画像は猿猴川西岸側から見たマツダ本社工場(2023年9月4日撮影)
想像力の欠如は、例えばプーチンのウクライナ侵攻のような取り返しのつかない災いを人類にもたらす。
被爆地広島・長崎もそう。原子爆弾の恐ろしさを知りながらも、都市上空で炸裂させたらどうなるか?理論的には分かっていても、地上の地獄絵図までは想像できなかった(したくなかった)のだろう。
ひろスポ!にはデルタルハンター班が編成されている。ネット上のオープンソースから事件・事故・国際紛争などにおける事実を導きだすデジタルハンターを模した造語で、広島市の三角州(デルタ)を、足で調査しながらネット上の情報も選別しつつ、その「想像力」を記事作成に生かす。
広島プロスポーツシーンの一角を担う広島ドラゴンフライズは地域密着のクラブとして平和への願いをつなぐ「おりづるリレー」やフェアで誠実なプレーが顕著だった選手を表彰する「おりづる賞」などにも力を入れてきた。
あす9月8日、安芸郡府中町のマツダ本社の敷地内で広島ドラゴンフライズとマツダ株式会社のパートナー契約締結に関する共同会見がある。10月にクラブは設立10周年を迎える新興クラブと戦後広島の復興とともに歩んできた100年グローバル企業のコラボレーションは、どんなケミストリーを生むだろうか…
広島ドラゴンフライズはクラブハウス「ドラフラベース」を廿日市市に開設している。ミヤジマトンボ由来のチーム名だから“西寄り”の活動”が先行してきたのは当然だろう。ホームアリーナの広島サンプラザホールも広島市西区だ。それが今回 “東寄り”にも広がる。
9月1日付のマツダからのリリースは、以下のようになっている。
マツダ、広島ドラゴンフライズにダイヤモンドパートナーとして協賛
マツダ株式会社(以下、マツダ)は、プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」に所属する「広島ドラゴンフライズ」(以下、ドラゴンフライズ)に2023-24シーズンのダイヤモンドパートナーとして協賛します。
マツダは、広島初のプロバスケットボールチームであるドラゴンフライズにオフィシャルパートナーとして協賛しています。また2017年に、ドラゴンフライズのプロモーションカー「HIGH-FIVE」(ハイファイブ)にラッピングするグラフィックデザインをマツダのデザイン本部が製作するなど、良好な関係を構築してきました。このたび、設立10シーズン目を迎えるドラゴンフライズがますます飛躍するとともにブースターの皆さまと広島がさらに盛り上がることの一助になるべく、ダイヤモンドパートナーとして応援することを決定しました。
また、ドラゴンフライズからのご提案により、2023-24シーズンにおける試合で選手が着用するユニフォームの左肩に、マツダのブランドマークがあしらわれます。ドラゴンフライズの2023-24シーズンの新ユニフォームデザインには、「地域に貢献し、地域に愛される日本一のクラブになる」という信念のもと、名産品のレモン、けん玉、しゃもじ、広島県内に数多く存在する神社、瀬戸内海をイメージした模様を散りばめ、県民やブースターの思いを背負って日本一を目指すという志を表現するとともに、ドラゴンフライズの屈しない魂と情熱を胸に進み続ける意志が込められています。
マツダは、今後も「ひと中心」の価値観のもと「走る歓び」を進化させ続け、お客さまの日常に移動体験の感動を創造し、「生きる歓び」をお届けしていくことを目指していくとともに、地元に支えていただいている企業として、地域におけるスポーツの振興や文化の発展に貢献していきます。
……
最後に「地域におけるスポーツの振興や文化の発展に貢献していきます。」とある。
そこでデルタルハンター班では、マツダ株式会社代表取締役兼CEO 毛籠勝弘氏とも過去にスポーツ文化活動などを通じて意見交換した広島スポーツ関係者らにも話を聞き、得意の?想像力を膨らませてみた。
それが…
マツダピースアリーナ
…の妄想レベルでの誕生だ。
マツダスタジアムからもそう遠くない広島市南区大州にはマツダ体育館がある。大阪万博のあった1970年落成の同体育館は、手を加えられながら今に至っている。当然、建て替え話も出ているだろう。
マツダ体育館
一方、マツダ本社のある敷地内にはかなりの遊休地があるようだ。特にタイタン、ブレンディなどの商用車を2000年以降も製造していたF工場は、2004年に生産を終えて2017年5月に更地になった。
「あそこならアリーナどころかゴルフの打ちっぱなしや、テニスコートや温浴施設やショッピングセンターや、それこそマツダ車の大展示場も併設の複合施設ができますよ」(マツダ関係者)
現在、JR向洋駅前は広島市東部地区連続立体交差事業と同時並行で進められる区画整理、再開発の真っただ中にある。同駅舎からF工場跡地まで徒歩10分圏内だ。地下道を充実・拡充すれば交通量の極めて多い大州通りを渡ることもない。
ひろスポ!ではすでに他メディアのどこよりも各段の危機感を持って2026年にスタートする新バスケリーグ「Bリーグプレミア」について、“広島ドラゴンフライズ参入への課題”を伝えてきた。
新リーグを構成するクラブに求められるのは…
・基準を満たしたアリーナの確保
・観客動員4000人以上
・売上高12億円以上
…学校の成績表に例えれば上記3項目で「大変よくできました」のスコアを叩き出すことが求められ、チーム力は「内申書」的な扱い?でしかない。
新リーグ参入を目指す他地域のクラブが次々に新たなアリーナ施設の充実にまい進する中、広島グリーンアリーナを一時的に代替利用する案だけで新リーグ参入のサバイバルレースを乗り切ることができるのか?
マツダ城下町の子どもたちの笑顔やシルバー世代の健康の維持増進の拠点にもなりえる新複合アリーナ…。Bリーグ・島田慎二チェアマンが7月末に発表した2026年始動のB.LEAGUE構造改革「B.革新」を、広島を代表するクラブとして力強く駆け抜けるための夢多き未来へ、Be a driver.
(ひろスポ!デルタルハンター班&田辺一球)