11月27日に中国放送ラジオでオンエアされた。2023年1月1日午後7時から再放送予定。
文化庁では、広く一般に優れた芸術作品を鑑賞する機会を提供するとともに、芸術の創造と発展を図り、我が国の文化の向上と振興に資するため、昭和21年から芸術祭を毎年実施している。
2022年4年10月1日(土)から11月30日(水)の期間に、参加公演として関東・関西で行われた演劇43件、音楽45件、舞踊33件、大衆芸能69件の公演、また参加作品として放送されたテレビ・ドラマ14作品、テレビ・ドキュメンタリー43作品、ラジオ22作品ならびにレコード部門31作品に対し、高い独創性や企画性などを基準として部門ごとに審査があった。
テレビ・ドラマ部門の大賞は、NHK制作で歌舞伎俳優の中村勘九郎さんが主演する「忠臣蔵狂詩曲No.5中村仲蔵出世階段」。テレビ・ドキュメンタリー部門の大賞はやはりNHK制作の「BS1スペシャル 正義の行方~飯塚事件30年後の迷宮~」で、番組では1992年に2人の女児が殺害された「飯塚事件」について、元警察官、弁護士、新聞記者らの証言を検証しながら、犯人とされる男性の死刑執行(2008年)後、2度も冤罪を主張する再審請求が出された事件の闇に迫る。