広島商-崇徳は予想外のワンサイドになった(画像説明)
第105回全国高校野球選手権記念広島大会第10日(7月23日)
準々決勝4試合がみよし運動公園野球場とぶんちゃんしまなみ球場であった。
ベスト4は広陵(第1シード、春選抜出場)、呉港(昨夏ベスト8)、広島商(昨夏ベスト4、第3シード)、新庄(第1シード)。
春の県大会優勝の広陵と同大会準優勝の新庄は第1シードでやぐらの両端から順当に勝ち上がってきた。両者は決勝まで当たらない。26日にある準決勝は、ぶんちゃんしまなみ球場で、広陵-呉港(午前10時から)、広島商-新庄(午後0時30分から)の対戦となる。
<ぶんちゃんしまなみ球場>
新庄 240 030 0・9
盈進 010 000 0・1
(七回コールド)
如水館 000 000 000・0
広 陵 001 200 00X・3
盈進は2回戦・宮島工に6-0、3回戦・尾道北に6-1、4回戦・瀬戸内(第3シード)に6-0で夏連覇に向け勝ち上がってきた。しかし新庄打線の前に序盤で大量リードを許し、勝ちパターンを手放した。エース津村大毅(3年)の立ち上がり、失策絡みでの失点が痛かった。
新庄のエース新田遥輝(3年)は104球完投。打線もクリーンアップで8安打4打点とバランスがいい。
……
広陵は今大会4戦で3度目の完封勝ち。順調に勝ち上がってきた如水館は広陵エース、高尾響(2年)の前に5安打止まり。大会2ホーマーの倉野尾祥太(3年)は4の0。
だが、高尾響が120球13奪三振なら如水館のエース横丸冬馬(3年)も打線の援護を待ちながら8回130球を堂々と投げ切った。
広陵は超高校級スラッガー、真鍋慧の不振が誤算か?打球がいい角度で上がらなくなり、力んでさらに打球が飛ばない悪循環で4の0点
<みよし運動公園野球場>
広 000 000 000・0
呉 港 110 002 10X・5
広島商 405 011・20
崇 徳 120 10・4
(五回コールド)
ノーシード同士、道路を挟んで隣接する広と呉港の対戦。地元にとっては誇りでもあり、もったいない気持ちも滲む対戦は呉港に軍配が上がった。
着実に加点した呉港、しかし逆の見方をすれば元川成吾(2年)、エース川辺翔太(2年)、福田広夢(2年)、川辺翔太と繋いだリレーではビッグイニングを作らずよく耐えたことになる。ただ、打線は呉港の2投手の前に2安打止まり、得点機は作ったがあと1本が出なかった。
広は4回戦までの4試合で計26得点、この日も合わせて5試合で12失点。登録メンバー15人の戦いの跡を後輩たちが引き継ぐ。
……
広島商と崇徳は結果的には記録的なワンサイドとなったが二回を終えた時点では接戦…。両校スタンドの応援の盛り上がりも互角だった。
ポイントは相手のエラー絡みで試合の流れを引き寄せかけた崇徳の三回の守り。わずか3球で二死となってそこから七番・綾部晴慶(2年)から二番・武部順正(2年)まで5連打されて4点を失った。左腕の片山翔太に対して5連打した広島商はいずれも左打者だった。崇徳はそこから継投策に入ったが、その後も内野の守備の乱れも絡んでさらに1失点…
五回には打者17人を送って11得点を奪った広島商打線。各打者が状況や相手投手の球種などに対してフレキシブルに対応する力量を備えているように見える。ただ、崇徳は五回もエラーと野選で無死満塁のピンチを招いたことが悔やまれる。
広島商のクリーンアップは三番・安井優矢(3年)が5打数4安打3打点で3方向に打ち分ける広角打法、四番・荒谷龍ノ介主将(3年)も5打数4安打3打点でセンター返し中心のバッティング、五番・佐伯侑哉(3年)は5打数2安打2打点だった。